リダイレクトの警告に注意!主な原因と対策を押さえよう

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

ウェブサイトを運用する際には、URLやページの入念な管理が大切です。ウェブサイト運用が長期に渡ると、ページをリニューアルすることもあるでしょう。このときに、古いURLへアクセスしたユーザーを新しいURLに転送させる仕組みがリダイレクトです。

ただしページに何らかの問題が発生した場合は、リダイレクトの警告が発動されます。ユーザーやSEOの評価を下げないためにも、リダイレクトの警告が発動する主な原因と対策について知っておきましょう。

リダイレクトについて 

リダイレクトとは、古いリンクにアクセスしたユーザーを新しいリンクに遷移する手法です。ウェブサイトを運営すると、リニューアルのタイミングなどでURLを差し替える機会があります。

差し替え差し替え後、古いURLは基本的に効果を失います。リンクが切れたページを開けば、すでに存在しないことを示す404エラーコードが表示されるのが一般的です。ユーザーがリンク切れのページに訪問し、エラーコードが表示された場合「サイトの運営を止めたのか」と勘違いするかもしれません。

それにより新しくリニューアルしたにもかかわらず、アクセス数が少なくなるリスクが高まります。

こうした勘違いによるアクセス数の減少を防ぐべく、新たなURLに案内する措置がリダイレクトです。

リダイレクトの設定方法の1つには、「.htaccess」の使用が挙げられます。テキストエディタで.htaccessファイルを作成し、特定のコードを入力する方法です。手順は少ないものの、設定を誤るとウェブサイト全体で不具合を起こす危険があります。

そのため初心者の場合は、WordPressのプラグイン「Redirection」を使った方法が推奨されています。プラグインをインストール後、画面の「ツール」→「Redirection」から作業を進めるだけです。セットアップが完了し、新旧のURLを入力するとリダイレクトを設定できます。

リダイレクト設定を行う必要がある理由とは

ウェブサイトを運営する際には、リダイレクトを設定しておいた方が賢明です。その理由は、単純にアクセス数を増やすためだけではありません。リダイレクト設定があるだけで、ウェブサイト全体の評価を高められるためです。

これからウェブサイトの運営をはじめる方は、リダイレクト設定の効果を具体的にイメージできないかもしれません。ここでは、リダイレクト設定を行う必要がある理由を詳しくまとめます。

SEO面での悪影響を回避できる

リダイレクトを設定した方がいい理由は、SEO面での悪影響を回避できるためです。Googleを中心とする検索エンジンは、独自のアルゴリズムによって検索順位を決めています。検索順位で上位を獲得するには、SEO施策を講じなければなりません。

このSEO施策の1つとして、リダイレクトが重視されています。リダイレクトの設定をしていなければ、検索エンジンが古いURLを後継のページと認識しないためです。

例えば、リニューアル前のウェブサイトがSEOで高く評価されていたとします。引き続き検索順位で上位を獲得するには、この古いURLの情報を新しいページに引き継がなければなりません。リダイレクト設定は、SEO面での引き継ぎも1つの役割となっています。
設定し忘れると、新しいページで改めてSEO施策を施す必要があります。時間と労力が余計にかかってしまい、ウェブサイト運用の効率も悪くなります。

ちなみに以前はスパム対策で、リダイレクトするとSEO関連の情報を失う仕組みが採用されていました。しかし2023年現在では検索エンジンが不正な操作を検知でき、リダイレクトの設定は検索順位に影響を与えなくなりました。それでもSEO面を重視するのであれば、リダイレクト設定はむしろ積極的に採用したい施策です。

ユーザーへのストレスを減らせる 

リダイレクト設定は、ユーザーへのストレスを減らす上でも取り入れた方が賢明です。気になるページをクリックしたところ、404エラー(ページが存在しない)が表示されたとします。ユーザーの立場からすれば、エラー表示が出ただけでもストレスを感じるでしょう。

