良質なホワイトペーパーは見込み顧客からの信頼を獲得します。また、自らの課題を自覚していない見込み顧客に対しては課題を認識してもらうことで、問い合わせや商談等のプロセスに進める効果も期待できるでしょう。
本記事では、CVを獲得し続けるホワイトペーパーの作成および改善に使える4種のチェックリストを紹介します。また、ホワイトペーパーの種類といった前提知識についても確認していくため、これを機にホワイトペーパーによる理想の集客について改めて見直しましょう。
ホワイトペーパーの4つの種類
ホワイトペーパーは「自社の商品・サービスを紹介する」ために作られるのではなく、あくまで「見込み顧客の課題解決」のために作られます。つまり見込み顧客が抱える課題ごとに、ホワイトペーパーは違った形式が求められるのです。
したがってホワイトペーパーには次の4種類があります。
- レポート型
- ノウハウ・解説型
- 課題解決型
- 導入事例型
ホワイトペーパーによる集客戦略としては、どのような見込み顧客にも効果を発揮するように4種類を揃えておくところがスタート地点になります。以下では、4種類について特徴を解説します。
レポート型(独自調査・カオスマップ)
レポート型のホワイトペーパーは見込み顧客にとって敷居の低い資料となります。特に自社で行った調査の結果をまとめたホワイトペーパーは他社に真似できないものであり、ダウンロードされる頻度が高くなることも。
またカオスマップや用語解説のホワイトペーパーもレポート型に含まれます。いずれも
自らの課題を認識する前の見込み顧客が、情報収集の一環として利用するケースがほとんどです。そのため、最新情報をホワイトペーパーとして用意しておくと継続的なダウンロードが期待できます。
ノウハウ・解説型
ノウハウ・解説型のホワイトペーパーは「初心者必見!LPで集客を生む3つのポイント」のように、見込み顧客の漠然とした課題にフォーカスしてノウハウを提供する資料です。特にネット集客についてノウハウを紹介するような初心者向けの資料は、継続的にダウンロードされます。
また特定のジャンルに関するノウハウ・解説型ホワイトペーパーを多く用意することで、自社サービスの得意領域をブランディングすることもできるでしょう。。ダウンロードユーザー資料の内容から見込み顧客の課題も漠然と把握できるため、課題に訴求した提案の起点にもなります。
課題解決型
課題解決型はノウハウ・解説型をさらに進めたホワイトペーパーです。タイトルや内容で見込み顧客の課題を明示した上で、解決方法を記載します。対象となる見込み顧客の幅は狭まりますが、その分コンバージョンに近い位置で自社との接点を形成できるのです。
また課題解決のプロセスにおける自社サービスの特徴や強みを明示しやすい点も強力な武器となるでしょう。見込み顧客が呼応するストーリーを緻密に設計し、同業他社ではなく自社にしか解決できないと結論付ける内容を作成することが大切です。
導入事例型
導入事例型は、自社サービスを導入した企業の事例をまとめた内容です。見込み顧客が自社サービスを導入した際のイメージを形成するために使われます。
そのため導入した企業がどのような課題を抱えており、自社サービスがどのようにその問題を解決したのかを記載する必要があります。見込み顧客はサービス導入後の自らの姿をイメージできた状態になるため、商談からの契約が一気に近づきます。
ケーススタディで学ぶホワイトペーパーの構成
ホワイトペーパーの種類と特徴を理解したところで、続いては一般的な構成について解説します。その後に、ケーススタディを用いてホワイトペーパーがどのように使用されるか確認しましょう。自社であればどのようなホワイトペーパーを作成するかを念頭に置きながら読んでみてください。
ホワイトペーパーの構成
前提として、ホワイトペーパーは前述した4種類ですが、構成自体は種類により大きく変わりません。次の通り、4種類の内容を自社の紹介および自社サービスの紹介で挟む構成が一般的です。
- 表紙・タイトル
- 会社紹介・サービス紹介
- 内容(前述した4種類)
- 内容に関連する自社サービスの紹介
内容は変われども、自社およびサービスの紹介をしっかりと記載してこそホワイトペーパーは効果を発揮します。以下では、それぞれについて紹介を確認しましょう。
