インサイドセールスとは?手法とプロセスを徹底解説!

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

インサイドセールスとは、通常のセールスとは異なり、非対面での営業手法のことをさしています。
マーケティングと営業のプロセスを一貫して行います。

この記事では、インサイドセールスの手法やプロセス、成功するためのポイントなどを詳しく解説しています。
また、インサイドセールスが向いている人材や効果的な利用方法についても触れています。

あなたもインサイドセールスの重要性を理解し、マーケティングと営業活動において活用することで、より効果的な成果を得ることができるようになるでしょう。

インサイドセールスとは

インサイドセールスとは、主にデジタルツールを使ってリモートでの販売活動を行う手法を指します。

メール、電話、ソーシャルメディア、ウェブ会議など、直接顧客との面会を必要としない通信手段を利用して、新規のリード獲得から既存顧客とのリレーションシップ維持までを担当します。

インサイドセールスは、従来のフィールドセールス(対面販売)とは異なる要素がいくつかあり、その一部は以下に詳述します。

フィールドセールスとの違いは?

インサイドセールスフィールドセールス
営業スタイルリモートでの販売活動顧客の元へ出向く
コスト低コスト(物理的な移動がないため)高コスト(交通費や出張費が発生する)
生産性高い生産性(時間や場所に縛られず、多くの見込み客にリーチ可能)低い生産性(一度に対応できる顧客数が限られる)
関係構築電話・メール・ビデオ会議などのツールを使用対面での直接コミュニケーションによる深い信頼関係
優位点多くの見込み客にリーチし、コストを抑えて生産性を高められる顧客との深い人間関係を築き、商品やサービスの価値を直接伝えられる

テレアポとの違いは?

インサイドセールステレアポ
主な目的顧客のニーズ把握から契約締結までの全てのプロセスアポイントメント取得(主に手段のため)
使用ツール電話・メール・SNS・ビデオ会議主に電話
コミュニケーションマルチチャネルによるコミュニケーション片方向のコミュニケーション(アポ取得に特化)
役割商品提案から契約締結まで幅広い主にアポイントメント取得に特化
顧客接触の頻度高頻度(継続的な関係構築)低頻度(アポイントが取れれば終了)

商材や顧客見込み度によってナーチャリングする必要がある

インサイドセールスにおいて、商材や顧客の見込み度によって、適切なナーチャリング(育成)を行うことが重要となります。

特に、高額なBtoB商材や、長いセールスサイクルを必要とする商材では、一度の接触ですぐに契約に結びつくことは稀であり、見込み客をリードとして育て上げるプロセスが求められます。

そのためには、見込み客の購入ステージや関心度を詳細に把握し、それに応じた情報提供やコミュニケーションを行い、見込み客との信頼関係を築き上げることが重要です。

顧客との長期的な関係構築を通じて、最終的には契約締結につなげるのがインサイドセールスの役割です。
インサイドセールスは、CRMやマーケティングオートメーションツールを活用することで、より効率的かつ効果的に行うことができます。

インサイドセールスには3つの手法がある

インサイドセールスには様々な手法が存在します。
ここでは、主に3つの手法を紹介します。

手法①:「インサイドセールス」「フィールドセールス」が別のステージ

この手法では、インサイドセールスとフィールドセールスが販売プロセスの異なるステージになります。

一般的に、初期のリード獲得や資格付け(リードの見込み度の評価)などはインサイドセールスが担当し、具体的な商談や契約締結はフィールドセールスが行うことが多いです。

この手法は、顧客接点の初期段階であるインサイドセールスと、対面での深いリレーションシップを築くフィールドセールスの強みをそれぞれ活かすことができます。

手法②:特定の顧客タイプにのみインサイドセールスする方法

これは、顧客の種類やニーズによって、インサイドセールスまたはフィールドセールスを適用する手法です。

例えば、一部の企業は、中小企業や新規顧客へのセールスにインサイドセールスを適用し、大口顧客や重要顧客に対してはフィールドセールスを採用しています。
各顧客の重要度や商談の複雑性に応じて、最も効果的なセールス手法を選択することが可能です。

手法③:インサイドセールスとフィールドセールスでチームを編成しセールスをおこなう手法

この手法では、インサイドセールスとフィールドセールスが一緒にチームを組み、共同でセールス活動を行います。

この方法は、両者のスキルと知識を最大限に活用し、お互いの弱点を補うことが可能です。

例えば、インサイドセールスはデータ分析やデジタルツールの活用に長けている一方、フィールドセールスは顧客との対面でのコミュニケーションに優れています。
それぞれの能力を組み合わせることで、より強力なセールスチームを構築することができます。

インサイドセールスのプロセス

インサイドセールスのプロセスは、通常、以下の3つの主要なステップに分けることができます。

手順①:顧客リストをもとにデータベースを作成

はじめに、見込み顧客のリストを作成します。
これは、既存の顧客データベース、購入したリスト、オンラインで集めたリード、参加した展示会やセミナーで得た情報など、様々な情報源から作成しましょう。