仮にリダイレクトが設定されていない場合、ユーザーは自ら検索し直さないといけません。そのためユーザーに情報収集で時間と手間をかけさせてしまうことになります。ユーザーに心地良くウェブサイトを利用してもらうためにも、リダイレクトはしっかりと設定してください。

ウェブサイトの運用で特に重要なポイントは、ユーザビリティ(使いやすさ)への意識です。インターネットでは、数々の情報を収集できます。閲覧しているウェブサイトが使いづらく、ストレスを感じたら今後アクセスしてもらえなくなるリスクが高まるでしょう。見込み客が減り、ウェブマーケティング全体で悪影響が及びます。

特にブックマークをした人は、再度同じページに訪問する可能性も高まります。今まで参考にしていたページが急に表示されなくなったら、ユーザーも驚くはずです。表示されない原因を知らせる上でも、リダイレクトの設定を確実に行いましょう。ユーザーがいつ訪問しても対応できるように、対策は早めに講じてください。

リダイレクトの分類 

リダイレクトには大きく分けて「301リダイレクト」と「302リダイレクト」の2種類があります。それぞれ強みが異なるため、状況に応じて上手く使い分ける必要があります。

ここでは301リダイレクトおよび302リダイレクトの特徴と、設定するのに望ましいケースを解説します。検索順位にも影響が出るため、しっかりと内容を押さえてください。

【半永久的な転送】301リダイレクト

301リダイレクトは、別名で「半永久的な転送」と呼ばれています。主な特徴は、検索順位を含めたウェブサイトの情報を恒久的に移転することです。

基本的にはウェブサイトをリニューアルしたあと、古いURLを使わないときに設定されます。古いURLを使用し続けると、検索エンジンがクロールするケースもあります。存在しないページをクロールされたところで、SEOの効率が下がるだけです。ドメインを新しく作成し直す際には、301リダイレクトを優先的に使用してください。

他にも、正規のページをつくる場合に301リダイレクトが役立ちます。ページによっては、それぞれ異なるURLで表示されるケースがあります。代表的な例が、URLの「www.」の有無です。「www.」のあるサイトとないサイトでは、特に記載されている情報に違いはありません。しかしSEOでは別のサイトとして判断されてしまいます。

正規および非正規のページが併存すると、アクセス数や訪問者数はそれぞれでカウントされます。そのデータをSEOが認識するため、検索順位でも不利になりかねません。正規のページにデータを集めるには、恒久的に転送できる301リダイレクトの設定が求められます。

【一時的な転送】302リダイレクト 

302リダイレクトは「一時的な転送」とも呼びます。301リダイレクトとは異なり、古いURLの効果を持続させる点が特徴です。事情により、一時的に別のURLを用いたいときに使われます。

302リダイレクトが設定される代表的な例は、ページに不具合が発生しているときです。エラーが生じると、数日〜1カ月程度の修正期間が必要となるでしょう。修正している間は、ユーザーが訪問しても良いように別のページを設けなければなりません。そのページへ誘導すべく、臨時的に用いられます。

301リダイレクトとの大きな相違点は、インデックス(データベースの保存)される先です。301リダイレクトの場合は、転送先のURLが対象となります。一方で、302リダイレクトは元のURLがインデックスされます。ウェブサイトをリニューアルした際に、302リダイレクトを用いると新しいURLが表示されなくなるため注意しましょう。

他にも、302リダイレクトを放置するとインデックスされる先が転送先のURLに変わることもあります。この現象がいつ発生するかは、具体的な期間が定められているわけではありません。修正期間が長期に渡りそうな場合は、301リダイレクトを用いた方が賢明です。 

Googleによるリダイレクトの警告とは何か

リンクをクリックした際に「リダイレクトの警告」の画面が表示されるケースがあります。急にこの画面が現れると、本当にURLをクリックしても良いか迷う人もいるでしょう。

