広告営業とは「広告を出す企業」と「広告掲載メディア」の橋渡しをする職種です。
アカウントプランナーと呼ばれることもあります。
広告の企画・提案から始まり、調整やプロジェクト管理行い、広告が配信されるまでを全面的にサポートする重要な役割を果たします。
本記事では、広告営業を成功させるためのポイントと、広告営業はどんなタイプの人が向いているかを紹介します。
また、広告営業を行う際に必要な知識、コツなども紹介します。
広告営業に携わっている方はぜひご一読ください。
広告営業の仕事内容について
まず、広告営業は大きく2つに分けて「広告代理店営業」と「メディア広告営業」に分かれます。
それぞれ違った全く特徴があり、広告営業担当者はどのような仕事をしているのかを詳しく説明します。
広告代理店営業の場合
広告代理店営業では、ラジオやテレビ、雑誌などの広告媒体を持つメディアと企業を結びつけるのが広告代理店での営業の仕事です。
有名なところでは電通や博報堂が真っ先に上がるかと思います。
この分野の広告担当の仕事内容は
などがあります。
その他に、マルチタスク、アカウント管理、場合によっては新しい営業スタッフのトレーニングも含まれます。
顧客と常に接する仕事のため、コミュニケーション能力と対人スキルが必要になります。
メディア広告の営業の場合
メディア広告営業は、自社メディアに広告を出してくれる企業を募集する仕事になります。
販売計画の作成、潜在的なターゲット市場の調査、広告販売の交渉などを行い、広告主の意向とメディアがマッチするように調整します。
既存アカウントの管理、アフターサービスも求められます。また、ターゲットを深く理解し、対人スキルに加え、マーケティングに関する高いスキルが必要とされます。
案件が取れて成功する広告営業のコツ6つを解説!
広告営業を行う上で、プロセスから案件受注までの具体的な方法とヒントを6つ紹介します。
また、実際の案件を取る際のノウハウも書いていきますので、広告営業を行う方は、ぜひ参考にしてみてください。
広告営業のコツ①:STP分析を活用
広告営業の成功は、売り込みを始める前から始まっています。
STPとは、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの頭文字をとったものです。
・セグメンテーション:マーケット全体から「興味」や「属性」などに基づいてセグメント分けすること
・ターゲティング:自社サービスに最も適切な顧客セグメントを選択すること
・ポジショニング:製品やサービスを顧客のニーズに合わせること
セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングのプロセスを経ることで、顧客プロファイルを構築し、最も有望な見込み客を見つけることができます。
広告営業のコツ②:ターゲット顧客をリサーチ
広告営業の成功のコツ2つ目は、「リサーチ」になります。
クライアントの歴史、業績、競合など、さまざまな要素を調査する必要があります。
さらに、クライアントの業界動向や最新のニュースをチェックすることで、その分野全体のビジネスを把握することができます。
広告営業のコツ③:丁寧なヒアリング
広告営業の成功のコツ3つ目は「クライアントとの綿密な打ち合わせ」です。
打ち合わせではクライアントの話をよく聞き、しっかり理解しましょう。顧客の心理に合わせた行動をとることが非常に大切です。
人材育成サービスを実施しているアルー株式会社によると顧客のニーズを引き出す質問力や、顧客の声を聞く傾聴力も重要になっています。
参考:即戦力になる新人営業の育て方|目標の立て方や育成方法|アルー株式会社
商品やサービスの目的や、顧客のニーズをより深く理解することにもつながります。
数多くの質問によって、クライアント自身が見えていなかった課題が明確になることもしばしばあります。
広告営業のコツ④:相手にとってのメリットを伝える
この広告がクライアントにどのようなメリットをもたらすかを明確に伝えましょう。
メリットというより「ベネフィット」というほうが適切かもしれません。
広告を打つことの価値だけでなく、クライアントが満足できるような結果をもたらすように、理解しやすく共感しやすい言葉を使って伝えましょう。
広告営業のコツ⑤:適切なタイミングでの営業アプローチ
広告営業はタイミングが命です。
クライアントの意思決定のタイムラインを把握し、適切なタイミングで営業活動を行いましょう。
早すぎるアプローチはクライアントが受け入れられなくなるのでNG。
また、遅すぎてもいけません。
クライアントがすでに広告の内容を決めてしまっている場合は手遅れになります。
