Facebook広告は高い精度のターゲティング機能を有し、使用できるクリエイティブも豊富です。今回の記事では、Facebook広告の強みとレバーを解説した後に、広告の設計から配信までのプロセスにおいて活用できるチェックリスト30選を紹介します。
あなたの商品・サービス情報を最適なユーザーに届けられるように、改めてFacebook広告の全体像を確認してみてください。
Facebook広告は幅広い業種で効果的
Facebook広告は幅広い業種に効果を発揮します。その理由は次の2つです。
- 広告を最適化するAIが優れている
- Facebookには個人の実生活に直接結びつくデータが蓄積している
第一に、Facebook広告はAIが優秀であるため、それぞれのユーザーに表示する広告が最適化されやすい特徴を有します。そのため高いコンバージョン率を期待できるのです。この点、広告運用を広告代理店に依頼すると、経験の浅い若手スタッフが担当者となって運用が疎かになる恐れがあります。
Facebook広告であれば全ての広告最適化を一律にAIが行うため、担当者により広告効果に差が出るような事態を回避できるのです。
第二に、Facebookは他のSNSと比較して個人のオフィシャルな情報が蓄積しやすい特徴を有します。そのため広告最適化に利用できるデータが豊富です。実生活に紐付いた豊富なデータを基に、ターゲットと似た属性のユーザーを見つける類似オーディエンス機能の精度も高くなります。
このようにFacebook広告は、優秀なAIと豊富なデータを特徴としており、幅広い業種で活用できるプロモーション手段です。
Facebook広告のレバーはターゲティングとクリエイティブ
Facebook広告の運用レバーは次の2つです。
- ターゲティングの設計
- クリエイティブの作成
上記2つをしっかりと実施すると、前述したAIによる広告の最適化が上手く働きます。以下では、それぞれについて詳細を確認しましょう。
Facebook広告でできるターゲティング
Facebook広告のオーディエンスには次の3種類があります。
種類 | 特徴 |
---|---|
コアオーディエンス | 性別、年齢、エリア、学歴、職歴、興味関心、アプリの使用状況等の情報から設定するオーディエンスで、選択肢が多い。 |
カスタムオーディエンス | 広告主の顧客情報データとFacebookのユーザー情報をマッチングさせて作るオーディエンス。メールアドレスや電話番号を介してマッチングできる。 |
類似オーディエンス | カスタムオーディエンスおよびFacebookページにいいね!をしたユーザーを基点にして、類似性の点から作成されるオーディエンス。類似率は1〜10%で設定。 |
運用としては、はじめから3種類のオーディエンスを作成していきましょう。特定のオーディエンスに対する広告の効果が薄い場合は、該当する広告セットを止めて対応します。
強力な類似オーディエンス機能を使用する前提で、オーディエンスについてはじめから詳細な設計をしておくのがFacebook広告で効果を出すポイントです。精緻な初期設計をした上で、以後はクリエイティブの作成と効果検証に時間を使っていきます。
Facebook広告の5種類のクリエイティブ
前述したオーディエンスの初期設計を細かく行うことで、各オーディエンスにとって最適なクリエイティブが見えてきます。Facebookで使える5種類のクリエイティブについて特徴を確認していきましょう。
画像
画像は、1:1のアスペクト比で作られた1枚画像を利用したクリエイティブフォーマットです。シンプルゆえに、画像・内容ともにわかりやすさが求められます。文章には率直なユーザーのベネフィットを記載しましょう。
動画
動画は、広告の種類によりますが1〜240秒のものを使用できます。Facebookは移動中の空き時間に閲覧されることも多いため、動画広告には音声と共にキャプションも入れておきましょう。
スライドショー
スライドショーは、1つの広告の中に3〜10枚の画像を入れて作成します。次に紹介するカルーセルと比較して、使用するのは画像のみのため読み込みスピードが早い点に特徴があります。
カルーセル
カルーセルは、1つの広告の中に複数の画像および動画を入れ込んだフォーマットです。また、各画像や各動画でそれぞれ異なるリンクやCTAを設定できます。そのため1つの広告内に複数の訴求ポイントを構築したり、スライドショーよりも深くストーリー性を持たせることができます。
コレクション
コレクションは、メインとなる画像・動画の下に横並びで小さな4つの画像を並べるフォーマットです。商品の複数の側面を一度に視認させられるため、ショッピング体験を充実させる効果を持ちます。
配信設計のポイントと10のチェックリスト
ここまでの内容でFacebook広告がターゲティングの高い性能を有し、クリエイティブフォーマットも多様だとイメージできたでしょうか?
