SNS広告にはInstagramやTwitterなど様々な種類がありますが、その中でもLINE広告は高い効果が期待できます。
しかし、どのようにしてLINE広告を出稿すれば良いのか、どの程度の広告費用がかかるのか、初心者にとっては疑問が残るかもしれません。
そこで今回は、LINE広告の種類や課金方式、目安となる広告費用、広告の出し方について分かりやすく解説します。
LINE広告に興味がある方や、SNS広告を出稿したことがない方でも、この記事を読めばLINE広告について理解することができるようになります。
LINE広告とは|日本最大級のユーザー数を誇るLINE上の広告
LINE広告とは、日本を始めとするアジア諸国で最大級のユーザー数を誇るコミュニケーションアプリ「LINE」上で展開される広告のことを指します。
LINEはユーザー数が多いのはもちろんですが、80%を超える高い利用率を誇るため、広告主にとって非常に魅力的な広告媒体となっています。
LINEは皆さんも利用しているチャットに加えて、決済サービス「LINE Pay」やニュース配信サービス「LINE NEWS」などの幅広いサービスを持つプラットフォームであり、それぞれのサービスにおいて広告が配信されます。これにより、広告主はLINEの多様なユーザー層に対して、より直接的で効果的なアプローチが可能になります。
LINE広告の費用|課金システム3種類を紹介
LINE広告の費用は、その目的や戦略に合わせて選択可能な3つの課金システムがあります。
課金方法がそれぞれ異なるため、どの課金システムを選ぶかによって広告運用の戦略が大きく変わります。
課金システム | 計算方式 | 特徴 | 費用の目安 |
クリック課金制 | 広告をクリックしたユーザーの数に応じて課金 | 特定のアクション(商品の購入、サービスの申し込みなど)をユーザーに求める広告に最適 | 24円から |
インプレッション課金制 | 広告が1000回表示されるごとに課金 | ブランド認知度の向上や広告のリーチ拡大を目指す場合に有効 | 200円から |
友だち追加課金制 | ユーザーが広告主の公式アカウントを「友だちに追加」するたびに課金 | LINE上での直接的なコミュニケーションを目指す企業に最適、長期的な関係構築やリピートアクションを求める場合に有効 | 50円から |
システム①:クリック課金制|クリックで費用が発生
メリット
- 実際にクリックしたユーザーに対してのみ課金されるため、効果的に広告費を制御することが可能です。
- ユーザーがクリックすることで具体的なアクション(サイトへの訪問、商品購入等)を起こす可能性があるため、ROI(費用対効果)が明確になります。
デメリット
- 高いクリック単価が設定されると、予算がすぐに使われてしまう可能性があります。
- 広告が表示されてクリックがされない場合、費用は発生しないものの、広告効果は期待できません。
タイミング・基準
- ユーザーに特定のアクション(商品の購入、ウェブサイトへの訪問、アプリのダウンロード等)を取らせたい時に選びます。
クリック課金性(CPC)はユーザーの具体的なアクションにリンクしているため、アクションがビジネスの成果に直結する場合にはCPCを採用すると良いでしょう。
システム②:インプレッション課金制|広告の表示数で費用が発生
メリット
- 広告の認知度を上げるためには表示回数が重要となり、露出を確実に増やすことができます。
- ブランドの認知度向上や新規の情報発信に効果的です。
デメリット
- 広告の表示回数が多くても、ユーザーが具体的なアクション(クリックや購入)を起こさない限り、直接的な成果は見込めません。
- 広告が表示されただけで課金されるため、広告費用が高くなる可能性があります。
タイミング・基準
- ブランドの認知度を上げたい、大量のユーザーに広告を見てもらいたいといった広告の目的がある場合に適しています。
申込よりも認知度を重視する場合にインプレッション課金(Cost Per Mille=CPM)を選びます。
システム③:友達追加課金制|LINEの友達が増えるたびに費用が発生
メリット
- 「友だちに追加」したユーザーとの長期的なコミュニケーションが可能となり、リピートアクションを促すことができます。
- 追加されたユーザーへの情報提供やプロモーションが容易にできます。
デメリット
- ユーザーが「友だちに追加」を行うだけで課金されるため、その後のユーザーの行動(情報の閲覧、商品購入など)が不確定です。
