この記事では、Looker Studioの特徴と利点、そして実際の操作手順について詳しく解説します。
GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールのデータを一括してレポートにまとめるなど、使い方の例を紹介しますので、このチャンスにぜひマスターしてください。
Looker Studioとは?
Looker Studioは、Googleが提供する無償のBIツールで、多様なデータをリアルタイムで反映したレポートを作成できます。
Googleのサービスや他のデータソースと簡単に連携し、さまざまな方法でデータを視覚化できます。
このクラウドベースのサービスは、特定のメンバーと簡単に共有し、共同で編集することができるURLを提供します。
Looker Studioを使って、データを最大限に活用しましょう。インタラクティブなダッシュボードとわかりやすいレポートを利用して、ビジネスの意思決定を効率的に行うことができます。このツールの使用方法はシンプルで、そしてもちろん無料です。
Looker Studioで可能な操作
1. データの視覚化
Looker Studioを使うと、多様なデータをグラフやチャートに変換し、データを視覚的に理解できます。
通常、WEBマーケティングでは大量のデータを取り扱いますが、これを把握するのは難しいことです。たとえば、Google アナリティクスにはレポート作成機能がありますが、Google広告のコストや指定キーワードなどを確認するためには、頻繁に画面を切り替える必要があります。
Looker Studioを活用することで、これらの面倒な作業を削減し、担当者は他の最適化作業に専念できるようになります。
Looker Studioでは、以下のデータの視覚化が可能です。
- 表
- スコアカード
- 期間グラフ
- 棒グラフ
- 円グラフ
- Google マップ
- マップチャート
- 折れ線グラフ
- 面グラフ
- 散布図
- ピボットテーブル
- プレット
- ツリーグラフ
さらに、期間を比較する機能があり、前月比や前年比などの期間ごとのデータを視覚化できます。
2. データのシームレスな連携
Looker Studioは、Googleが提供するサービスの一部で、GoogleアナリティクスやGoogle広告など、Googleのさまざまなサービスとスムーズにデータを連携できます。
一度データをLooker Studioに連携させれば、データの取得、更新、出力が自動化され、リアルタイムで更新されます。
現在、Looker Studioは以下の19のGoogleサービスと連携可能です:
- Googleアナリティクス
- Google広告
- Googleスプレッドシート
- BigQuery
- Cloud Spanner
- Cloud SQL for MySQL
- Google Cloud Storage
- Google アドマネージャー
- MySQL
- PostgreSQL(PostgreSQL 11は2023年11月9日にサポート終了となります。)
- Search Console
- Youtubeアナリティクス
- Tables by Area 120
- キャンペーンマネージャー360
- ディスプレイ&ビデオ360
- データの抽出
- 検索広告360
- ファイルのアップロード(CSVデータ)
さらに、他のサービスとも395個以上のデータ連携が可能です。以下に、一般的に利用されているツール8個を紹介します:
- Ahrefs
- Asana
- Criteo
- Google AdSense
- Google My Buisiness
- Hubspot
- Salesforce
- SEMrush
3. リアルタイムレポートの閲覧
Looker Studioはクラウドベースのサービスで、権限を設定すれば他のユーザーと簡単に共有できます。さらに、閲覧や編集の権限を個別にカスタマイズできます。
Looker Studioで生成されたレポートは自動的にGoogle Driveに保存されます。これにより、Google Driveを介してレポートを共有し、編集する際の協力も簡単に行えます。レポートの共有がストレスなく行えるのが特長です。
Looker Studio 4つのメリット
1.無料で利用できる
Looker Studioの最大のメリットは、完全に無料で利用できることです。
多くのBIツールは有料ですが、Looker StudioはGoogleアカウントがあれば費用なしで利用できます。
通常、有料BIツールには高度なデータマイニングやシミュレーション機能が含まれており、これが有料化の理由です。データマイニングは大量のデータから新たなパターンや関係性を発見する分析手法であり、シミュレーション機能は過去のデータを使用して将来の予測を行う能力を指します。
Looker Studioは、他の有料BIツールとは異なり、主にレポート作成に焦点を当てています。Googleのサービスを活用し、既存のデータを整理して効果的なレポートを作成することができます。このため、コストなしで使えるのが大きな魅力です。
2.データ連携のしやすさ
Looker Studioは、Googleの中心的なサービスを含む多くのシステムと容易に連携できるため、データの接続と管理がスムーズです。
Googleの19種類のサービスや他の395種類のサービスとデータを連携させることができ、幅広いデータ管理が効率的に行えます。
また、データの抽出時に重複や集計エラーが発生しても、Looker Studioを使用することでこれらの問題を解決できます。
3.レポート作成業務の効率化
Looker Studioはデータソースとリアルタイムに連携し、一度レポートを設計すれば以後の作業が最小限に抑えられ、時間を大幅に節約できます。
これにより、アナリティクスへのログインや手作業のレポート生成の手間がなくなり、担当者は分析に専念でき、その結果が即座に反映されます。
Looker Studioの管理画面は直感的で、データの設定やレポート作成の学習コストも低く抑えられます。
4.多彩なテンプレートの提供
Looker Studioには多くのテンプレートが用意されています。
これらのテンプレートから選ぶことで、レポート作成時のデザインに悩まずに済みます。
グラフ、表、配色、配置などを自分の好みに合わせてテンプレートから選んでデザインすることで、短時間で高品質なレポートを作成できます。
