「特性要因図」を使って原因を特定!課題解決のための方法とコツをご紹介します

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

課題の原因を探る方法として「特性要因図」というものがあるのをご存知でしょうか。

もともとは製造業で使用されてきた特性要因図ですが、最近ではその汎用性の高さやシンプルさから、セールスやマーケティングなどにも広く活用されています。

課題の解決がうまく進まず、困っている方はぜひこのフレームワークを活用してみてください。

特性要因図を使えば、課題や不調因子に優先順位をつけ、改善に進むことができるようになります。

特性要因図とは?

特定要因図とは、現在起こっている課題に対して、原因を明確にするためのフレームワークです。

書き出すと魚の骨に似ていることから、フィッシュボーン図とも呼ばれています。

では具体的にどのようなものかを解説していきます。

特性要因図はどうやって作る?

特性要因図は大きく分けて以下の要素で作られています。

背骨:今起きている課題

大骨:すぐに思いつく原因

小骨:大骨を作っている原因

孫骨:小骨に潜んでいる小さな要素

また、特性には現在起きている不調などの課題のみならず目標やビジョンを置き換えることも可能です。

特性要因図の実際の作り方

特性要因図は、4つのステップで作成します。

ステップ① 背骨の抽出

まずは直面している不調や課題を右端(魚の尻尾の部分)に大きく書き出しましょう。

これが「特性」です。

特性に向かって背骨を引き、大骨・小骨を足していきます。

ステップ② すぐ思いつく要因を「大骨」として書き出す

不調や課題である特性の、直接的な要因をできるだけ多く書き出しましょう。

ブレインストーミング方式で、深く考えずに数多くの大骨をリストアップすることが重要です。

ステップ③ 大骨の課題を作り出す要素を「小骨」に書き出す

大骨が起こっている原因は何かを小骨として書き出していきます。

プラスしていくと全容が見えてきます。

ステップ④ 小骨の課題を生み出すミクロな要素を「孫骨」に書き出す

小骨の事象を更に要素分解することで、孫骨のミクロな事象にまで落とし込みます。

これで特性要因図は完成します。

意外とシンプルなのがお分かりいただけると思います。

特性要因図の4M

特性要因図で抽出する原因は基本4パターンで、4Mと呼ばれる要素です。

すべて M から始まる英単語で表現されます。

Man = 人 
Machine = 機械、設備(環境) 
Method = 手段 
Material = 材料(サービス)

もともとは製造業の品質管理や問題解決に用いられてきた手法でもあるため、機械や設備の入った4M となっています。

製造業以外で利用する場合は機械や材料をツールやテンプレートなど別のものに置き換えましょう。

特性要因図の使い方

特性要因図はまず、工数が少なく、かつ改善インパクトが大きいものから対策を立てるようにしましょう。

工数がかかる対策は全体を停滞させてしまうため、孫骨の中から優先順位をつけて改善を進めるのがスマートな方法です。

改善のインパクトより工数を優先するのがコツです。

実際の特性要因図の使用例

では、実際の事例でイメージしてみましょう。

販売不調という課題で特性要因図を作成してみます。

特性:売り上げが下がった

大骨:人・環境・売り方・商品をピックアップ

小骨

・人:人手不足・スキル不足など

・環境:研修プログラム・組織力・社内リソースの不足など

大骨の元凶となる小骨をリストアップしていきましょう。

それぞれに理由は1つではありません。

書き始めると意外とスペースが足りなかった…ということも少なくないため、大きめの紙を用意したり、後ほどご紹介するテンプレートを利用するのがおすすめです。

孫骨:小骨のそれぞれの理由を挙げる

小骨に対しての「なぜ」を繰り返し、粒度の高い要素を書き出していきましょう。

思いつく内容が記載できたら特性要因図は完成です。

最後に、改善のために手を付ける孫骨の優先順位を決めて、どのようにアクションしていくかをプランニングしてください。

注意点としては

・4Mにこだわらず、数は出せるだけ出す

・骨も孫以下のものもありうる

ということです。

フレームに乗っかって要因が出せなくなってしまっては本末転倒なので注意してください。

特性要因図の無料テンプレート3選

では、特性要因図の無料テンプレートが使用できるサイトを3点ご紹介します。

1.Excelフリーソフト館

Excelフリーソフト館は、特性要因図テンプレートを無料で入手でき、参考として、ご要望のように、自分なりの特性要因図を作り出します。

2.EdrawSoft

EdrawSoftは、QC手法で使用される特性要因図(フィッシュボーンチャート)のテンプレートを、事例を含めてエクセルやパワーポイントで無料ダウンロードできます。

EdrawMind: Mind map & Outline
EdrawMind: Mind map & Outline
開発元: Edraw Software Co., Ltd
無料
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3.Lucidchart

Lucidchartは、分析に役立つテンプレートを複数種類用意しているサイトです。

共有機能は有料になりますが、個人では無料でダウンロードできます。

まとめ

この記事では特性要因図の内容と作成・活用方法について解説しました。

特性要因図は、課題や目標を構成する要素をリストアップできるフレームワークで、シンプルに事象を整理することができるツールです。

無料テンプレートもご紹介したので、難しく考えずにまずはテンプレートを使ってご自身の課題に当てはめてみましょう。

特性要因図を活用して今起こっている調子の悪い施策をどんどん改善してみてください!

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