あなたは仕事で「なぜなぜ分析」を活用していますか?
仕事などで起こったトラブルに対して「なぜ?なぜ?」を繰り返して確認することによって、トラブルの根本的な原因を明らかにするための考え方のことをなぜなぜ分析といいます。
ところがこのなぜなぜ分析は意味がない、という人もいます。
この記事では、なぜなぜ分析を上手に活用できていない方に向けて、やり方と実例を交えて解説していきたいと思います。
なぜなぜ分析とは?
なぜを繰り返して問題を解決に導くこのなぜなぜ分析は、トヨタが発案した考え方といわれています。
トラブルに対し5回「なぜ?」を繰り返して深掘りし、再発防止や今後の改善策を考える際に用いられます。
後にこれがフレームワーク化されてなぜなぜ分析と呼ばれるようになりました。
なぜなぜ分析は意味がない?
なぜなぜ分析は、トラブルに対して「何を改善したいか?」が明確になっていない場合には問題解決をすることができず「意味がない」という結果になってしまいます。
また、事実に対してのみ「なぜ?」と考える必要がありますが、多くの場合「誰がトラブルの原因なのか?」という犯人探しになってしまうケースがほとんどのため、なぜなぜ分析は意味がないといわれるようになってしまいました。
そのため「トラブルの事実」にのみ目を向けることができれば、なぜなぜ分析はとても役に立つ思考法ですので、ぜひこの記事を読んでチャレンジしてみてください。
なぜなぜ分析のやり方のポイント
それでは、なぜなぜ分析のやり方を3つのポイントで解説します。
ポイント1.事実として存在する課題は何か?
まずは分析をする課題を定義しましょう。
ポイントは、「具体的な定義」です。
課題が曖昧だったり、感覚的なものを定義したりしてしまうと原因解決には繋がりません。
例えば、「売上が悪かったのは天気が悪かったから」だと解決できない要因に視点が向けられてしまい、課題を深掘りすることができません。
「設定した目標売上〇〇円に対し、雨のため△△円しか売上がなかった」とすることで具体的な定義をすることができます。
誤ったなぜなぜ分析は「具体性が足りない」ことにつきます。
何をどのようにミスしたのか、目標よりどれくらい低かったのかなどの事実を数字によって認識し、その後原因を掘り下げるようにしましょう。
ポイント2.改善可能な原因は何か?
改善可能な原因を一つ一つ挙げていきます。
複数ある場合も全てピックアップしましょう。
原因をピックアップする時には、単に事実を並べただけになっていないか注意します。
この原因があったからこの事実が起こった、という関係性に注目し、論理的に考えていくことが重要です。
ポイント3.対策を考える
原因が分かったら、次は対策を考えます。対策を考え、実行することで同じ問題が起こらないか、再発防止になっているかを考え解決策を立てましょう。
解決策を考える際にその解決策は、人の感情や個人の感想になっていないか、組織としてのグループに使うことができるかを意識して考えましょう。
では、実際になぜ?を5回繰り返すなぜなぜ分析を実例でみてみましょう。
成功事例と失敗事例を同じ出来事を元に紹介します。
なぜなぜ分析の成功例
・機械が止まってしまった(なぜか?) ・ヒューズが切れてしまったから(なぜか?) ・機械に必要以上の負荷がかかったから(なぜか?) ・潤滑油が十分行き渡らなかったから(なぜか?) ・潤滑ポンプが故障していたから |
この分析で、ポンプの故障を修理すれば機械全体の故障も改善することができるようになります。
なぜなぜ分析の失敗例
・機械が止まってしまった(なぜか?) ・担当者が機械の動きをちゃんと見ていなかったから(なぜか?) ・担当者の注意不足(なぜか?) ・担当者が他のことに気を取られていたから(なぜか?) ・工場内で予期せぬ出来事が起こったから |
このように、人的ミスを原因と考えてしますと根本的な解決には至らないのがわかるかと思います。
なぜなぜ分析で注意すべき5つの点
・問題に具体性はあるか?
・個人的な感情で分析していないか?
・あいまいなまま、次のなぜに進んでいないか?
・状況が伝わる具体的な文章になっているか?
・結論に対する解決策は実行できる内容か?
特に意識すべき点は「事実をそのまま」と「感情論で議論しない」という点です。
ここを外してしまうとなぜなぜ分析がただの犯人探しにすり替わってしまうので注意が必要になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
なぜなぜ分析はトヨタの「カイゼン」の考え方から生まれた問題解決のためのフレームワークです。
再度以下の5つをチェックしてみましょう。
・問題に具体性はあるか? ・個人的な感情で分析していないか? ・あいまいなまま、次のなぜに進んでいないか? ・状況が伝わる具体的な文章になっているか? ・結論に対する解決策は実行できる内容か? |
以上の点をしっかり意識しながら、ビジネス課題の解決になぜなぜ分析を活用してみてください。