Googleの検索アルゴリズムとアップデート アップデートに左右されないためにやるべきことは?

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

この記事では、Googleの検索アルゴリズム、Webサイト評価基準、そして2021年6月までのGoogleのアップデート履歴について詳しく解説します。

SEOの初心者から自社メディアを運営するプロまで、必見の内容です。

品質の高いコンテンツを制作し、最新のアップデートに適応したい方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

Googleアルゴリズムとは?

まず、最新のGoogleアップデートに入る前に、基本的な要素である「検索アルゴリズム」について説明します。

「検索アルゴリズム」とは、Googleの検索ボックスにキーワードを入力して検索すると、表示されるウェブページの順位を決定するプログラムのことです。

Googleは各ウェブページの評価を元に順位を設定します。この評価には、おおよそ200以上の要素が関与しています。

Googleは、公平な評価を確保するために、特別なプログラムを使用しています。

Googleの主要なアルゴリズム

MFI(Mobile First Index)

2015年以前、オンライン情報を検索する主要な方法は、主にパソコンを使用した検索でした。

しかし、近年ではスマートフォンの普及に伴い、モバイル検索が急速に増加しています。

この変化に伴い、Googleはウェブサイトの評価基準をデスクトップからモバイルにシフトする重要性を認識し、それに対応するために「MFI(モバイルファーストインデックス)」を導入しました。

MFIの導入により、ウェブサイトの運営者はサイトをモバイルフレンドリーに最適化する必要性を迫られました。

QDF(Query Deserves Freshness)

「QDF(Query Deserves Freshness)」は、「検索結果は常に最新情報を求める」という考え方に基づいています。

このアルゴリズムは、常に新鮮な情報を重視し、時事に即した最新情報を提供するウェブサイトやトレンド系ブログなどに大きな影響を与えます。

QDD(Query Deserves Diversity)

「QDD(Query Deserves Diversity)」は、要するに「多様な検索結果を提供する」という考え方です。

具体的には、特定の検索クエリに対する検索結果において、Googleは同じテーマだけでなく、さまざまなテーマやジャンルのウェブサイトをユーザーに提供します。

Googleの検索順位を決定する主な要因

Googleの検索順位を決定する基準は、200以上の要因が存在すると言われています。中でも、Googleが特に影響を与えるとされる5つの要因について説明します。

1.検索意向の理解

引用:Web幹事

Googleでのランキングを向上させるためには、検索するキーワードに隠された意図を理解することが必要です。

この検索意図は大きく4つのカテゴリに分類され、それぞれ「Know(知りたい)」「Go(行きたい)」「Do(何かを行いたい)」「Buy(何かを購入したい)」といったユーザーの欲求を反映しています。

適切なキーワードのユーザーの要望を的確に把握し、それに適ったコンテンツを提供することが重要です。

2.キーワードとコンテンツの対応関係

ユーザーが検索したクエリと提供されるコンテンツが一致しているかどうかは、ユーザーの要求に応えるための鍵となりす。

具体的には、コンテンツ内に検索クエリと同様のキーワードが存在するかが重要です。

特に、タイトル、文章、画像などに関連するキーワードが含まれている場合、Googleはそのコンテンツがユーザーの要望に合致していると判断しやすくなります。

3.コンテンツのクオリティー

多くのユーザーがアクセスするクエリに対しては、関連情報が豊富に存在します。どのコンテンツがユーザーの要望を最も反映しているかを判断するため、Googleはコンテンツの品質を重要視して評価します。

キーワードの出現頻度やE-E-A-T(Experience(経験)、E-Expertise(専門知識)、A-Authoritativeness(権威)、T-Trust(信用) などを基に、コンテンツの品質を評価します。

また、多くの信頼性のあるサイトからのリンクがある場合、そのコンテンツは多数のユーザーから高い評価を受けていると見なされます。

4.サイトの使いやすさ

サイトの使いやすさ、つまりユーザビリティは、サイトのアクセス性を示す重要な要因です。

さまざまなデバイス、パソコン、スマートフォン、タブレットなどでの表示最適化や、ページの読み込み速度など、ユーザーが快適にサイトを利用できるかどうかが評価のポイントです。

5.ユーザーの背景情報

Googleは、ユーザーの居住地や過去の検索履歴などの背景情報を活用して、その瞬間に最も適した検索結果を提供します。

例えば、東京在住のユーザーが「レストラン」と検索すると、東京の飲食店が表示され、一方、大阪在住のユーザーが同じキーワードで検索すると大阪の飲食店が上位に表示される仕組みです。