そのため、広告費の効果が定量的に把握しづらい場合があります。 - ユーザーが「友だち」を削除すれば、その後のコミュニケーションはできなくなります。
タイミングと基準
- ユーザーと直接的なコミュニケーションをとりたい、長期的な関係性を築くことを目指している場合に適しています。
特に、リピートアクション(繰り返しの購入やサービスの利用)を目指すビジネスモデルや、長期間にわたって情報提供を行いたい場合に有効です。
LINE広告の配信場所|最適な配信場所を選択しよう
LINE広告は、多様なサービスに表示することが可能です。
広告の目的やターゲットによって最適なサービスを選択することで、広告効果を最大化することができます。
以下に、広告が配信可能な11のサービスを紹介します。
①タイムライン
②LINEマンガ
③LINE NEWS
④Smart channel
⑤LINE BLOG
⑥LINEポイント
⑦:LINEショッピング
⑧:LINEチラシ
⑨:LINEクーポン
⑩:ウォレット
⑪:LINEネットワーク
それぞれについて詳しく解説していきます。
(出典:【広告】LINE広告 )
種類①:LINE VOOM|LINEのショート動画
(出典:【広告】LINE広告 )
LINE VOOMはLINEユーザーが日常の出来事を投稿したり、友人の投稿を見ることができる機能です。
ここではユーザーが自由にスクロールして閲覧するため、自然に広告が目に入る機会が増えます。
また、ユーザーの興味や行動に合わせて広告を表示するターゲティングも可能で、より関心の高いユーザーへ効率的にアプローチすることができます。
特にLINE VOOMはショート動画を用いた広告に適しています。動画を用いることで視覚的に訴求し、情報を効果的に伝えることが可能です。
また、ユーザーの投稿の一部として自然に溶け込むため、ユーザーの反感を招くことなく広告を伝えることができます。
種類②:LINEマンガ|人気のスマホ漫画アプリ
(出典:【広告】LINE広告 )
LINEマンガはLINEが提供する漫画配信サービスで、スマートフォンで手軽にマンガを読むことができます。
毎日大量のコンテンツが配信され、多くのユーザーが利用しています。そのため、広告は大量のユーザーに対して広く露出することが可能です。
LINEマンガでは、マンガを読み進めるたびに表示される広告や、アプリのホーム画面に表示される広告など、様々な形で広告を掲載することが可能です。
特にマンガを読むユーザーは読書に集中しているため、広告に対する記憶が強くなり、広告効果が高まると言われています。
種類③:LINE NEWS|手軽な情報収集の場
(出典:【広告】LINE広告 )
LINE NEWSは、ニュース記事を配信するLINEのサービスで、様々な情報源から集められた記事が網羅的に閲覧可能です。
ユーザーは気になるトピックを選択し、その分野に関連する記事をすばやく確認できます。そのため、LINE NEWSはユーザーの関心に直結した情報を提供する場として、広告の設置にも有効です。
広告主は特定のニュースカテゴリー内で広告を表示することが可能で、そのカテゴリーに興味を持つユーザーへ直接アプローチできます。
特定の興味を持つユーザーをターゲットにする広告戦略に適しています。
また、ユーザーがニュースをチェックする習慣があるため、定期的に広告を目にする機会が増えます。
種類④:Smart channel|目に留まりやすいトークリスト上部に表示される
Smart channelは、LINEのトークリスト上部に配置される広告スペースで、スワイプすることでさまざまな広告コンテンツを表示することができます。
他の友人やグループとのトークリストと一緒に表示されるため、ユーザーがLINEを開いた際に最初に目にする広告スペースとなります。
この広告の特性を活かすためには、一目で伝わる明確で鮮やかなビジュアルが効果的です。また、ユーザーが興味を持つと思われるトピックや情報を提供することで、ユーザーのスワイプを促し、広告へのエンゲージメントを高めることが可能です。
種類⑤:LINE BLOG|女性の割合が高い媒体
LINE BLOGは、ユーザーが個々のブログを開設し、記事を投稿することができるLINEのサービスです。
多くのユーザーが自身のライフスタイル、趣味、日々の出来事などを共有しており、その中にはファッション、美容、料理など、特に女性ユーザーから高い関心を持つトピックも含まれています。
このため、LINE BLOGは女性ユーザーをターゲットにした広告戦略に特に適しています。
