Yahoo!ディスプレイ広告で成果を上げる!スマートターゲティング完全ガイド

Yahoo!ディスプレイ広告で成果を上げる!

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

People using Ads for digital marketing concept, online advertisement, ad on website and social media for customer

マーケティングの世界において、技術の進歩は常に新しい機会をもたらします。その中でも、機械学習を駆使した広告配信の自動ターゲティング拡大手法は、特に注目に値する進化です。

例として、Yahoo!広告のディスプレイ広告(YDA)の場合を挙げましょう。YDAでは、コンバージョン(顧客のアクション)の可能性が高いユーザーに対して、緻密にターゲティングした広告の配信が可能です。これを実現するのが、「スマートターゲティング」と呼ばれる機能です。この機能は、ユーザーの行動や興味を分析し、最適な広告を自動的に配信することで、効果的なマーケティング活動を支援します。

今回は、「スマートターゲティング」の機能の詳細、その設定方法、そして類似する機能である「オーディエンスリスト(類似ユーザー)」との違いについて、わかりやすく解説していきたいと思います。これらの機能は、表面的には似ているかもしれませんが、実際にはそれぞれにユニークな特徴があり、異なるマーケティング戦略に貢献します。

※2023年8月現在、ベータ版として提供されています。仕様の変更も考えられるため、本記事の内容と実際とで仕様が異なる可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

※2024年夏頃の正式リリースを目指して、機能改善を行っていく予定とのこと。

スマートターゲティングは不可欠な機能

このシステムは、コンバージョン(目的としたアクション)を達成したユーザーのデータや、現在設定されている広告の詳細な情報を活用して、ターゲティングを自動的に最適化します。このプロセスは、既存のデータを基に、より効果的な広告配信を可能にするための洗練されたアルゴリズムによって支えられています。

この機能の最大の利点は、新たなユーザーにアプローチする際に、従来のように手動でターゲティング設定を行う必要がないことです。スマートターゲティングは、コンバージョンの見込みが高いと判断されるユーザーを自動的に特定し、広告配信の対象を拡大することを可能にします。これにより、マーケティングの精度が向上し、広告効果の最大化が期待できるのです。

このような機能を活用することで、マーケターは広告キャンペーンのターゲティングに関する時間と労力を大幅に削減できるだけでなく、より戦略的な意思決定を行うことができます。スマートターゲティングは、データ駆動型のアプローチを取る現代のデジタルマーケティングにおいて、非常に重要な役割を果たしています。

スマートターゲティングの使用方法

スマートターゲティングは、デジタル広告キャンペーンの効果を最大化するための強力なツールです。

この機能は、さまざまなキャンペーン目的や入札戦略で利用可能ですが、最適な成果を得るためにはいくつかの推奨される利用条件があります。

推奨される利用条件

キャンペーンの目的コンバージョン
アプリ訴求
入札戦略コンバージョン数の最大化(目標値あり、なしの両方)
拡張クリック単価

広告配信におけるターゲットの選定は、複雑な情報分析に基づいて行われるプロセスです。この過程で、特に重要視されるのが「コンバージョンデータ」など、広告がユーザーにどのような影響を与えたかを示す情報です。コンバージョン率の高さやアプリダウンロードの数など、広告を通じたユーザーの具体的な行動は、広告の成果を最適化する上で欠かせない要素とされています。これらのデータが充実しているほど、広告システムはより効果的に機能し、ターゲットを精密に抽出することが可能となります。

さらに、ターゲットに対するアプローチの効率を高めるためには、広告の入札価格設定における柔軟性も重要です。適切な入札戦略を採用することで、ターゲットユーザーに対するリーチを最大化し、広告の見逃しを防ぐことができます。この柔軟な対応が可能な入札戦略は、広告キャンペーンの成功に不可欠な要素と言えるでしょう。

また、ターゲティングの精度をさらに向上させるためには、適量の学習データが必要となります。この点で、過去7日間におけるコンバージョンの発生数が20件以上であることが推奨されるのは、データが十分に蓄積されていることが、より高いターゲティング精度を実現するための条件であるからです。

これらの要素をすべて満たす必要はないかもしれませんが、広告キャンペーンをより効果的に展開するためには、これらの情報を理解し、適切に活用することが望まれます。広告配信の過程でこれらの要点を把握し、適用することで、マーケティングの成果を最大限に引き出すことができるでしょう。

スマートターゲティングの設定方法

スマートターゲティングの設定は非常にシンプルです。

広告グループ単位で設定可能なため「広告グループ設定」を選択し「編集」ボタンをクリックします。

「ターゲティング」の項目にて「利用する」を選択して保存すれば設定完了です。

スマートターゲティングの注意点

スマートターゲティングは、その簡単な設定方法により、多くのマーケティング担当者にとって魅力的なオプションとなっています。しかし、この機能を最大限に活用するためには、いくつかの重要な注意点を理解し、適切に対処することが必要です。

設定した広告グループの情報をもとに、一定期間の学習が必要

このシステムは、設定された広告グループの情報を基にして、一定期間にわたる学習プロセスを経て、ターゲティングの最適化を行います。この学習プロセスは、広告の効果を最大化するために必要なデータを蓄積し、分析する過程です。この段階で、システムは設定されたターゲットに対して広告を配信し続けることになります。

しかし、スマートターゲティングの特性上、この学習の進行状態を直接確認することはできません。そのため、広告キャンペーンを開始してから、最適化が実際に始まるまでの間は、少なくとも数日から2週間程度の時間を見積もる必要があります。この期間は、システムが集めたデータを元に学習を深め、より効果的なターゲティング戦略を構築するために重要な時期となります。