ここからはFacebook広告をより効果的に運用するためのポイントとチェックリストを紹介します。はじめに、広告の配信設計について確認しましょう。
精度の高いターゲティングに合わせた広告を設計
前述の通りFacebook広告はターゲティングの精度が高いため、クリエイティブ→遷移先→コンバージョンを精緻に設計する必要があります。
例えば、成約見込みの高いリードについては、クリエイティブから資料請求やお問い合わせに導線をはり、一定の情報を入力させるところをコンバージョンに設定しましょう。
一方で成約見込みの低いリードについては、クリエイティブからホワイトペーパーのダウンロードやセミナーへの申込みに導線をはります。それにより見込み顧客に対する負担が小さい状態でコミュニケーションを図る効果が期待できます。
ターゲティングをFacebookに任せる選択肢
コンバージョンポイントを精緻に設定できた場合は、ターゲティングをFacebookのAIに任せる選択肢あります。コンバージョンポイントから逆算して、AIが最適なターゲティングを設定してくれるためです。この場合、コンバージョンがなければターゲティングもできない点に注意してください。
広告設計に関する10のチェックリスト
広告設計をする場合は以下をチェックリストとして活用し、Facebookのターゲティング精度を最大限に活かしてください。
- ターゲットセグメントの有するどんな課題を解決するのか
- 広告クリエイティブに何を用いるか
- 広告の遷移先はどこか(資料請求・お問い合わせ・WP・セミナーLP)
- コンバージョンの定義は何か
- コンバージョンまでに必要な資料の準備ができているか
- ターゲットセグメントごとのLTVを算出しているか
- 目標CPAを設定しているか
- 月間予算はいくらか
- Facebookピクセルを導入しているか
- 広告への投稿(ネガティブな投稿、ポジティブな投稿)への対応方法を定めているか
広告クリエイティブの作成ポイントと10のチェックリスト
記事内でも紹介した通り、広告クリエイティブの質の高さはコンバージョンに大きく影響します。
わかりやすさを第一にクリエイティブを作成
Facebookの広告クリエイティブはわかりやすさを第一に作成してください。なぜならば、Facebookは課題を解決するために使われるツールではなく、あくまで友人・知人とのコミュニケーションを目的として使われるためです。
友人・知人とのコミュニケーションを前提としているユーザーにとって、広告はノイズになりかねません。そのためメリット・ベネフィットへのわかりやすい訴求が重要です。
ABテストで最適なクリエイティブを探る
1つの商品・サービスを紹介するクリエイティブには無限のパターンがあります。ターゲットに最適なクリエイティブを作成するためには、素材・配色等を変えて複数パターンのクリエイティブを入稿し、ABテストを繰り返していきましょう。
広告クリエイティブの作成に関する10のチェックリスト
広告クリエイティブでユーザーの心を動かすために以下をチェックリストとして活用してください。
- Facebookページの紐付けは正しいか
- 複数パターンの広告を用意し、入稿しているか
- 画像を使う場合、イラスト・漫画・図説・写真から2つ以上のパターンを用意しているか
- 画像のアスペクト比は適切か(迷ったら1:1を)
- 画像のテキストは簡潔にメリット・ベネフィットを示しているか
- 動画にテロップを入れているか
- 動画は最初の3秒/メインテキストは最初の2行でメリット・ベネフィットが伝わるか
- CTAは適切か
- 見出し&説明の構成になっているか
- URLパラメーターを設定しているか
広告配信設定のポイントと10のチェックリスト
配信設計とクリエイティブ作成が済んだら、最後に広告の配信設定を行います。
ターゲットユーザーを具体的にイメージして配信設定
配信設定は、予め設定した月間予算やCPAに沿う必要があります。その上で具体的なターゲットユーザーに関する次のポイントをふまえて配信設定を行っていきましょう。
- ユーザーの抱える具体的な悩みと、解決した姿
- Facebookを閲覧する時間
- ユーザーが所属するエリア
設計・クリエイティブ作成ともにターゲットに沿うものを実施したので、最後の配信においてもターゲットを緻密に想定していきましょう。
広告配信設定の作成に関する10のチェックリスト
広告の配信設定においては、ターゲットを具体的にイメージしながら以下のチェックリストで内容を確認してください。
- 開始日と終了日を正しく設定しているか
- 配信帯をビジネスタイムにしているか(キャンペーン単位で時間帯設定が必要)
- 既存顧客やコンバージョンユーザーを除外しているか
- 配信エリアを対応可能エリアにしているか
- 年齢設定をしぼりすぎていないか
- オーディエンスが小さすぎると表示されていないか
- 1つの広告セットに異なる興味関心ユーザーが複数入り混ざっていないか
- 自動配信のチェック
- コンバージョンポイントは適切か
- 入札価格はコンバージョン最適化に資するものとなっているか
まとめ
ユーザーのオフィシャルな情報を武器としたFacebook広告の強みは、精度の高いターゲティングができることです。その精度を活かすためには、広告設計・クリエイティブ作成・配信設定について、具体的なターゲットをイメージして実施する必要があります。
記事で紹介したチェックリストは、Facebook広告の全体像を改善するために役立ちます。すでに運用している広告についても改めて確認し、あなたの商品・サービスを心から求めているユーザーにリーチできる広告運用を徹底しましょう。