(LINE BLOGは2023年6月29日をもちましてサービスを終了いたしました。)
種類⑥:LINEポイント|40〜50代向けの訴求にぴったり
(出典:【広告】LINE広告 )
LINEポイントは、LINEのさまざまなサービスを利用することで獲得できるポイントシステムです。
これらのポイントは、LINE内のサービスだけでなく、パートナー企業のサービスでの購入や、割引クーポンと交換することも可能です。
特に40〜50代の年齢層の高いユーザーは、経済的なメリットを重視する傾向があり、このようなポイントサービスに対する関心が高いと言われています。
広告主は、ポイントを獲得するためのタスクと連動した広告を設定することができます。
例えば、広告をクリックしたり、特定のページを訪問したりすることでポイントが獲得できるように設定することで、ユーザーの積極的な行動を促すことが可能です。
種類⑦:LINEショッピング|女性を中心に利用者増加中
(出典:【広告】LINE広告 )
LINEショッピングは、様々なオンラインストアの商品を一つのプラットフォームで見つけることができるサービスです。
ユーザーは気に入った商品を探し出し、そのまま購入することができます。
特に女性ユーザーの間で人気が高まっており、日々のお買い物やギフト選び、新商品の探索などに活用されています。
広告主は、商品ページ内に広告を掲載したり、特定の商品をプッシュすることでユーザーにアピールすることが可能です。
また、商品に関連する情報や特別なキャンペーンを提供することで、ユーザーの購買意欲を引き立てることができます。
種類⑧:LINEチラシ|購買意欲の高いユーザーが集まる
LINEチラシは、様々な店舗のチラシをデジタル化したものを一覧で見ることができるサービスです。
特売情報や新商品の情報、限定キャンペーンなどをリアルタイムで確認することができ、購買意欲の高いユーザーが集まる場となっています。
広告主は、特定の店舗や商品のプロモーションを行うことが可能で、ユーザーがすでに購買意欲を持っているため、広告への反応率が高いと言われています。
また、ユーザーが実際に店舗を訪れるきっかけとなるような情報を提供することで、オフラインでの購買につなげることも可能です。
種類⑨:LINEクーポン|年齢層の高い女性に訴求しやすい
(出典:【広告】LINE広告 )
LINEクーポンは、各種店舗やオンラインショップの割引クーポンを探し、取得することができるLINEのサービスです。
ユーザーは気に入ったクーポンを見つけ、そのまま店舗で使用したり、オンラインで利用することができます。特に年齢層の高い女性ユーザーの間で人気があり、割引や特典を求めてこのサービスを利用しています。
広告主は、特定のクーポンと連動した広告を設定することができます。
また、クーポンを利用することで得られるメリットを強調することで、ユーザーの興味を引きつけ、購買行動を促すことが可能です。
種類⑩:ウォレット|ユーザーが非常に多い
(出典:【広告】LINE広告 )
ウォレットは、LINEが提供する決済サービスで、ユーザーはLINE Payを通じて商品を購入したり、友達に送金したりすることが可能です。
また、ポイントの管理やクーポンの取得など、お金に関する様々なサービスを一括して管理することができます。
その手軽さと便利さから、幅広い年齢層のユーザーが利用しています。
広告主は、ウォレット内での広告を通じて大規模なユーザーベースにアクセスすることが可能です。
また、特定の商品やサービスに対する割引やキャッシュバックを提供することで、ユーザーの購買行動を刺激することができます。
種類⑪:LINEネットワーク|LINE以外のアプリに出稿可能
LINEネットワークは、LINEが運営する広告ネットワークで、LINEだけでなくその他のパートナーアプリにも広告を掲載することができます。
これにより、広告主はLINEユーザーだけでなく、他のアプリのユーザーにも広告を届けることが可能となります。
広告のリーチを大幅に拡大し、さまざまなユーザーグループに広告を表示することができます。
広告主は、広範なネットワークを通じて広告キャンペーンを展開し、特定のユーザーグループをターゲットにすることができます。
また、LINEネットワークを通じて広告を出稿することで、さまざまなユーザーとの繋がりで広告のパフォーマンスを最適化することが可能となります。
LINE広告の費用相場を簡単にご紹介
では、LINE広告の費用相場はどのくらいでしょうか?