大規模なアップデートの変遷

Googleの検索アルゴリズムは、その歴史の中で多くの変遷を経てきました。ここでは、主要なアップデートとその変遷について開始年順に見ていきます。

  1. ブランド(Brandy)アップデート
    • 開始年: 2004年
    • 主要な焦点: 検索クエリの意図を理解し、関連性を高める
    • 影響: 検索結果の精度向上。ブランド名の重要性が増し、関連性の高いコンテンツが優遇されました。
  2. パンダ(Panda)アップデート
    • 開始年: 2011年
    • 主要な焦点: 低品質なコンテンツへの対策
    • 影響: 重複コンテンツや品質の低いコンテンツを持つウェブサイトのランキングが低下し、高品質なコンテンツを重視するようになりました。
  3. ハミングバード(Hummingbird)アップデート
    • 開始年: 2013年
    • 主要な焦点: 長いクエリや会話型の検索に対応
    • 影響: 検索意図をより正確に理解し、より関連性の高いコンテンツを提供するようになりました。
  4. ペンギン(Penguin)アップデート
    • 開始年: 2012年
    • 主要な焦点: スパムリンクに対するペナルティ
    • 影響: 低品質なリンクを利用してランキングを上げていたウェブサイトに対する制裁を意味しました。
  5. ランドマーク(RankBrain)アップデート
    • 開始年: 2015年
    • 主要な焦点: AIを活用し、未知のクエリに対応
    • 影響: AIによる検索結果のカスタマイズ化。検索結果の予測性向上。
  6. 日本語検索アップデート
    • 開始年: 2017年2月3日
    • 主要な焦点: 日本語検索の精度向上
    • 影響: 日本語での検索結果の品質向上。

これらはGoogleのアルゴリズムの進化の一部ですが、実際にはこれ以外にも多くのアップデートが行われています。検索エンジンの進化に合わせて、SEOのプロフェッショナルは戦略を適応させる必要があります。SEOの世界は絶えず変化し続けており、最新情報に常にアクセスすることが成功の鍵です。

今後のSEOの注目点

引用:General Guidelines

今後のSEOで重要なのは、「独自で価値のあるコンテンツを提供すること」です。これは、読者が必要とする情報に応え、ユーザーの視点を考慮してコンテンツを制作することを指します。

ユーザーのニーズは多岐にわたり、具体的なコンテンツ例を挙げることは難しいかもしれませんが、Googleの「品質評価ガイドライン」を参考にすることをお勧めします。このガイドラインは最近、3月14日に更新され、Google内でも重要視され、コンテンツの品質評価や説明に活用されています。ガイドラインには「E-E-A-T」という要素が明示されています。

E-Experience(経験)、E-Expertise(専門知識)、A-Authoritativeness(権威)、T-Trust(信用)

「E-E-A-T」は、これらの要素を示す頭文字から成り立っています。高品質なコンテンツは、実用的で詳細でわかりやすく、事実に基づいていることが求められます。自分たちの専門知識を共有し、読者が抱える問題を理解し、それに合ったコンテンツを提供することが大切です。

将来、Googleはユーザーエクスペリエンスを重視する傾向が強まる可能性があります。直帰率、滞在時間、セッションごとの平均PV数など、ユーザーエクスペリエンスに関連する指標が評価に影響することが考えられます。したがって、私たちメディア運営者やWEBマーケターは、利用者中心のサイトを継続的に提供し続ける必要があります。

Googleのアルゴリズムに沿ったコンテンツ作成のポイント

1.引き込むタイトルの作成

タイトルと見出しは、コンテンツの最初の接触点であり、読者の関心を引く必要があります。

効果的なタイトルは、読者にコンテンツの内容や価値を伝え、クリックを誘発します。興味を引くためには、問いかけ、リスト、驚きの要素などを組み込んだタイトルが役立ちます。

見出しも同様に、簡潔でわかりやすく、読者がスキャンして理解できるように工夫しましょう。興味を引く見出しの設定

2.有益なコンテンツの提供

コンテンツは読者の問題やニーズに対応し、有益な情報を提供する必要があります。

具体的なガイダンス、解決策、ヒント、実用的なアドバイスを含めましょう。信頼性の高い情報源からの引用やデータを組み込むことで、読者に信頼感を与えることができます。

また、コンテンツは読者の関心を引き続けるために、定期的な更新と新鮮な情報の提供が必要です。

3.モバイル対応のサイトを構築する

モバイルフレンドリーなサイトは、スマートフォンやタブレットからのアクセスに適しています。

レスポンシブデザインを導入し、異なるデバイスや画面サイズに適応することで、モバイルユーザーに最適な体験を提供します。高速な読み込み速度やシンプルなナビゲーションも重要です。

また、検索エンジンはモバイルフレンドリーなサイトを評価し、ランキングに影響を与えます。

4.シンプルなURL名を設定する

シンプルで読みやすいURLは、ユーザーにとってわかりやすく、検索エンジンにも理解しやすいです。キーワードを含めた短いURLを使用し、冗長なパラメータや特殊文字を避けましょう。清潔で整然としたURLは、ユーザーが信頼しやすく、直接アクセスしやすいです。

