503エラーとは?発生する原因と対策について解説

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

自社サイトで503エラーが発生し、対応に苦労した経験はないでしょうか。

503エラーがどういうものかわかっていないと対応に時間がかかってしまい、サイトの運営と管理に悪影響が出る可能性があります。

この記事では503エラーとは何なのか、発生する原因、すぐに復旧できるのか、何度も503エラーが発生してしまうときの対策などについて解説します。

503エラーが発生しても焦らず、適切な対応をすばやく行えるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。

503エラー(Service Temporarily Unavailable)の意味について

503エラーは一般的に 「Service Temporarily Unavailable」 と表現され、Webサーバーが一時的に利用不可能であることを示すものです。

503エラーが発生したときはサーバーがメンテナンス中であったり、オーバーロード(過剰な負荷)状態になっている可能性があります。

ユーザーがWebサイトを訪れると、通常はブラウザがサーバーにリクエストを送り、サーバーが適切な応答(通常は200 OKレスポンス)を返すことでWebページが表示されます。

しかし、サーバーがメンテナンス中や過負荷状態であると、この応答が適切に生成されないことがあるため、結果としてサーバーから503エラーが返ってくるのです。

503エラーの発生は一時的な問題であることが多く、ほとんどの場合、その後のリクエストでは正常にWebサイトにアクセスできるでしょう。

しかし、長時間にわたって503エラーが続く場合は、サーバーの運用者が問題を特定し、解決に向けて行動しなければなりません。

503エラーが表示された場合、ユーザーは後ほどWebサイトに再訪問するか、エラーが解決されていない場合は、Webサイトの運営者に問題を報告する必要があります。

また、503エラーは「Retry-After」ヘッダーを含むことがあり、これはサーバーがいつ再び利用可能になるかを示しています。

このように、503エラーは一時的なサーバーの利用不能状態を示すHTTPステータスコードで、しばしばメンテナンスや過負荷の度に発生します。

このような状態だと、ユーザーにとっては再試行などの手間が発生するため、運営者はエラーが発生しないような対策を立てておくことが求められます。

503エラーが発生する原因とは

503エラーが発生する原因について解説します。

503エラーはほとんどの場合、サーバーのメンテナンスや不具合によって発生します。

しかし、発生する原因は様々であるため、それぞれの原因ごとに適切に対応しないと復旧させられず、ユーザーがいつまでもアクセスできないという事態になりかねません。

まずはエラー発生の原因についてよく理解しましょう。

サーバーのメンテナンスで一時的に休止状態になっている

503エラーが発生する原因の一つが「サーバーのメンテナンス作業による一時的な休止状態」です。

サーバーのメンテナンスはシステムのアップグレードやパフォーマンスの最適化、セキュリティの強化などの目的で行われます。

メンテナンス中はサーバー管理者側は、サーバーをオフラインにして必要な修正や変更を行いますが、作業している間、ユーザーはサービスを利用できません。

この場合にサーバーのメンテナンス作業実施中によるサービス利用不可として、ユーザー側には502エラーが表示されます。

この状態ではサーバーは一時的にリクエストを処理できない状態になるため、管理者はユーザーに503エラーが表示されることをあらかじめ通知するのが一般的です。

メンテナンス作業中のサーバーは通常、予定された時間内に復旧するため、ユーザーはメンテナンス終了後に再試行することでサービスを再び利用できるようになります。

メンテナンスが長期化する場合や予定外の問題が発生してすぐにサービスを再開できない場合、管理者はユーザーに情報を提供し、作業内容や予想される復旧時間について伝えましょう。

サーバーのメンテナンスはシステムの安定性と信頼性を維持するために不可欠ですが、事前にユーザーに対して一時的な利用不可状態を伝え、理解と協力をお願いする必要があります。