LINE広告を最初に始める場合、クリック課金型の単価の相場は24円~200円程度、月額で30万円程度を用意すると良いでしょう。
LINE広告に最低出稿金額はなく、100円からでも配信することは可能です。
ただ、費用が低すぎると競合に勝てず、広告自体が表示されない可能性もあります。
LINE公式サイトには「月30万円での出稿を3カ月以上続けることで、配信効果が安定して得られるようになる」と記載されています。
LINE広告の出し方をわかりやすく解説
以下に、LINE広告を出すための基本的な手順を解説します。
手順①:まずはアカウントを作成しよう
(出典:【広告】LINE広告 )
- LINE Ads Platformの公式ウェブサイトにアクセスします。
- 「新規登録」ボタンをクリックし、必要な情報(企業名、連絡先、支払い情報など)を入力してアカウントを作成します。
- アカウント作成後、一定の審査があります。審査を通過すれば広告の出稿を開始できます。
手順②:広告効果を計測するための広告タグを設定する
- LINE Ads Platformで広告タグ(LINEタグ)を生成します。
- 生成した広告タグを自社のウェブサイトやアプリの適切な位置に設置します。
- LINEタグが正しく設置できたことを確認します。これにより、ユーザーの行動追跡や広告のパフォーマンス評価が可能となります。
手順③:ターゲティングのためにオーディエンスを作成する
- LINE Ads Platformのダッシュボードから「オーディエンス」タブを選択します。
- 「新規作成」ボタンをクリックし、オーディエンスの作成を開始します。
- ターゲットとしたいユーザーの属性(年齢、性別、興味・関心、地域など)を設定します。
- 設定した条件に基づきオーディエンスを作成します。これにより、広告が最も関連性が高いユーザーに表示されるようになります。
手順④:広告クリエイティブを作成する
- 「広告管理」タブを選択し、「新規作成」をクリックします。
- 広告形式(画像、動画、カルーセルなど)、タイトル、説明文、コールトゥアクション(CTA)を設定します。
- ビジュアルやコピーがターゲットとしたオーディエンスに適していることを確認します。
- 作成した広告クリエイティブのプレビューを確認し、問題がなければ広告を保存します。これにより、広告の作成が完了します。
手順⑤:広告を管理するキャンペーンを作成する
- LINE Ads Platformのダッシュボードから「キャンペーン」タブを選択します。
- 「新規作成」ボタンをクリックしてキャンペーン作成を開始します。
- キャンペーンの目標(ブランド認知度向上、ウェブサイト訪問、アプリダウンロードなど)を選択します。
- キャンペーンの予算、スケジュール、配信オプションを設定します。
- キャンペーンの設定が完了したら「保存」ボタンをクリックします。
手順⑥:ターゲットを意識して広告グループを作成する
- 作成したキャンペーンを選択し、「新規広告グループ作成」ボタンをクリックします。
- 広告グループのターゲティング(配信地域、性別、年齢、言語など)を設定します。
- 表示形式(バナー広告、動画広告など)、出稿時間、出稿曜日などの配信設定を行います。
- 予算と入札価格を設定します。
- 広告グループの設定が完了したら「保存」ボタンをクリックします。これにより、指定したターゲットに向けた広告配信が開始されます。
手順⑦:配信する広告を作成する
- 作成した広告グループを選択し、「新規広告作成」ボタンをクリックします。
- 作成したクリエイティブを選択し、広告タイトル、説明文、CTA(コールトゥアクション)などを入力します。
- 広告がターゲットとしたオーディエンスに適していることを再確認します。
- プレビューを行い、内容が適切であれば「保存」ボタンをクリックします。
手順⑧:審査を通過すれば配信が始まる
- 作成した広告は、LINE Ads Platformによる審査に送られます。
- 審査に通過すれば広告の配信が始まります。審査に通らなかった場合は、提供されたフィードバックを基に広告を修正して再申請します。
LINE広告で成果を出すためのポイントとは
LINE広告で効果的な成果を得るためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。以下にそのポイントをいくつかご紹介します。
ポイント①:目にとまるクリエイティブの制作
まず一つ目のポイントは、広告のクリエイティブです。
ユーザーの目にとまる魅力的なビジュアルや、直感的に理解できるシンプルなメッセージ、そしてユーザーに行動を促す明確なコールトゥアクション(CTA)が重要となります。
広告のターゲットとするユーザー層のニーズや関心を理解し、それに合わせたクリエイティブを制作することが求められます。
例えば、若者向けの商品を広告する場合、トレンドを取り入れたデザインや若者の間で流行のスラングを使用するなど、ターゲットに合わせたアプローチが効果的です。
ポイント②:分析と改善を繰り返す
二つ目のポイントは、広告の分析と改善のサイクルです。
広告の出稿は一度きりのものではありません。広告を出稿した後には、広告のパフォーマンスを定期的に分析し、常に改善を行うことが重要です。
例えば、CTR(クリック率)が低い場合は、広告のビジュアルやコピー、CTAの見直しをしましょう。
また、クリックは多いけれどもコンバージョン(目標とする行動)が少ない場合、ランディングページの改善が必要になります。
まとめ
この記事では、LINE広告について詳しく説明してきました。
LINE広告には様々な種類があり、ビジネスや商品に合わせて選ぶことができます。
また、LINE広告は、日本でもっとも利用されているコミュニケーションアプリであるLINEや関連ネットワークに広告を出せるため、大変多くのユーザーにリーチすることができます。
ビジネスを広げたい方や商品を売り込みたい方は、ぜひこの記事を参考にして効果的なLINE広告を展開してください。