ウェブサイト運営の初心者でも分かるように、リダイレクトの警告の意味と対策する必要性を解説します。Googleが警告を出す意図を理解してください。

警告の意味・対策する必要性 

リダイレクトの警告は、ユーザーが不適切なURLに転送されないようにするGoogleの処置です。リンク先に何か危険が生じている場合に表示されます。 

このようにGoogleが警告する理由は、悪意のあるユーザーに対処するためです。リダイレクトは新しいURLへ自動的に転送する便利な仕組みであるため、多くの人に用いられます。一方で使い方次第では、ウイルスのあるページへの誘導も簡単に行えます。何も知らないユーザーがクリックすれば、詐欺や個人情報の漏洩に巻き込まれるかもしれません。 

リダイレクトによる被害を防ぐべく、Google側が警告を発します。とはいえリダイレクトの警告が表示されたURLが、必ずしも危険なわけではありません。ウイルスやマルウェアなどの脅威がなくとも、些細な原因で画面に現れる可能性があります。

リダイレクトの警告が出るのであれば、事前に対策を講じなければなりません。なぜなら、ユーザーからのアクセス数を減少させる恐れがあるからです。

インターネットに慣れている人は、自らの判断で警告を無視できるかもしれません。しかしネットの知識に疎ければ、警戒心を持つのが普通です。ユーザーの離脱を防ぐためにも、リダイレクトの警告が表示される原因に応じた対策が求められます。

リダイレクト警告の主な原因と対策 

リダイレクトの警告を対策するには、原因をしっかりと究明しなければなりません。各原因に応じて、採るべき対処法も異なります。

主にリダイレクトの警告が発動しやすいケースは大きく分けて4点です。それぞれの原因と対策法を念頭に置いた上で、ウェブサイトを運用することが求められます。誰もが該当する可能性があるため、紹介する内容をしっかりと押さえてください。

Cookieが原因の場合

リダイレクトの警告が出る原因として、Cookieが挙げられます。Cookieとは、ウェブサイトに訪れたユーザーの訪問履歴や利用環境のデータを保存するファイルのことです。ウェブサイトではなく、ブラウザ側で問題が発生したときに警告が発動されます。

自社のページを確認したとき、リダイレクトの警告が出たら以下の手順に沿って作業を進めてください。

Cookieを削除する際には、パソコンから手順に沿って作業を進める必要があります。Google Chromeを開き、右上のその他のアイコンにある「設定」をクリックします。すると設定画面が開くため、左側の欄から「プライバシーとセキュリティ」を選びましょう。
下の方へスクロールすれば「Cookieと他のサイトデータ」と書かれた項目が見つかります。その中から「すべてのサイトデータと権限を表示」をクリックしてください。画面が切り替わり、これまで閲覧したページのデータが表示されます。
右上の「データをすべて消去」からデータの一掃も可能です。全て消去したくない場合は、表示されているサイトの右側にあるゴミ箱のアイコンを個別にクリックします。特定のデータを消す際には、1つずつゴミ箱のアイコンを押した方が賢明です。
作業完了後、警告が出なかったらページに問題ないと判断できます。

SSL化していないURLが原因の場合 

リダイレクトの警告が表示されるのは、URLがSSL化していないことも考えられる要因の1つです。SSL化はデータを暗号化して送受信する仕組みを指します。クレジット番号やパスワードといった個人情報を盗取されないために使用される技術です。 

SSL化を設定していないリンクで警告が発動する理由は、セキュリティシステムが甘いと評価されるためです。ウェブサイトを運用する際には、URLが「http」ではなく「https」になっているかを確認する必要があります。設定が終わっていないのであれば、早めに作業するといいでしょう。

はじめに、ウェブサイトの運用に用いるサーバーが常時SSL化に対応しているかを確認します。基本的に有名なサーバーであれば、対応しているケースがほとんどです。特に問題がない場合は、CSR(証明書署名要求)を作成します。サーバーごとに作成方法が異なるため、各自で手順を確認してください。
CSRの作成後、SSLサーバー証明書の申請および取得の手続きに移ります。証明書の種類は「独自SSL」を選びます。取得できたら、各サーバーの手順に沿ってSSL証明書のインストールを行いましょう。リンクを置き換え、リダイレクトを設定し直したら作業完了です。