表紙・タイトル
ホワイトペーパーの表紙とタイトルは重要になります。なぜならば、見込み顧客は表紙とタイトルのみを見てホワイトペーパーをダウンロードするかどうかを決めるためです。
そのためどんなに内容が優れていても、表紙とタイトルで見込み顧客の関心を引けないホワイトペーパーは集客の役に立ちません。
表紙とタイトルはわかりやすさを重視します。タイトルについては、前述した4種類のどれに該当するホワイトペーパーなのかわかりやすく文字にすることを心がけてください。
また表紙に使う色は基調として2色、アクセントに1色が無難です。自社のブランドカラーがあれば、表紙の基調として使うのも効果的でしょう。
表紙およびタイトルを改善するポイントも後述のチェックリストで解説するため、見込み顧客の関心を視覚的に引くホワイトペーパー作成に役立ててください。
会社紹介・サービス紹介
表紙・タイトルに続いて、自社の会社紹介とサービス紹介を簡単に行うページを作成します。このページはホワイトペーパーを作成した企業について、見込み顧客に簡単に自己紹介をするイメージです。
ページは1ページにまとめてしまうのが効果的。自己紹介が長すぎると、見込み顧客の中で高まっていたホワイトペーパーに対する関心が薄れる恐れがあります。
内容(前述した4つの種類)
内容の部分では、前述した4種類の趣旨を損なわないようにロジカルな構成を心がけます。特に課題解決型の場合は、次の構成で作成するのが一般的です。
- 課題
- 結論
- 理由
- 具体例
- 結論
上記構成は見込み顧客を自社サービスに自然に誘導する効果も期待できるため、ホワイトペーパーの内容を作り込む際に参考にしてください。
内容に関連する自社サービスの紹介
ホワイトペーパーの最後は、内容で触れた自社サービスの詳細紹介に使います。ただしサービスの詳細を書き込みすぎて顧客の関心を薄めるのは逆効果です。「どんな課題を有する法人に使ってほしいサービスなのか」を明確に記載しましょう。
またCTAとなるお問い合わせ先のメールアドレス・電話番号・フォームも忘れずに設置します。ホワイトペーパーで有益な情報を得て高まった顧客の関心をそのままコンバージョンに繋げる形をイメージして、最適なデザインを作成してください。
WEB集客を初めて実施する企業がターゲットの場合
それではケーススタディを用いて、具体的な見込み顧客を想像しながら必要とされるホワイトペーパーの構成を考えてみましょう。
はじめに見込み顧客として次の課題を抱えた会社を想定します。
- 若者向けのサービスを新たにはじめたマッサージ店
- オーナー兼経営者は50代の男性
- 若者を集めるためにネット集客が必要と理解している
- ネット集客の手法が多すぎて、自社に最適なものを整理できていない
- 未だ顕在化していないものの、手法を整理した上で自社に合ったネット集客に着手したいとのニーズを有する
こうした会社に対しては「ノウハウ・解説型」の内容を用意した上で、ホワイトペーパーからセミナー・問い合わせに繋ぐ形が一つの選択肢となります。内容の部分では、ネット集客の手法一覧を示し、どのようなビジネスにどの手法が向くかを整理しておくのが理想的。
ホワイトペーパーを読んだ見込み顧客はネット集客の手法を整理し、その上で自らに合う手法を自ずとイメージできるためです。こうした整理の後に、特定のネット集客について詳しく解説するセミナーの導線があると見込み顧客の行動を後押しできるでしょう。
このように、ホワイトペーパーは見込み顧客の具体的な課題にフォーカスをして内容を作成する必要があります。課題に対して精緻な訴求ができているほど、見込み顧客の次の行動を誘導する効果が高まるでしょう。
ホワイトペーパーを作成・改善する4種のチェックリスト
ここからはホワイトペーパーを作成・改善する4種のチェックリストを紹介します。見込み顧客の行動を促すホワイトペーパーの運用を開始するために活用してください。
ホワイトペーパーを企画する際の5個のチェックリスト
はじめに、これからホワイトペーパーを企画する際は次の5点についてチェックをしてください。企画の段階では、見込み顧客の課題を正確にイメージする点と、ホワイトペーパーを絶えず作成する点に焦点を当てます。
- フォーカスする見込み顧客の課題を具体的にイメージできているか