この段階での目的は、可能な見込み顧客を特定し、それぞれの情報(会社名、業界、役職、連絡先等)をデータベースに収集し、整理することです。

手順②:見込み顧客にコンタクトをとりヒアリング

次に、顧客リストをもとに見込み顧客にアウトリーチ(接触)をします。
通常、電話やメール、ソーシャルメディアなどを使って行われます。

見込み顧客にコンタクトをとり、その人々のビジネスのニーズや課題、潜在的な解決策についてヒアリングを行います。
ここで得られた情報は、見込み顧客の購入可能性や製品に対する関心度を評価するための重要な要素となります。

手順③:商談化させフィールドセールスにつなぐ

最後に、ヒアリングによって得られた情報をもとに、見込み顧客を具体的な商談ステージまで引き上げます。

商談は、製品デモの提供や詳細な製品情報の送付、個別の相談会の設定など、さまざまな手段を使って行われます。
商談が成立した段階で、これらのリードはフィールドセールスチームに引き渡され、具体的な契約締結に向けた詳細な交渉が行われます。

なぜインサイドセールスが注目されるのか

インサイドセールスは、近年、多くの企業で注目されています。
それは以下の理由によります。

理由①:人手不足を解消するため

インサイドセールスはリモートでの営業活動を可能にするため、人手不足を解消するという効果があります。

フィールドセールスは、一人一人のセールス担当者が一度に対応できる顧客数が限られています。
しかし、インサイドセールスは電話やメール、ウェブ会議などを活用するため、一人のセールス担当者が一度に多くの見込み客や顧客とコンタクトを取ることが可能です。

理由②:コミュニケーションツールが急速に拡大しているから

デジタル化の進展により、インターネットやスマートデバイスを利用したコミュニケーションツールが急速に普及しています。

これにより、インサイドセールスに必要なインフラが整備され、より効率的かつ効果的に営業活動を行うことが可能になりました。

例えば、CRMツールやマーケティングオートメーションツールを活用することで、一人のセールス担当者が大量のリードを管理し、適切なタイミングでコンタクトを取ることができます。

理由③:コロナウイルス感染拡大防止のため

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、リモートワークやオンラインミーティングが一般的になりました。

これにより、フィールドセールスのように直接顧客と会う必要がなく、かつ効果的な営業活動が行えるインサイドセールスが注目されています。

また、顧客もオンラインでの商談に対して理解を示すようになり、インサイドセールスが一般的な営業手法として認知されてきています。

インサイドセールスには2つの営業パターンがある

インサイドセールスには、大きく分けて2つの主要な営業パターンが存在します。
それぞれに特有な役割と戦略があり、企業や商品、市場の特性に応じて使い分けられます。

パターン①:PULL型:SDR・反響型営業

PULL型の営業パターンは、既に製品やサービスに対する関心を示した見込み顧客からの反響に応える形で進行します。

PULL型のリードは主にマーケティング活動を通じて獲得され、SDRはそれらに迅速に対応し、ニーズを確認して商談に進む資格があるか評価します。

すでに興味を持つ見込み客に対応するため、こちらから情報を引き出す形(引く=Pull)となることから、PULL型と呼ばれます。

パターン②:PUSH型:BDR・新規開拓型営業

一方、PUSH型の営業パターンは、新規の見込み顧客を積極的に開拓する方法です。

まだ製品やサービスに対する具体的な関心を示していない冷たいリードに対して、BDRは積極的にアウトリーチを行い、製品やサービスの価値を伝え、商談への関心を喚起します。

こちらから積極的に情報を押し出す形(押す=Push)となることから、PUSH型と呼ばれます。

インサイドセールスをするメリット

インサイドセールスは現代のビジネス環境において多くのメリットを提供します。
以下にその主要な利点を3つご紹介します。

メリット①:多くの見込み顧客にアプローチできる

インサイドセールスは、デジタル技術を活用して広範な顧客層にアクセスします。

電話、メール、ビデオ会議などのツールを使えば、物理的な場所にとらわれず、また一日の時間内に接触できる見込み顧客の数も大幅に増やすことができます。

これは、特に多数の見込み顧客が存在する市場や、地理的に広範に分散した見込み顧客に対応する際に有効です。

メリット②:少人数でも稼働できる

インサイドセールスは、リモートでの活動が主であるため、少人数でも高い生産性を発揮できます。

また、セールスプロセスの各段階を効率的に管理するツール(CRMなど)の活用により、リードの獲得からクロージングまでの一連の流れを一人または少人数のスタッフで処理することが可能です。

これにより、人件費を抑えつつ、大規模なセールス活動を実現できます。

メリット③:丁寧なヒアリングによって成約率が向上する

インサイドセールスでは、個々の見込み顧客と深く関わる時間が確保され、ビジネスニーズや課題を詳細に理解するための丁寧なヒアリングが可能です。

その結果、より適切なソリューションの提案や、購入決定を促す情報の提供が可能となり、結果的に成約率の向上につながります。

また、顧客のニーズに基づいたカスタマイズされたコミュニケーションを提供することで、長期的な顧客関係の構築にも寄与します。

インサイドセールスをするデメリット

インサイドセールスが多くのメリットをもたらす一方で、潜在的なデメリットも存在します。
以下に、それぞれのポイントについて解説します。

デメリット①:顧客によっては信用を失う恐れがある

インサイドセールスは主にデジタルコミュニケーションを活用するため、対面での営業と比べて顧客との関係構築が難しい場合があります。

特に高額な製品や複雑なソリューションを提供する場合、顧客が直接対話を求めることがあります。
また、インターネットや電話を通じたアプローチは、時にスパムと誤解されることもあります。
信頼性を確保するためには、適切な対話とフォローアップ、信頼関係の構築が必要となります。