関連性のないページが原因の場合 

リダイレクトの警告は、元のURLと全く関連性のないページに転送する場合も表示されます。特に注意したいポイントは、社名の変更があったときです。社名が変わるタイミングで、ウェブサイトのドメイン名を変更する企業もあるでしょう。

ドメイン名を変えたら、元のURLとの関連性を高める必要があります。

関連性を高める際に意識したい点は、内容を元のURLに合わせることです。Googleは2つのページを比較できる機能が備わっています。新しいURLの内容を作成し直し、元のページと関連付ければリダイレクトの警告を解消しやすくなります。

同じ理由で、扱っている内容が異なるページに転送させるときも警告が発動するため注意してください。ウェブサイトを社内で作成する際に、全く別のテーマやカテゴリのコンテンツを制作するケースもあるはずです。この2つのページを内部リンクで設定すると、リダイレクトの警告を引き起こす可能性もあります。

GoogleがSEOの情報を引き継ぐにあたり、エラーと表示されるため改善した方がおすすめです。ドメイン名の変更と同様に内容を合わせるか、テーマの異なるコンテンツを内部リンクで繋げない方法を採りましょう。

短縮URLが原因の場合

リダイレクトの警告が出される原因として、短縮URLの使用も挙げられます。短縮URLは、本来の文字列を圧縮した状態のURLです。ブラウザやSNSで「https://bit.ly/〇〇〇」の文字列を見たことがある人もいるでしょう。

短縮URLはレイアウトが崩れず、画面の小さいスマホでも見やすいといったメリットがあります。

一方で、短縮URLのデメリットはGoogleから悪質なサイトと判断されるケースが多い点です。URLが省略されていると、画面には正規のリンクが表示されません。リダイレクト設定を行う際に、悪質なサイトへ誘導するのではとGoogleが警戒しやすくなります。この結果、ユーザー側に警告が発動されます。

Googleが短縮URLを警戒する理由は、SNSを使った悪質な行為が増えているためです。TwitterのDM(ダイレクトメッセージ)やFacebookのメッセンジャーで、短縮URLを送信するアカウントが一定数存在します。詐欺や情報漏洩に繋がりかねないため、Googleは積極的に警告を出しています。

リダイレクトの設定を行うときは、できる限り短縮URLを使わないようにしましょう。なるべく正規のURLでユーザーを案内した方が賢明です。

対策後も警告が解消されないときは 

リダイレクトの警告について、大きく分けて4種類の原因と対策を紹介しました。しかし各原因に合った対策を講じたにもかかわらず、警告が解消されないケースもあります。

このとき、注視しなければならないのがウェブサイト全体の状態です。特に理由なく警告が発動されるのであれば、Googleから信頼の置けないウェブサイトと評価されている可能性が考えられます。

制作しているコンテンツやページに掲載されている広告を見直しましょう。政治や世界情勢に関するデリケートな事象や中傷的な内容を扱うと、不適切なコンテンツとみなされる場合もあるため注意が必要です。

他にも、リダイレクトの警告の解消が正しく行われていないケースも挙げられます。対策を講じたときは、必ずツールを使って確認してください。ツールを利用するには、誰でも簡単に試せるGoogle Search Consoleがおすすめです。

無料でアカウントを開設したら、Google Search Consoleのホーム画面にアクセスします。画面の左側にある「ページ」と書かれた項目をクリックします。「ページがインデックスに登録されなかった理由」からリダイレクトできない要因の確認が可能です。Google Search Consoleも使いつつ、警告の解消に努めてください。 

まとめ 

この記事では、リダイレクトの警告について解説しました。リダイレクトはSEOやユーザビリティの観点から、ウェブサイトの運用に必要です。ただしページに問題がある場合は、Googleが転送時に警告を出します。

リダイレクトの警告が発動されるにはさまざまな理由があるため、その原因に合わせて対策を講じなければなりません。対策したあとも解消されないのであれば、ウェブサイト全体を見直す必要があります。Google Search Consoleも使いながら、リダイレクトが正常に機能しているかを確認しましょう。

 

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