GA4対UA: 直帰率の重要な違いとその影響を完全解説

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

Krynica-Zdroj, Poland – July 11, 2017: Businessman using Google Analytics in the office on the touch screen of his tablet. Google Analytics is the most famous application for advanced web traffic analysis in the world

Googleアナリティクスは、ウェブサイトの分析において非常に有用なツールですが、特に重要なのが「直帰率」という指標です。この指標は、ウェブサイトのパフォーマンスを測定する上で大きな役割を果たします。Googleアナリティクスの新しいバージョンであるGA4では、以前のバージョンであるユニバーサルアナリティクス(UA)とは異なる直帰率の定義が採用されています。この違いを理解することは、ウェブサイトの効果的な運営には欠かせません

本記事では、Googleアナリティクスで確認できる直帰率の定義について、その違いや確認方法、さらには注意すべきポイントについて詳しく解説していきます。また、直帰率が高い場合の対処法についても紹介しますので、ウェブサイト運営者やマーケティング担当者の方はぜひこの機会に知識を深めてみてください。これらの情報は、ウェブサイトの成功に向けた重要な一歩となるはずです。

1.GA4における直帰率の新たな展開

Googleアナリティクスの最新バージョンであるGA4では、以前は存在しなかった「直帰率」という指標が2022年8月に再導入されました。この新たな直帰率は、旧バージョンのユニバーサルアナリティクス(UA)とは異なるアプローチを採用しています。この変化は、ウェブサイトの分析を行う上で注目すべき点ですので、しっかりと理解しましょう。

1−1.ユニバーサルアナリティクス(UA)での直帰率の意味

ユニバーサルアナリティクスでは、直帰率は「訪問者がウェブサイトに訪れて1ページのみを閲覧し、他のページに進まずに離脱したセッションの割合」と定義されています。この定義により、ウェブサイトに訪れた人々の行動を理解する上で重要な役割を果たしてきました。簡単に言えば、訪問者がサイト内で複数のページを閲覧しない割合を示すものです

1−2.GA4における直帰率の新定義

GA4における直帰率は、「エンゲージメントのなかったセッションの割合」として定義されています。ここでの重要な点は、GA4が直帰率をセッションではなく、エンゲージメントの観点から捉えていることです。この違いがウェブサイトの分析や改善戦略にどのような影響を与えるのか、深く理解することが求められます

1−3.GA4のエンゲージメント率とその意味

GA4では、エンゲージメント率という指標も重要です。これは、ウェブサイトを訪れたユーザーがどの程度積極的にサイトと交流(エンゲージメント)しているかを示す指標です。具体的には、10秒以上のセッション継続、コンバージョンイベントの発生、複数のページ閲覧や視聴などがエンゲージメントとしてカウントされます。ウェブサイトのパフォーマンスを測る際に、このエンゲージメント率の理解と計測が不可欠です。GA4では、これらの要素を把握し、適切にコンバージョンを計測することが重要とされています

1−4.UAとGA4における直帰率の計算方法の違い

UAとGA4では、直帰率を定義する方法が異なるため、計算方法にも大きな違いがあります。UAでは直帰率は単一ページセッションの割合として計算されるのに対し、GA4ではエンゲージメントの有無を基に計算されます。この違いは、それぞれのツールで得られるデータの解釈に大きく影響し、ウェブサイトのパフォーマンス分析や改善策の策定において、異なるアプローチを要求します。そのため、どちらのツールを使用しても、それぞれの直帰率の計算方法と意味を正しく理解し、適切に分析することが重要です

このように、UAとGA4では直帰率に関するアプローチが異なります。これらの違いを把握し、自サイトの分析や改善に役立てることが、効果的なウェブサイト運営には不可欠です。特にGA4の導入が進む中で、最新の知識を持つことは、ウェブマスターやマーケティング担当者にとってますます重要になっています。

2.GA4での直帰率の確認方法

Googleアナリティクス4(GA4)を利用して、ウェブサイトの直帰率を確認する方法には主に2つのアプローチがあります。それぞれの方法は特定のニーズに応じて使い分けることができ、データ分析の効率を高めるのに役立ちます。ここでは、それぞれの方法を詳しく解説していきます。