クライアントと密に連絡を取り合い、適切なタイミングでアプローチをかけましょう。
広告営業のコツ⑥:決済者へのアプローチ
組織の意思決定者は誰か?これは営業における鉄則です。
広告をスタートするのにどのような意思決定プロセスがあるのかを理解しておく必要があります。
せっかくいい感じにアプローチできていたのに、その担当者に決裁権がなかったために全てがご破産…というのはよくある話です。
決済者が複数いる場合はすべての関係者を考慮したアプローチができるように準備しておきましょう。
広告営業に向いている人の特徴5つをご紹介
では、広告営業に向いている人の5つの主要な特性について説明します。
広告営業として成功するために必要なことは何かを確認しましょう。
特徴①:商品やスキルに自信がある
広告営業のプロは、自分の商品と営業スキルに自信を持つことが大事です。
どんな広告を販売するにしても、商品に対する知識が豊富で、特徴やメリットを一言で伝えられる必要があります。
特徴②:相手に合わせられる
次に、様々なクライアントに合わせた対応力が必要になります。
クライアントに向けてカスタマイズした解決策を提示できるように準備しましょう。
さらに、担当者の性格に合わせたアプローチの仕方も知っておかなければなりません。
例えば、担当者が理論派であれば数字を性格に示す必要があり、感情派であれば笑顔で接することが大事です。
人は「ソーシャルスタイル」という4つのタイプに分けられます。
こちらを学んでおくことで色々なタイプの人に臨機応変に対応できるスキルが身につくでしょう。
特徴③:気配りやコミュニケーションが得意
そして、顧客のニーズに耳を傾け、気を配り、問い合わせにも迅速に対応することも大事です。
また、自社のサービスについて説得力のある説明をするばかりではなく、クライアントに合った創造的な解決策を提案することができなければなりません。
特徴④:目標意識が高く顧客ニーズを満たしたい気持ちが強い
広告営業は、顧客との関係を構築・維持し、売上につなげることが重要な目標です。
そのためには、目標に対する高い意識と、顧客のニーズを満たすために努力する強い意志が必要です。
販売のゴールを強く意識し、顧客のために解決策を見出すことに尽力しましょう。そうすることで、一方的な販売になることなく、双方にとって有益な販売となるのです。
特徴⑤:ゴールを的確に決めて計画的に営業活動できる
営業活動においては、ゴールを的確に決めることは営業活動で成功するための重要なポイントです。
営業プランの策定に注力し、ゴールを見失ってしまうケースは珍しくありません。
明確な目標を持って、計画的に営業活動を進めることで販売を成功へと導くことができます。
次に、覚えておきたい営業方法を2パターンと、その中の具体的な手法を4つずつ紹介いたします。
覚えておきたい広告営業方法:アウトバウンド型
アウトバウンド型は、即効性のある結果が得られる広告営業方法の一つです。
一般的に使われているアウトバウンドセールスの手法は様々で、それぞれに特徴があります。
今回は、広告営業に役立つ4種類のアウトバウンドセールスの方法をご紹介します。
アウトバウンド型営業方法①:テレアポ
テレアポは、電話でリアルタイムに潜在的な買い手とつながることができる魅力的な戦略です。時代がWebやチャットに移行しつつありますが、まだまだテレアポは有力な営業手法です。
ただしこの戦略には、経験豊富な営業マンが必要であり、顧客と素早く効果的につながるスキルが求められます。
電話をかける際、営業担当者は十分な準備をし、自社の製品やサービスに精通している必要があります。
アウトバウンド型営業方法②:飛び込み営業
飛び込み営業は、電話で話す代わりに営業担当者が直接お客様のところへ出向いて行うアウトバウンドの営業手法で、特に大規模で複雑な案件の場合に有効です。
この戦略もテレアポ同様、経験豊富な営業担当者を必要とし、過去に成功した営業実績がある人に最も適しています。
営業担当者がその場で顧客を説得できるくらいの話力が求められます。
アウトバウンド型営業方法③:メール・FAXを用いた営業
メールやFAXを使った営業は、直接営業が顧客と接することのない手法ですが、メッセージの中に購買意欲を持ちかけるような魅力的な文章を含めるようにしましょう。
アウトバウンド型営業方法④:問い合わせフォームからの営業
問い合わせフォームを使った営業は、アウトバウンドセールスの一種で、営業担当者がオンラインの問い合わせフォームを使って潜在顧客にコンタクトを取る方法です。
問い合わせフォームの販売成功の鍵は、顧客にとってわかりやすいフォームを用意することと、顧客が自由に選択できるようにすることです。
