ウェブサイトやオンラインショップでのアクション、例えば商品の購入や問い合わせフォームの送信後に表示されるページを「サンクスページ」と呼びます。
このページは、単に「ありがとうございます」というメッセージを伝えるだけでなく、ビジネスの成果を向上させる重要な役割を果たしています。では、サンクスページの真の意味とは何か、そしてその効果を最大限に引き出すためのアクセス解析のポイントはどのようなものがあるのでしょうか。
この記事では、これらの疑問に答えながら、サンクスページの重要性と最適化の方法を詳しく解説します。
サンクスページとは
サンクスページは、ウェブサイトのユーザーが特定のアクション(例:お問い合わせ、資料請求、商品の購入など)を完了した後に表示されるページを指します。
このページは「サンキューページ」とも呼ばれ、多くの場合「お問い合わせありがとうございます」といったメッセージが表示されることが一般的です。しかし、このページを単なるお礼のページとして終わらせるのは大変もったいないことです。
なぜなら、サンクスページを訪れるユーザーは、すでにあなたのサービスや商品に興味を持って行動を起こしたユーザーであり、適切な誘導を行うことでさらなるコンバージョンを促進することが可能だからです。
サンクスページは、新たな関係のスタート地点としての役割も果たしています。
サンクスページに訪れたユーザーへのアプローチ方法
サンクスページを訪れたユーザーは、すでにあなたのサービスや商品に興味を持って行動を起こしたユーザーです。そのため、このページを活用してさらなるアクションを促すことが重要です。
方法①:購入者への特別クーポンを提供する
購入を完了したユーザーに、次回の購入を促すための期間限定クーポンを提供することで、リピート購入を奨励します。
方法②:関連コンテンツやサービスへ誘導する
ユーザーが購入ページのみを閲覧している場合、関連するブログ記事や他のサービスへのリンクを提供することで、ユーザーの関心を広げ、長期的な関係を築く手助けをします。
方法③:動画コンテンツを活用する
動画は情報を視覚的に伝える強力なツールです。商品の使用方法やサービスの特徴を動画で紹介することで、ユーザーの理解を深め、購買意欲を高めることができます。
方法④:ソーシャルメディアの共有ボタンを設置する
シェアボタンを設置することで、ユーザーが自らの経験をソーシャルメディアで共有しやすくなります。特定のアクション(例:「いいね!」)を行うことで特典を受け取れるような仕組みを取り入れると、さらに効果的です。
方法⑤:関連するコンテンツへのリンクを掲載する
サンクスページには、ユーザーが興味を持ちそうな関連コンテンツや有益な資料へのリンクを掲載することで、ユーザーの滞在時間を延ばし、さらなる関心を引き出すことができます。
アクセス解析の4つの設定ポイント
サンクスページの効果を最大限に引き出すためには、アクセス解析の設定が欠かせません。
以下に、アクセス解析の設定に関するポイントを紹介します。
ポイント①:Google Analyticsの目標設定
サンクスページを作成した後、Google Analyticsで目標設定を行うことが推奨されます。これにより、サンクスページへのアクセス数やコンバージョン率を正確に把握することができます。
ポイント②:コンバージョン率の分析
Google AnalyticsにサンクスページのURLを設定することで、コンバージョン率の分析が可能となります。
例えば、お問い合わせページに多くのユーザーが訪れているのに、サンクスページに遷移するユーザーが少ない場合、お問い合わせページの内容やデザインの見直しが必要となるでしょう。
ポイント③:ユーザビリティの向上
例えば、名前の入力欄が姓と名で分かれている場合、ユーザーの利便性を考慮して一つの入力欄にまとめるなどの改善が考えられます。
アクセス解析の設定を適切に行うことで、サンクスページの効果を最大化し、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。
ポイント④:仮説の立案とテスト
アクセス解析のデータを基に、サンクスページの改善点を見つけ出し、仮説を立ててテストを行うことが重要です。例として、入力フォームのデザインや位置の変更、誘導文の追加などが考えられます。
売上向上に効果的なサンクスページ事例4つ
売上を向上させるための実績あるサンクスページの事例を4つ展開していきます。
・Amazon
・LESSAR(レッサー)
・Bell Cosme
・トピア