2−1.GA4探索レポートを使用した直帰率の確認

GA4の探索レポートを使用してページ別の直帰率を確認する際には、以下の手順に従います。この方法は特に、個々のページのパフォーマンスを深く掘り下げたいときに適しています

  • GA4のダッシュボードで「探索」セクションに移動し、「空白」を選択します。

  • 「変数」のセクションからディメンションの「+」をクリックします。

  • 「ページ/スクリーン」のオプションの中から「ページタイトル」を選択し、「インポート」をクリックします。

  • 指標のリストから「セッション」を開き、「直帰率」を選択して再度「インポート」をクリックします。

「ページタイトル」を行に、そして「直帰率」を値にドラッグ&ドロップします。

  • このプロセスにより、ページごとに直帰率を詳細に把握することが可能になります。これは、ウェブサイトの問題点を特定したり、成功している要素を分析する際に非常に役立ちます。さらに、必要に応じて他の指標を追加して、より包括的な分析を行うこともできます

2−2.GA4標準レポートを利用した直帰率の確認

GA4の標準レポートを使用して直帰率を確認する方法は、以下の手順で行います。このアプローチは、迅速に全体的なトレンドを把握するのに適しています

  • GA4のメインメニューから「レポート」を選択し、「エンゲージメント」セクションの「ページスクリーン」を開きます。

  • レポートの上部にある「レポートをカスタマイズ」をクリックします。

  • 右側の「レポートをカスタマイズ」メニューで「指標」を選択し、「指標を追加」をクリックします。

  • 利用可能な指標リストから「直帰率」を選択し、レポートに追加します。

この方法により、ユーザーは全体的なウェブサイトのパフォーマンスを簡単に確認できます。特に、サイト全体の傾向や変化を追跡する際に便利です

以上のように、GA4では直帰率を確認するための複数の方法が提供されています。これらの方法を理解し、適切に活用することで、ウェブサイトの分析と改善に大きく貢献できます。直帰率はウェブサイトのユーザーエンゲージメントを理解する上で非常に重要な指標であるため、これらの手法をマスターすることは、ウェブマスターやマーケティング担当者にとって非常に価値のあるスキルとなるでしょう

3.GA4における直帰率の確認時の重要なポイント

GA4でウェブサイトの直帰率を分析する際、いくつかの重要なポイントを心に留めておくことが重要です。これは、データ解釈の正確性を確保し、より有益な洞察を得るために不可欠です。特に、GA4がエンゲージメントをどのように計測しているかを理解することは、直帰率の分析において極めて重要です

  • 10秒以上継続するセッション
  • 少なくとも1件のコンバージョンイベントが発生するセッション
  • 2件以上のページや画面の閲覧、または視聴があるセッション

これらは、GA4でエンゲージメントとして認識される条件です。例えば、ユーザーが10秒以上サイトに留まると、そのセッションは直帰とは見なされず、直帰率の計算には含まれません。従来のUAとGA4の直帰率の違いを理解し、それぞれのツールでのデータの解釈に混乱を招かないようにしましょう

https://lifrell.co.jp/documents/cvr%e6%94%b9%e5%96%84-cro%e3%82%b3%e3%83%b3%e3%82%b5%e3%83%ab%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%b3%e3%82%b0

4.直帰率が高い場合の改善策

ウェブサイトの直帰率が高いことに気づいた場合、さまざまな改善策を検討することが推奨されます。高い直帰率は、サイトがユーザーの期待やニーズを満たしていない可能性を示唆しています。以下の改善方法を試すことで、ウェブサイトのユーザーエクスペリエンスを向上させ、結果的に直帰率を低下させることができます

  • サイト内の適切な箇所に内部リンクを設置
  • コンテンツとキーワード戦略の再検討
  • コール・トゥ・アクション(CTA)の最適化
  • ページの読み込み時間の改善

それぞれ解説していきます。

4−1.サイト内に内部リンクを適切に設置する

内部リンクは、ウェブサイト内のページ間のナビゲーションを容易にし、ユーザーが関連情報に簡単にアクセスできるようにするためのリンクです。これらのリンクを戦略的に配置することで、ユーザーの関心を引き続き引き付け、サイト内でのさらなる探索を促すことが可能です。リンクは単にページの最初や最後に配置するのではなく、コンテンツの流れの中で「さらに詳しい情報が欲しい」と感じさせる箇所に配置することが効果的です。この戦略的な配置は、ユーザーが必要とする情報を素早く見つける手助けとなり、結果的にサイトの離脱率を低減させます。