ターゲティングの設定が配信対象を決定づける重要な要素となる

スマートターゲティングの性質上、設定されたターゲティングによって広告の配信範囲が異なることを理解しておく必要があります。

指定した範囲内が配信対象となるターゲティング設定

以下のターゲティング設定は、指定している範囲内のみが配信対象となります。

  • デバイス
  • 性別
  • 年齢
  • 曜日・時間帯
  • 地域
  • プレイスメント
  • コンテンツキーワード
  • サイトカテゴリー

たとえば、デバイスをモバイルに限定している場合には、コンバージョンに至る可能性がいくら高くともPCが配信対象になることはありません。

指定した範囲外が配信対象となるターゲティング設定

一方で、次のターゲティング設定については指定している範囲を超えた対象にも広告が配信される可能性があります。

  • オーディエンスリスト
  • オーディエンスカテゴリー
  • サーチキーワード

オーディエンスリストターゲティングによる除外対象へも広告配信される可能性がある

オーディエンスリストやオーディエンスカテゴリー、サーチキーワードなど、指定した範囲を超えて広告が配信される可能性があるターゲティング設定も存在します。特にオーディエンスリストターゲティングでは、除外対象にも広告が配信される場合があります。たとえば、既存の顧客を除外する設定をしていた場合でも、スマートターゲティングによってこれらのユーザーに対して広告が配信される可能性があるため、注意が必要です。

たとえば、特定のユーザーグループを意図的に広告配信の対象外にすることは、広告の効率性を高め、余分な広告支出を防ぐために行われます。具体的には、「ウェブサイト訪問ユーザー」のリストを除外して購入者への広告配信を避けたり、「顧客データ」を用いて既に会員登録しているユーザーを対象外にしたりすることが一例です。

これらの戦略は、広告が既に製品やサービスを購入、または利用しているユーザーに届かないようにすることで、広告のリーチを潜在的な新規顧客に絞り込むことを目的としています。しかし、除外設定が不適切に行われた場合、意図しないユーザーに広告が配信される可能性があります。これは、特定のターゲットから除外すべきユーザーが正確に特定されていない、または広告配信システムが設定された除外基準を適切に理解していないことが原因で起こります。

特定のターゲティング単位に関するレポートの扱い

オーディエンスカテゴリーやオーディエンスリスト、サーチキーワードを基にしたターゲティングにおいて、その成果がレポートに直接反映されないという特性があります。この仕様は、スマートターゲティングが広告配信の最適化を行う過程で、これらのターゲティング単位のデータを直接的なパフォーマンス指標として扱わないことを意味します。

このため、広告配信の最適化によって増加した広告配信の実績を正確に把握することが難しくなります。スマートターゲティングの効果を評価するためには、その導入前後のデータ、特に最適化が始まる前と後の期間の数値を比較することが効果的です。このアプローチにより、スマートターゲティングの導入が広告キャンペーンに及ぼす影響をより正確に理解することができます。

「オーディエンスリスト」と「スマートターゲティング」の重要な違い

オーディエンスリスト(類似ユーザー)」(以下、類似ユーザー)機能について見てみましょう。この機能は、基となるオーディエンスリスト内のユーザーと似た行動履歴を持つユーザーをリスト化します。このことから、特定のページ訪問者など、より柔軟にターゲットを設定することが可能です。また、類似ユーザーの範囲は10段階で調整できるため、類似度が高いユーザーだけでなく、低いユーザーまで対象を広げることが容易になります。

一方で、「スマートターゲティング」は、コンバージョンの可能性が高いユーザーに焦点を当てた機能です。これは、類似ユーザーよりも柔軟性に劣る可能性がありますが、コンバージョンデータや広告設定情報など、多くの情報を基にユーザーを選定します。ただし、この選定に用いられる情報の詳細は非公開であり、どのような基準でユーザーが選ばれているのかは完全には明らかではありません。

利用条件の面では、類似ユーザーは基となるオーディエンスリストの過去28日間のユーザーサイズが100以上である必要があります。対してスマートターゲティングは、対象キャンペーンで過去7日間に20件以上のコンバージョンがあることが推奨されています。

これらの違いを踏まえると、類似ユーザーはより幅広いユーザーグループにアプローチするための手法として、比較的簡単に活用できます。しかし、スマートターゲティングはコンバージョンの獲得に特化しているため、キャンペーンの目的やデータの蓄積状況に応じて適切に選択することが重要です。これらのツールを理解し、戦略的に活用することで、デジタルマーケティングの成果を最大化することが可能になります。

まとめ

デジタル広告の世界では、効率と効果を同時に追求することが常に重要です。その点で、「スマートターゲティング」という機能は、非常に注目されています。この機能は、自動化されたターゲティングを通じて、効率的かつ効果的な広告配信の拡張を目指しています。そのため、多くのマーケターや広告主にとって、スマートターゲティングは魅力的な選択肢となっています。

しかし、現段階では、この機能の完全な活用にはいくつかの課題が存在します。一つの大きな問題点は、除外設定されているオーディエンスが、時には広告の配信対象になってしまうことです。これは、特定のオーディエンスを意図的に除外したい広告主にとっては、望ましくない状況を生じさせる可能性があります。また、学習ステータスが確認できないため、広告キャンペーンの進行具合を正確に把握することが難しいという点も、改善が望まれる部分です。

2024年夏頃に予定されている正式リリースまでに、これらの点を含む機能改善が行われることが期待されています。スマートターゲティングの機能がさらに洗練され、使いやすくなれば、マーケティングの効率と効果をさらに高めることができるでしょう。この機能がもたらす広告配信の新たな可能性に期待が高まる中、その進化に注目が集まっています。デジタル広告の最前線で戦うマーケターにとって、これらの機能改善は大きな意味を持つものとなるはずです。