サンクスページの具体的なイメージがつかめない、またはどのようにして効果的なページを作ればいいのか不明な方は、これらの事例を参照してください。
事例1:Amazon
大手のECサイト、アマゾンのサンクスページには、様々な情報が充実しています。
Amazonは他のECサイトよりも、売上向上のための導線やデザインの工夫を徹底的に行っています。
関連商品の表示や、購入後のおすすめ表示など、参考になるポイントが豊富です。
Amazonのサンクスページを確認すると、以下のイメージ通り、通常の購入ページと変わらない構造を持っています。
Amazonはサンクスページで多くの商品を紹介し、追加注文を奨励する設計にしています。
具体的にAmazonのページで表示されるもの
・関連商品 ・ピックアップ商品 ・特にこれを見て! ・閲覧記録に基づいた商品推薦 ・再度の購入を促す商品 ・注文履歴に基づく商品提案 ・保存リストの関連商品 ・読んだ書籍のおすすめ ・人気アイテムと推奨商品 ・閲覧履歴 |
Amazonは先進のAIを活用し、顧客ごとに適切な商品を推薦しています。
この方式を採用することで、顧客が追加で購入を検討するきっかけを作ることができます。
小規模な事業者や個人でも、最新のAIを導入するのは難しいかもしれませんが、一定の方法は試せるはずです。
例えば、買った商品に関連するアイテムを提案するなど、クロスセルの戦略を考えることができます。
AIの導入なしでも、訪問の流れや追加購入のトレンドを分析することで、関連商品の提案の質を高めたり、サンクスページの効果を高めるための方法を模索することができます。
このようにサンクスページを効果的に利用することで、追加の購入を奨励し、売上をさらに伸ばすことができます。
事例2:LESSAR(レッサー)
LESSARは、ウェブAR・ブラウザARの制作が可能なサービスを提供しています。
ビジネス向けの利用も考慮されているサービスですが、注目すべきはフリープランの申込みをサンクスページで推奨している点です。
LESSARにはコストなしで利用できるフリープランと、ビジネスシーン向けの有料スタンダードプランが設定されています。
そこで問い合わせをしてくれたユーザーに対して、まずはフリープランを体験してもらうことで、サービスの特徴や利点を感じてもらおうとしています。
このアプローチで、問い合わせを受け取った後の変換率を向上させる狙いがあります。
無料のオファーがあれば、サンクスページでその魅力をアピールするのは賢い手段です。
事例3:Bell Cosme
Bell Cosmeはコスメの販売を手がけており、購入者には次回利用可能な5%割引クーポンを提供しています。
サンクスページでクーポンを提示することで、「このクーポンを手に入れたのだから利用しないともったいない」という感覚を持たせることができます。
このようなクーポンの発行は、サンクスページだけでなく、他のシーンでも利用される手法です。
典型的なのは、レストランや衣料品店でのショッピング後に手渡される割引券です。
もちろん、Amazonや楽天のような大手ECサイトでのポイント付与とも似た効果を持っています。
可能であれば、購入者に向けたクーポンやポイントを考慮し、サンクスページでその存在をアピールすることで、再購入を期待することができます。
事例4:トピア
山口県山口市の不動産事業を展開する株式会社トピアのサンクスページでは、Web問い合わせに応えて、直接の店舗訪問を促しています。
サンクスページで「気軽にお越しください」とのメッセージとともに、カフェのような雰囲気の写真を掲載しています。
これによって、リラックスして楽しめる空間が用意されていることをアピールし、訪問のハードルを下げる狙いがあります。
実際に店舗訪問をすることで、顔を合わせたうえでの商談や購入の動機を高めることが期待されます。
まとめ
サンクスページは、ユーザーのアクションを受け取ったことを確認するだけでなく、追加の情報提供や次のアクションへの誘導など、さまざまなマーケティングのチャンスを提供する場所です。
効果的なサンクスページを構築するためのアクセス解析のポイントとしては、ページの訪問時間、クリックされたリンクの追跡、再訪問の率などを詳しく調査することが挙げられます。
これらのデータをもとに、サンクスページの内容やデザインの最適化を行うことで、ユーザーエンゲージメントを高め、ビジネスの成果をさらに向上させることができます。
サンクスページは、ユーザーとの関係を深化させるための重要なツールであることを忘れずに、適切な分析と改善を続けることが求められます。