初心者やLooker Studioの経験が少ない人でも、テンプレートの活用により作業効率が大幅に向上します。
データが優れていても、レポート内のグラフが分かりにくければ、その価値は半減します。
しかし、データから何を読み取れるかが重要であり、デザインに過度な時間を費やすのではなく、洞察に満ちた高品質なレポートの作成に力を注ぎましょう。
Looker Studio 2つのデメリット
1.設定方法に癖がある
Looker Studioは、他のツールに比べ、設定がやや独特です。
Google アナリティクスの指標やディメンションをリストから選ぶ形なので、自分が求めるデータを表示させるためには、どの指標やディメンションを選ぶべきか理解が必要です。
しかしGoogle アナリティクスを日常的に利用していれば、指標やディメンションの選択はそれほど難しくないでしょう。
もし不明な点があっても、変更操作自体はシンプルなので、試行錯誤していけば理解が深まります。
2.デザインのカスタマイズの幅が狭い
Looker Studioには多様なテンプレートが用意されており、様々なグラフの選定も可能ですが、グラフ内の細部のデザインが調整できません。
そのため、独自性が求められるデザインのレポート作成には向かない場合もあります。
それでも、Looker Studioの主要な機能はデータの集約と可視化ですので、それを理解し適切に利用することが大切です。
Looker Studioの操作手順
ここでは、多くの方が使っているGoogle アナリティクスとLooker Studioの連携方法を紹介していきます。
STEP 1. Googleアカウントでのログインが前提
Looker Studioを利用するためにはGoogleアカウントが必要となります。
Googleアカウントにログインしている状態でLooker Studioにアクセスします。
STEP 2. 「作成」ボタンをクリック
Looker Studioにログインしたら、ホーム画面が表示されます。この画面はGmailなどでおなじみのデザインです。
左上にある「作成」ボタンをクリックします。すると、「レポート」「データソース」「エクスプローラー」という3つの選択肢が表示されます。
- 「レポート」:データをグラフやチャートで視覚化し、ダッシュボードとして使えます。
- 「データソース」:データ接続の条件やデータの定義を管理する場所で、データモデリングに役立ちます。
- 「エクスプローラー」:データの分析と加工に使われ、Excelのピボットテーブルのような操作が可能です。
今回の例では、Googleアナリティクスのデータをダッシュボードとして表示するため、「レポート」を選択します。
STEP 3. データ接続
「レポート」を選択すると、新しい画面が表示されます。
今回はGoogleアナリティクスのデータを使用するため、Googleアナリティクスをクリックします。
アイコンが整然と配置されているので、どのツールかは一目で分かります。
Googleアナリティクスを選ぶと、接続したいGoogleアナリティクスのデータを指定する画面が表示されます。
ここで「アカウント」「プロパティ」「ビュー」を選択し、右下の「追加」ボタンをクリックします。
STEP 4. データを可視化する
これで前段階の設定が完了しました。BIツールの真髄は、ここからのレポート作成です。
作成したレポート画面で、連携したデータ(今回はGoogleアナリティクス)を視覚的に整理できます。
グラフを追加します。
「グラフを追加」ツールバーを選択し、使いたいグラフの形式を選びます。
右側のデータ項目の操作を通じて、グラフに表示したいデータソースを選択できます。
スタイル設定では、グラフの色を簡単に変更でき、特定の部分を強調表示することもできます。
STEP 5. レポートを手軽に共有
Looker Studioの共有機能は簡単に使えるので、チーム内などで情報を共有するのが簡単です。
まず「共有」ボタンをクリックします。
すると、Google Driveの共有画面に似た画面が表示されます。
共有する相手の名前とメールアドレスを入力し、共有権限を設定します。その後、「送信」をクリックすれば、URLを通じて共有できます。
PDF形式での共有を希望する場合は、PDFダウンロードの手順もあります。
共有ボタンの隣にある下向き矢印をクリックし、「レポートをダウンロード」を選択します。
そして、以下のオプションが選べます。
- カスタムの背景色を無視する
- レポートに戻るリンクを追加する
- レポートをパスワードで保護する
これらの設定を済ませたら、「ダウンロード」をクリックして、PDFファイルを即座にダウンロードできます。
Looker Studioの効果的な活用法
Looker Studioの効果的な活用法を以下の通りです。
- データの視覚化: Looker Studioを使用してデータをグラフやチャートに変換し、ビジュアルに理解しやすくすることで、データから洞察を得るのが容易になります。
- リアルタイム分析: Looker Studioはデータをリアルタイムで更新するため、常に最新の情報を手に入れることができます。これにより、迅速な意思決定が可能になります。
- データの連携: Googleのさまざまなサービスとのデータ連携が可能なため、複数のデータソースを統合して総合的な分析ができます。
- カスタマイズ可能なレポート: テンプレートを使用して簡単にカスタマイズできるレポートを作成し、必要な情報を効果的に伝えましょう。
- データの共有: 完成したレポートは簡単に共有でき、共同作業や情報提供がスムーズに行えます。
- レポートの自動化: Looker Studioを使ってレポートの自動化を設定すれば、繰り返し行う作業を削減し、効率的な時間管理が可能です。
これらの方法を活用することで、Looker Studioはデータ分析とレポート作成のプロセスを効果的にサポートし、ビジネスの意思決定を強化します。
まとめ
Looker Studioの操作方法を理解していただけたでしょうか。
WEB技術の進化に伴い、多種多様なデータを容易に取得できる時代になり、それらのデータの整理や総合的な分析が欠かせなくなってきましたが、BIツールの導入でより深い分析が実現可能となります。
しかし目指す分析結果を明確に設定していないと、その結果を実際の改善に生かすことは困難です。
Looker Studioを導入し、手元にあるデータの整理から始めてみてはいかがでしょうか。