サイトへ瞬間的に大量のアクセスが集中した

サイトへ瞬間的に大量のアクセスが集中した場合も、503エラーが発生する可能性があります。

Webサイトは同時に処理できるリクエスト数に制限が設けられているのが一般的です。

もしサイトに急激なアクセスが集中し、同時に処理するリクエスト数が制限を超えてしまった場合、サーバーは過負荷状態になります。

サーバーが過負荷状態に陥った場合、新しいリクエストを処理することができなくなってしまうため、サーバーは503エラーを返してアクセスを拒否するのです。

大量のアクセスが集中するケースはさまざまな要因によって引き起こされます。

例えば特定のイベントやキャンペーンへの広告効果によるアクセス増加、Webサイトのコンテンツがソーシャルメディアなどでバイラル的に拡散されること、または意図的な攻撃やボットによる大量のリクエストなどが挙げられます。

Webサイトが503エラーを返す場合、ユーザーはしばらく待ってからリクエストを再試行することになります。

サイトの管理者はトラフィックパターンを監視し、サーバーの容量を増やしたり、負荷分散の仕組みを導入するなど、サーバーの能力を向上させる対策を検討することが重要です。

引き続き大量のアクセスが集中する場合、何度もサーバーの処理能力を超えてしまう可能性があるため、Webサイト管理者はトラフィックを予測して適切な対策を立てておく必要があります。

これにより、ユーザーはスムーズにアクセスできるようになり、サイトの利用性と信頼性が向上するでしょう。

同じサーバーを共有している別サイトへのアクセスが大量に発生した

同じサーバーを共有している別のサイトへのアクセスが大量に発生したときも、503エラーが発生する可能性があります。

複数のWebサイトが同じサーバーを共有している場合、サーバーのリソース(処理能力、メモリ、ネットワーク帯域など)はすべてのサイトで共有されます。

もし共有されているサイトの中の一つで急激なアクセス増加があり、そのサイトのリソースが多く消費される場合、他のサイトへのリクエスト処理に支障が生じてしまう可能性があるのです。

この場合、共有サーバー上の他のサイトはリソース不足となり、サーバー全体が過負荷状態に陥るため、サーバーは503エラーを返してアクセスを制限します。

共有サーバーでのリソースの適切な配分と管理は重要です。

サーバー管理者は各サイトのトラフィックとリソース使用状況をモニタリングし、必要に応じてリソースを調整しなければなりません。

また、リソースを均等に配分するだけでなく、予測できないアクセス増加に対応するためのスケーラビリティも考慮する必要があります。

リソース不足による503エラーを回避するためにWebサイトの管理者は、キャッシュの最適化、コンテンツの圧縮、外部サービスの活用など、パフォーマンス改善策を検討しましょう。

サイトがより効率的にリソースを利用し、アクセス増加に対してより堅牢な状態を維持できるようになるはずです。

このように、共有サーバーでは異なるサイト間のトラフィックの影響を適切に管理する必要があります。

リソースの適切な配分と最適化策の導入により、503エラーを最小限に抑え、ユーザーによりスムーズにアクセスできる環境を整えてください。

処理時間が長くかかってしまっている

サーバー処理時間が長くかかってしまっていると503エラーが発生します。

通常、Webサーバーはクライアントからのリクエストを受け取り、それに対する処理を行います。

しかし、処理が複雑で時間がかかる場合、サーバーは他のリクエストを処理する余裕がなくなって過負荷状態に陥るため、サーバーは503エラーを返してアクセスを制限するのです。

処理時間が長くなる主な原因は以下の通りです。

原因①データベース処理の遅さ

リクエストがデータベースに対するクエリや操作を含む場合、データベースの負荷やインデックスの不足などによって処理時間が長くなることがあります。

原因②外部サービスへの依存

Webサーバーが外部のサービスやAPIに依存している場合、そのサービスが遅延やタイムアウトを引き起こすと処理時間が遅くなる可能性があります。

原因③複雑な計算や処理

特定のリクエストが複雑なアルゴリズムや計算を必要とする場合、処理に時間がかかることがあります。

原因④リソース制約

サーバーのリソース(CPU、メモリ、ネットワーク帯域など)が不十分な場合、同時に処理できるリクエスト数が制限され、処理時間が長くなります。

処理時間が長くなる場合の対策として、Webサイトの管理者は以下の方法を検討しましょう。

原因⑤サーバーの最適化

サーバーのパフォーマンスを向上させるために、リソースの最適化やボトルネックの特定を行います。これにはキャッシュの活用やデータベースのチューニングなどが含まれます。