たとえば、健康に関する記事の場合、以下のようなシンプルなURL名を設定できます。

  • 複雑なURL: https://example.com/article?id=123&category=health&title=how-to-maintain-healthy-lifestyle
  • シンプルなURL: https://example.com/health-tips

シンプルなURLは、キーワードを含み、コンテンツの内容を簡潔に示します。ユーザーがブラウジング中にこのURLを見たとき、内容を理解しやすく、信頼感を持ちやすくなります。

また、検索エンジンもシンプルなURLを好み、ランキングにプラスの影響を与えます。ブログ投稿や製品ページなど、各ページに適切なシンプルなURLを設定しましょう。

5.信頼できる情報提供を目指す

コンテンツの信頼性は不可欠です。専門家や業界の権威からの監修や引用を追加し、情報の正確性と信頼性を高めましょう。また、統計データ、調査結果、信頼性のある情報源からの引用を含めることで、読者に価値ある情報を提供できます。

信頼性の高い情報は、読者の信頼を築き、共感を生み出します。

【実践編】Googleのアップデートに怯えないために!SEO担当者がやっておくべき3つのこと

Googleのアルゴリズムのアップデートは、SEOに大きな影響を与えることがあります。
基本的なSEOは普段から行っていると思いますので、ここではアップデートに怯えずに対処するために、以下のポイントを解説します。

1.アップデート情報の確認

Googleの公式情報や信頼性のあるSEOニュースソースを定期的にチェックし、アップデートに関する情報を追跡しましょう。
Googleの公式ブログやTwitterアカウントが重要な情報源です。

2.コンテンツの品質管理

常に高品質なコンテンツを提供し、ユーザーエクスペリエンスを最適化しましょう。コンテンツはユーザーに価値を提供し、情報が正確で信頼性のあるものであるべきです。

3.ユーザー中心のアプローチ

ユーザーのニーズを理解し、ユーザーエクスペリエンスを向上させるためにコンテンツやサイト設計を最適化しましょう。ユーザーの満足度を高めることは、SEOにとって重要です。

特に、具体的なEEATの構成が重要になります。
EEATを向上させるために、以下に示す方法を実行するようにしてください。

1.Experience(経験

経験(Experience)とは、コンテンツ作成者が持つトピックの必要な実体験や人生経験の量のことです。
実務で経験する問題点やその解決方法などが示されていると、ユーザーにとっても価値ある有益な情報となり、それが結果的にGoogleの評価につながります。

2.Expertise(専門性)

コンテンツの著者について: コンテンツを書く著者がその分野のエキスパートであることが重要です。彼らの専門的な資格や経験を明示的に示すことが役立ちます。

信頼性のある情報源への参照やリンクを提供し、情報の信頼性を表記したり、タイトルや見出しにキーワードを適切に配置し、コンテンツの専門性を強調します。

3.Authoritativeness(権威性)

権威性は、そのコンテンツが優れた価値のあるコンテンツであると第三者が評価しているか、信頼できる情報源として認知されているかと言う点で評価されます。

具体的には、そのコンテンツが他のサイトやSNSで紹介されている(被リンク)や、そのサイトや運営者情報が他のサイトやSNSで言及されている(サイテーション)があるかという点です。

4.Trustworthiness(信頼性)

プライバシーポリシー: プライバシーに関する情報を提供し、ユーザーの個人情報の取り扱いに関する信頼性を示します。
ウェブサイトの運営者や著者の連絡先情報を提供し、問い合わせやフィードバックに対応する透明性を持たせましょう。

また、ウェブサイトのセキュリティを強化し、SSL証明書を使用するなどのセキュリティ対策を実施します。

信頼性の具体的な方法としては、コンテンツの著作権情報、ウェブサイトの事実確認プロセスを明記することで信頼性を保つことができます。

EEATを向上させるためには、以上の点を考慮し、信頼性と品質を高める取り組みを継続的に行う必要があります。
以上のような準備をあらかじめしておくことで、Googleのアップデートにも慌てずに対応することができるようになります。

まとめ

近年、Googleは記事の信頼性に特に注力しているようです。

今後も様々なアップデートが予想されますが、ユーザー中心の情報提供が鍵です。詳細かつ信頼性のあるコンテンツ制作がSEOの要件となります。

ただし、コンテンツだけでなく、UI・UXの向上も求められます。ユーザーがストレスなくサイトを利用できるデザインも大切です。

単なるコンテンツSEOやリンクSEOだけでなく、全体的なウェブサイト品質と使いやすさを向上させる視点でSEOを考えることが成功へのカギとなります。今後のSEO対策に役立てましょう。

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