- 企画や調査に自社独自の視点・アイデアが盛り込まれているか
- 週1回は企画会議を実施しているか
- ホワイトペーパーの制作チームは整っているか
- 4タイプについて偏りなくホワイトペーパーをリリースしているか
表紙・タイトルに関する4個のチェックリスト
ホワイトペーパーの企画が済んだ後は実際の作成に入ります。はじめに、見込み顧客の関心をひと目で引けるように表紙とタイトルについて次の4点をチェックしてください。
- 2秒で内容のわかるタイトルになっているか
- タイトルに「数字・ひらがな・カタカナ・漢字・英語」がなるべく入っているか
- ターゲットは明示されているか
- 目を引くカラーになっているか
内容がターゲットを惹きつけるかどうかの8個のチェックリスト
キャッチーでわかりやすい表紙・タイトルを作成した後は内容の作り込みに移ります。企画の段階で定めたターゲットの具体的な課題を解決できる内容をイメージしながら、次の8点をチェックしてください。
- 1スライド1メッセージの構成になっているか
- ユーザーの知りたい情報が前半にあるか
- 図・イラスト・表は適度に使われているか
- 文字ばかりのページがないか
- 誤字脱字はないか
- データの出典を明記しているか
- 自社の関連コンテンツにリンクを設置しているか
- すべてのスライドにサービスサイトへのリンクを設置しているか
サービス紹介からコンバージョンに関する10個のチェックリスト
内容を作り込んだ後は、最後のサービス紹介ページからコンバージョンへの導線について次の10点をチェックします。ホワイトペーパーもあくまで集客導線における一つのパーツであるため、最終的なコンバージョンを正確に意識しておきましょう。
- 会社紹介とサービス紹介を表紙の次に入れているか
- サービス紹介の詳細を最後のページに入れているか
- サービス紹介は、どんな人のどんな課題を解決するものかひと目でわかるか
- サービス紹介のページからサービスサイトへのリンクを設置しているか
- ユーザーの導線とCTAは最適な位置関係か
- SNSやメールマガジンでホワイトペーパーのリリースを案内したか
- WEBサイトからホワイトペーパーへの導線は最適か
- SNS広告を配信しているか
- ホワイトペーパーDL顧客への対応は明確に定められているか(誰が何をいつまでに)
- ホワイトペーパーDL顧客にサービス紹介やセミナー案内等の、次のステップに関する案内を送っているか
【現場でよくある事例!】ホワイトペーパーの間違った使い方
ここまでホワイトペーパーに関する作成と改善に関してご紹介してきましたが、作成のミーティングでよくある間違いについてご紹介したいと思います。
それは、ホワイトペーパーのそもそもの使い方が間違っている、ということ。
ホワイトペーパーを広告と勘違いし、ただ単に商品の宣伝ばかりしてしまうのです。
これでは商品カタログと何も変わりません。
現場でよくある誤った使い方として、以下のようなケースが挙げられます。
・技術解説よりも商品の宣伝色が強い
・有益な情報提供より、商談の導入に主眼が置かれている
・対象読者とその課題が明確に定められていない
・論理的構成よりも情緒的な訴求が目立っている
・商品カタログ的な内容に留まり、想定読者に新しい価値提供が乏しい
このように、単なる商材説明や営業の前振り的な使われ方をしているケースが少なくありません。
ホワイトペーパーは「価値」を提供することを忘れずに頭のどこかに置いておきましょう。
作成が進むほど宣伝要素が強くなってしまう…というケースも数多くありますので注意してください。
まとめ
ホワイトペーパーは自社の課題を未だ認識していない見込み顧客との接点を作る強力なツールです。内容が適切であれば、見込み顧客からあなたの会社に対する信頼を形成する効果も期待できます。
ホワイトペーパーには大別して4種類があるため、企画で定めたターゲットに合った内容を作り込んでいきましょう。本記事で紹介したチェックリストはホワイトペーパーを新しく作成する場合にも、既存のホワイトペーパーをブラッシュアップする場合にも使えます。
ホームページに載せておくだけで集客効果のあるホワイトペーパーを最大限に活用して、コンバージョンを効率的に獲得し続けましょう。