原因⑥リクエストの最適化

リクエストの処理を効率化するためにデータベースクエリや外部サービスへのリクエストを最適化、不要な処理や冗長なリクエストを削減することで処理時間を短縮できます。

原因⑦スケーリングと負荷分散

トラフィックの増加に対応するためにサーバーのスケーリングや負荷分散の仕組みを導入し、複数のサーバーにリクエストを分散させて負荷を均等に分担することで、処理時間の短縮が可能です。

処理時間を最適化することで503エラーを回避できます。

503エラーからすぐに復旧することは可能なのか

503エラーが発生する原因と対応がわかったところで、果たしてすぐに復旧することは可能なのでしょうか。

ここまで説明してきたとおり、503エラーが発生する原因は様々で、なぜエラーが発生し、その原因に対して何をすればいいのか理解しておくことで、より早く復旧させることできます。

ただし、原因によってはすぐに復旧できない場合もあります。

すぐの復旧はできない場合が多い

503エラーがすぐに復旧できない理由としては以下が考えられます。

理由①サーバーの過負荷

サーバーが過負荷状態の場合、サーバーが処理できるリクエストの数を超えており、リソースが不足しています。追加のリクエストを処理するためには、サーバーに十分なリソースを割り当てるか負荷を軽減する必要がありますが、リソースの割り当てや負荷軽減には時間がかかるため、すぐに復旧することが難しい場合があります。

理由②メンテナンス作業

サーバーのメンテナンスやアップグレードが行われていると、サーバーは一時的に利用不可になります。メンテナンス作業の終了までには必要な修正やアップグレードが完了する必要があるため、復旧に時間がかかることがあります。

理由③サードパーティサービスの障害

Webサーバーがサードパーティサービスや外部に依存している場合、そのサービスが利用不可であるか、遅延している場合にも503エラーが発生する可能性があります。このような場合、サービスの提供元が問題を解決するまで待たなければなりません。

以上の理由により、503エラーの復旧には時間がかかる場合があります。

Webサイトの管理者が問題の特定と解決に向けてすぐに作業に取り掛かっても、さまざまな要素が関与して即座に復旧が難しい場合があることを理解しておきましょう。

503エラーが何度も出てしまう場合の対策

503エラーについて理解し、適切な対策ができていたとしても、何度も503エラーが発生する場合があります。

対策に問題がないにもかかわらず503エラーが発生するのは、サーバー側の処理能力の限界であることがほとんどです。

繰り返される503エラーの発生を止めるには、費用をかけてサーバーの処理能力を強化しなければなりません。 

転送量や同時接続数に余裕のあるサーバーを使用する

何度も503エラーが発生する場合、転送量や同時接続数に余裕のあるサーバーを使用することは効果的です。

その理由として以下のことが挙げられます。

理由①負荷分散

転送量や同時接続数に余裕のあるサーバーを使用するとリクエストが均等に分散されるため、各サーバーにかかる負荷が軽減されて個々のサーバーの処理能力が最大限に活用されます。そのため、リクエストが集中する場合でもサーバーは過負荷に陥りにくくなり、503エラーを回避することができます。

理由②スケーラビリティ

転送量や同時接続数に余裕のあるサーバーを使用するとトラフィックの増加や負荷の変動に対応できるため、必要に応じて新しいサーバーを追加して処理能力を拡張することが可能です。これによってサービスのパフォーマンスと可用性を維持しながら503エラーを最小限に抑えられます。

理由③ユーザーエクスペリエンスの向上

転送量や同時接続数に余裕のあるサーバーを使用するとユーザーは、スムーズにWebサイトへアクセスできるようになります。リクエストが遅延することなく迅速に処理されるため、ユーザーはサイトのパフォーマンスに満足できるでしょう。