4−2.コンテンツとキーワード戦略の見直し

ウェブサイトの直帰率が高い一因として、コンテンツがユーザーの期待やニーズに応えていない可能性があります。コンテンツとキーワードの戦略を再検討し、ターゲットとなるユーザーが何を求めているかを理解することが重要です。Google Search Consoleなどのツールを利用して、どのキーワードでユーザーがサイトに訪れているかを分析し、そのニーズに合わせてコンテンツを最適化することが有効です。また、検索結果に表示される関連キーワードやサジェストされるキーワードを分析することで、よりユーザーの検索意図を理解し、コンテンツを改善するヒントが得られます

4−3.CTAの最適化

CTA(コール・トゥ・アクション)は、ユーザーに特定の行動を促すために重要な役割を果たします。直帰率が高い場合、CTAの表現を変更することでユーザーの反応が改善されることがあります。例えば、より魅力的で明確なメッセージに変更したり、ボタンのデザインを目立たせることでクリック率を高めることができます。小さな変更でもユーザーの行動に大きな影響を与えるため、ABテストなどを通じて最適なCTAの形式を見つけることが推奨されます

4−4.ページの読み込み速度の改善

ウェブサイトのページ読み込み速度は、直帰率に直接的な影響を与える要素です。Googleのデータによると、読み込み速度が遅いページはユーザーの離脱率を著しく高めます。ページの読み込み速度を改善するためには、画像の圧縮、サーバーのパフォーマンス向上、不要なスクリプトの削減などの対策が効果的です。速度改善の取り組みは、ユーザー体験の向上に直結し、結果としてサイトの直帰率を低下させることが期待できます。

これらの改善方法は、ウェブサイトの直帰率を下げるための有効な手段です。サイトのパフォーマンスを最適化し、ユーザーにとって魅力的で価値のある体験を提供することで、より多くの訪問者を引き付け、彼らをサイト内に留めることが可能になります。常にユーザーの視点に立ち、彼らのニーズに応えることが、成功したウェブサイト運営の鍵となります。サイト訪問者の行動を細かく分析し、彼らが何を求めているかを理解する努力を怠らないことが大切です。また、改善策の効果を定期的に検証し、必要に応じて戦略を微調整する柔軟性も重要です。最終的には、これらの努力がウェブサイトのパフォーマンス向上に繋がり、直帰率の低下という形で顕著な成果をもたらすはずです

参考:Find Out How You Stack Up to New Industry Benchmarks for Mobile Page Speed|Think With Google

https://lifrell.co.jp/documents/cvr%e6%94%b9%e5%96%84-cro%e3%82%b3%e3%83%b3%e3%82%b5%e3%83%ab%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%b3%e3%82%b0

5.総括:GA4における直帰率の理解と対策

この記事を通して、GA4の直帰率についての理解を深めていただけたことと思います。GA4では、エンゲージメントを行なっていないユーザーを基に直帰率が計測されるという点が、以前のユニバーサルアナリティクス(UA)とは大きく異なります。この新しい定義を正確に理解し、混同を避けることが、データ分析の正確性を高めるためには非常に重要です。

また、GA4では、探索レポートや標準レポートを通じて直帰率のデータを得ることが可能です。これらのレポートを活用することで、ウェブサイトのパフォーマンスをより詳細に分析し、必要な改善策を講じることができます

特に、直帰率が高いと判断される場合、いくつかの具体的な改善方法を試みることが推奨されます。これには、ウェブサイト内での内部リンクの最適化やCTA(コール・トゥ・アクション)の見直しが含まれます。また、コンテンツの内容や使用されているキーワードの再評価を行い、訪問者のニーズに合致するよう調整することも重要です。これらのステップを踏むことで、ユーザーエクスペリエンスの向上を図り、結果的に直帰率を低下させることが可能になります

ウェブサイトの効果的な運営には、常に最新のツールとデータを理解し、それらを適切に活用することが求められます。GA4の直帰率を含め、データ分析に関する正しい知識と理解は、サイトの成功に向けた大切な一歩となるでしょう。ユーザーの行動を正確に捉え、彼らが求める価値を提供することで、ウェブサイトはさらに成長していくことが期待されます