デメリット②:システム構築と営業ノウハウが必要とされる

インサイドセールスを効果的に実施するためには、CRMなどのテクノロジーシステムを駆使し、大量のリードを管理し、適切なタイミングでアウトリーチする能力が求められます。

インサイドセールスの実施には、システムの導入と運用、リードを効率的に処理するための営業プロセスや戦略の構築が必要です。これらを身につけるには時間とリソースが必要となります。

デメリット③:利用するシステムに投資費用が必要になる

顧客管理システム(CRM)や自動化ツール、コミュニケーションツールなど、インサイドセールスを支えるためのシステムを導入・運用するためのコストが発生します。

これらのツールは非常に有効である一方で、設定や維持には費用がかかります。
また、ツールを最大限に活用するためには、スタッフのトレーニングやサポートも必要となるため、それらに関連するコストも考慮する必要があります。

インサイドセールスで成約率を向上させる4つのポイント

インサイドセールスを効果的に行うためには、戦略的なアプローチと一貫性が必要です。
以下に成約率を向上させるための4つのポイントを紹介します。

ポイント①:部署の内外で徹底的情報を共有する

情報の共有は、チーム全体で一貫性を保ち、効果的なセールス活動を維持するために必要です。
各インサイドセールスメンバーが持つ情報(見込み顧客のニーズ、反応、問題点等)を共有することで、全体としての戦略を最適化できます。

また、マーケティング部門や製品開発部門との情報共有も重要で、顧客のフィードバックをもとに製品改良やマーケティング戦略の見直しが可能となります。

ポイント②:定期的なフィードバックでKPI意識を高める

インサイドセールスメンバーのパフォーマンスを定期的に評価し、フィードバックを提供することで、目標達成意識を高めることができます。

セールスアクティビティのKPI(Key Performance Indicator)を明確にし、それぞれのメンバーが自身の成績と目標とを比較できるようにすることが重要です。

ポイント③:リードの供給を絶やさない

新しい見込み顧客(リード)の供給は、インサイドセールスの成果を維持、向上させる上で欠かせません。
リードを継続的に供給するためには、定期的に見込み顧客リストを更新し、様々なチャネルからのリード獲得を試みることが重要です。

ポイント④:MAツールを活用する

MA(Marketing Automation)ツールは、インサイドセールスの効率性と効果性を大幅に向上させることができます。
MAツールを活用することで、見込み顧客の行動を追跡し、パーソナライズされたメッセージを自動的に送信することが可能となります。

これにより、見込み顧客へのリーチが最適化され、成約率向上に寄与します。

インサイドセールスに向いている人材の特徴

インサイドセールスにおける成功は、その役割を果たす人々の特性とスキルに大いに依存します。
以下に、インサイドセールスに最適な人材が持つべき特性を3つ紹介します。

特徴①:高いヒアリング能力がある人

インサイドセールスには、見込み顧客のニーズや問題点を引き出すための高いヒアリング能力が求められます。

電話やオンラインの会議で、直接顧客と対話しなければならないため、明確な質問を設定し、顧客の反応を的確に理解するヒアリング能力が重要となります。

特徴②:コミュニケーション能力が優れている人

インサイドセールスの人材は、顧客と関係を築き、信頼性を高めるために優れたコミュニケーション能力が必要です。

多くの場合、電話やメールなどのリモートコミュニケーションを通じて関係を構築し、製品やサービスの価値を伝えなければならないため、明確で説得力のあるコミュニケーション能力が求められます。

特徴③:業務を正確に迅速に推敲している人

インサイドセールスは、高速で動く環境であり、複数のタスクを同時にこなす必要があります。
そのため、業務を正確に迅速に推進できる能力を持つ人が適任です。

CRMのデータ入力から電話やメールでのアウトリーチ、見込み客へのフォローアップまで、効率的かつ正確に作業を行う能力が必要です。また、時間管理能力も重要となります。

まとめ

この記事では、インサイドセールスの手法やプロセス、成功するためのポイントやインサイドセールスが向いている人材について解説しました。

インサイドセールスは、非対面での営業活動を通じて見込み顧客との関係構築や案件化を目指す効果的な手法です。
通信手段を活用することでコストや時間を削減し、営業活動の生産性を向上させることができます。

成功するためには、コミュニケーション能力や問題解決能力が求められます。インサイドセールス専門のポジションやチームを作り、継続的なトレーニングやスキルの向上を図ることが重要です。

インサイドセールスは、現代の営業活動において重要な役割を果たす手法であり、積極的に取り入れることで企業の成果向上につながるでしょう。

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