転送量や同時接続数に余裕のあるサーバーを使用することは、サーバーのパフォーマンス向上と503エラーの回避に直結します。

適切なスケーリングと負荷分散の戦略を検討し、サービスの安定性と信頼性を高めることに努めましょう。

転送速度を向上させて負荷を減らす 

転送速度を向上させて負荷を減らすことも効果的があります。

理由として以下のことが挙げられます。

理由①負荷の分散

転送速度を向上させることでリクエストがより迅速に処理されるため、個々のリクエストがサーバーに滞留する時間が短縮され、サーバーへの同時接続数が減少します。負荷が均等に分散されることでサーバーはより効率的にリクエストを処理し、503エラーの回避につながります。

理由②キャッシングの活用

転送速度を向上させるためにはキャッシュメカニズムを使用することが重要です。キャッシングはリクエストに対するレスポンスを一時的に保存し、再度同じリクエストがあった場合にキャッシュから提供することで処理速度を向上させます。キャッシングによりサーバーの負荷が減り、処理時間が短縮されるため、503エラーのリスクが低下するでしょう。

理由③レスポンスの最適化

レスポンスの最適化によって画像やスクリプトの最適化、ファイルの圧縮、キャッシュヘッダーの適切な設定などを通じてレスポンスのサイズを縮小し、転送時間を短縮することができます。

転送速度の向上はサーバーのパフォーマンスと負荷管理に重要な役割を果たします。

効果的な転送速度の向上策を導入することでサーバーへの負荷を減らし、ユーザーはスムーズにWebサイトへアクセスできます。

転送速度の向上によって503エラーを回避し、サイトの信頼性と利便性は高まることでしょう。

HTTPステータスコードの代表例について解説

HTTPステータスコードはWebサーバーからクライアントへ送信される応答メッセージの一部であり、リクエストの処理結果を示す3桁の数値です。

以下に代表的なHTTPステータスコードの一部を解説します。

・200 OK

リクエストが成功して要求されたリソースが正常に返されたことを示しています。このステータスコードは通常のリクエストに対して返されます。

・301 Moved Permanently

リクエストされたリソースが完全に新しいURLに移動したことを示しています。クライアントは新しいURLを使用してアクセスする必要があります。

・404 Not Found

404 エラーは、リクエストされたリソースが見つからなかったことを示しています。リソースが削除されたか、存在しないURLを指定した場合によく使われます。

・500 Internal Server Error

500エラーは、サーバー内部でエラーが発生したことを示しています。具体的なエラーの詳細はクライアントに表示されず、サーバー側で問題が発生していることを示す一般的なエラーコードです。

HTTPステータスコードはWeb開発者やサーバー管理者に問題を特定し、ユーザーに適切なフィードバックを提供するための重要な役割を果たします。

正常なリクエストの結果やエラーの原因を理解することで、パフォーマンスとユーザーエクスペリエンスを向上させることが可能です。

ステータスコードはHTTPプロトコルに基づいてクライアントとサーバー間の通信を制御しています。

1xx系の情報レスポンス、2xx系の成功レスポンス、3xx系のリダイレクトレスポンス、4xx系のクライアントエラーレスポンス、5xx系のサーバーエラーレスポンスのグループに分類されます。

ステータスコードを適切に処理することは、Webのパフォーマンスとユーザーエクスペリエンスを向上させるために重要です。

開発者や管理者はエラーログやネットワークモニタリングを使用して問題を特定し、適切な対応を行うことが求められます。

適切なエラーページの表示やリダイレクトの設定など、ユーザーにわかりやすいフィードバックを提供することも必要です。

まとめ

503エラーが発生したときの対応としては、サーバーリソースの拡張やサーバーの負荷分散、キャッシングの最適化、トラフィックの低い時間帯でのメンテナンススケジュールの設定などが有効です。

あらかじめ503エラーが発生することが分かっているなら、ユーザーに分かりやすいエラーページを表示することも重要な点となります。

エラーページにはお詫びや再試行の促しを伝えるメッセージを表示し、ユーザーエクスペリエンスを向上させましょう。

503エラー対策は、Webサイトのパフォーマンスと集客効果を向上させるために不可欠です。

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