また、問い合わせが入った場合に販売者は、顧客に迅速に返信をすることも忘れてはなりません。
覚えておきたい広告営業方法:インバウンド型
次に、アウトバウンドの反対、インバウンド型です。
インバウンドセールスでは、顧客が購入を決めるために役立つコンテンツを提供し、潜在的な購入者をセールスファネルに誘導することに重点を置くケースが多くなっています。
では、インバウンド広告の営業方法を4つ紹介します。
インバウンド型営業方法①:Web広告
インバウンドマーケティングの手法として、効果の高いものにWeb広告があります。
Webサイトに商品の広告を表示したり、GoogleやSNSの検索結果にスポンサー広告を掲載する広告のことです。
検索結果の上部に広告表示されることで、潜在的な購買者をターゲットにすることができ、リードの獲得に成功することができます。
消費者庁のデータから、WEB広告(インターネット広告)の費用がマスメディアの広告費を上回ったことが分かります。デジタル広告市場が拡大していることは明らかです。
インバウンド型営業方法②:オウンドメディアの配信
オウンドメディアの配信も、インバウンドセールス戦略として有効です。
オウンドメディアは顧客の課題や悩みを解決するためのコンテンツを提供します。
ブログ、動画、ニュースレターなど、購入者が購入しようとしている製品の詳細について情報を提供するコンテンツがこれにあたります。
さらに、オウンドメディアの配信は、SEO対策が必要になるため、検索から情報を探しているより多くの潜在顧客にウェブサイトを見てもらう可能性が広がっています。
インバウンド型営業方法③:有益セミナーの定期開催
インバウンド型営業には、セミナーやウェビナーなどの情報発信も含まれます。
セミナーにはテーマがあるため、悩みや疑問を解決したい顧客と直接つながりを持ち、製品やサービスに関する情報を提供できる効果的な方法です。
セミナーやウェビナーは、営業担当者が製品の特徴や利点を顧客に直接アピールすることで、潜在的な購入者をロイヤルカスタマーに変える効果的な方法となりえるのです。
インバウンド型営業方法④:動画広告の配信
動画広告の配信は、潜在顧客を引き寄せる直接的かつ強力な方法です。
YouTubeを見たことのない人はほとんどいないと思いますが、動画広告は、自社のサービスをわかりやすく提供できるため、潜在顧客にサービス内容を伝える効果的な手段です。
さらに、動画広告は、ブログやニュースレターなどの他のオウンドメディアからの拡張メディアとして使用することができます。
これからはネットを活用したインバウンド型営業が成功のカギに
インバウンド型営業を正しく組み合わせることで、より多くのリードを見つけ、より多くの売上を上げ、リーチを広げることができる可能性を秘めています。
ブログ、ポッドキャスト、動画などのコンテンツの開発、コンテンツを数多くの人に見てもらうためのSEO対策、検索エンジン、SNS、バナー広告などのプラットフォームを活用したオンラインプロモーションなど、さまざまなデジタルマーケティングの可能性があります。
Web広告がテレビ広告を上回り始めている
デジタルマーケティングの普及が進み、テレビ広告の予算は縮小傾向にあります。
ネットをあまり利用していない年配向けのコンテンツはまだまだテレビ媒体が強いですが、高単価購買層向けにはネット広告が主流となりつつあります。
積極的な情報発信によるファンの獲得が必要
もう一つのポイントは、積極的な情報発信でファンを獲得できることです。
コンテンツマーケティングやSNSマーケティングなどを通じて、潜在顧客と積極的に関わることで、ブランドの認知度を高め、より多くの売上を達成するのに有効であることが分かっています。
Hub Spotは、平均的な人は、毎日受信したEメールの48%を削除していることを明らかにしました。
このように、インバウンドセールスを成功させるには、「露出」の回数によって積極的なアプローチをとることが重要なのです。
まとめ:広告営業で成功するコツを掴んで成果をあげよう
ネットが情報収集のメインとなっている今、コンテンツマーケティング・SEO・Web広告・SNSを組み合わせたインバウンド営業は企業が売上と収益性を向上させるための効果的な方法です。
また、Web広告は従来のTVCMや雑誌広告を凌駕し始めています。
2021年には、インターネット広告の中で動画広告が初めて5,000億円を突破し、 そのうち80%は運用型広告での配信となっています。
インバウンド営業を積極的活用して顧客と接点を持つことで、より多くの売上を達成できることができるでしょう。