【最新情報】Instagramのブランドコンテンツ広告について

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

Instagram上でブランドコンテンツ広告を活用する方法について、今回は詳しく説明いたします。この手法は、現代のインフルエンサーマーケティングにおいて非常に重要な役割を果たしています。本記事では、ブランドコンテンツ広告の要点、効果的な配信戦略、そしてそのメリットについて解説いたします。さらに、ブランドコンテンツ広告を設定する方法についても詳しく紹介しますので、読み進めることで、この手法の特徴と使い方を理解できるでしょう。

1. Instagramのブランドコンテンツ広告とは

画像引用:Instagram、ブランドコンテンツ広告の提供開始を発表|Meta

最初に、以下の内容について詳しくお伝えします。

  • Instagramブランドコンテンツ広告の概要
  • タイアップ投稿との違い

Instagramブランドコンテンツ広告とは、Instagram上でインフルエンサーがクリエイターとして活動している際に、そのクリエイターが制作したコンテンツを広告として活用する手法のことです。この広告手法の特徴は、広告主が自前でクリエイティブを作成する必要がなく、既存の質の高い投稿を利用できる点です。したがって、広告主にとっては手間を省ける利点があり、一方でインフルエンサーにとっては、自身の投稿が広告として活用されることで実績となり、メリットがあります。

1-1. Instagramブランドコンテンツ広告の概要

Instagramのブランドコンテンツ広告は、インフルエンサーとして活動するクリエイターが制作した投稿を広告として用い、商品やサービスを宣伝する手法です。この広告形態は、クリエイターが自然な形でコンテンツを制作し、それを広告として活用する点が特徴です。そのため、クオリティの高いコンテンツを効果的に広告に活用でき、広告主にとっては大きな利点があります。同時に、インフルエンサーにとっても、自身の投稿が広告として活用されることで実績として認められ、メリットが生まれます。

1-2. タイアップ投稿との違い

Instagramのブランドコンテンツ広告タイアップ投稿は、両者がどのように活用されるかにおいて、いくつかの違いがあります。

ブランドコンテンツ広告では、インフルエンサーが制作したコンテンツを広告主が利用し、商品やサービスを宣伝します。

一方、タイアップ広告では、企業からの依頼を受けたクリエイターが自身のアカウントで商品やサービスについて投稿を行います。

両者は企業とインフルエンサーの提携に基づく点では共通していますが、具体的な活用方法には異なるアプローチがありますので、注意が必要です。

2. ブランドコンテンツ広告の種類と配信場所

ブランドコンテンツ広告には、以下の3つの種類と、それぞれの配信場所が存在します。

  • Instagramストーリーズ画面
  • Instagramフィード画面
  • Instagram発見タブ

これらの広告配信場所について詳しく説明していきます。

2-1. Instagramストーリーズ画面

Instagramストーリーズ画面では、広告が他の投稿と同じようにフルスクリーンで表示されます。ユーザーの視線を引き付けやすいこの配信面では、インパクトのあるコンテンツを活用することがおすすめです。

2-2. Instagramフィード画面

フィード画面は、Instagramを開いた際に最初に表示される画面です。多くのユーザーがフィード画面を確認するため、広告が多くの人に見られる機会があります。この点が、広告主にとってのメリットとなります。

2-3. Instagram発見タブ

Instagramの発見タブでは、ユーザーが関心を持ちそうなコンテンツを探しやすくなっており、ブランドコンテンツ広告もここで配信が可能です。アルゴリズムによってユーザーに合ったコンテンツを提供するため、広告を表示すれば、関心の高いユーザーに訴求する確率が高まります。

3. ブランドコンテンツ広告の利点

ブランドコンテンツ広告を活用する際に享受できる魅力的な利点は、以下の5つです。それぞれを詳しく解説していきます。

3-1. Facebook社の広告データを用いて精密なターゲティングができる

ブランドコンテンツ広告は、Facebook社の広告データを駆使して、非常に精密なターゲティングを実現できるのが大きな利点です。Facebook広告は、そのターゲティング精度が高く、ユーザーの属性情報や行動履歴などを元に広告を配信できます。具体的には、年齢、地域、興味関心などを指定してターゲットを絞る「コアオーディエンス」や、特定のアクションを起こしたユーザーを対象にする「カスタムオーディエンス」などが利用できます。また、データに基づいて似たようなユーザーをターゲットにする「ルックアライクオーディエンス」も活用可能です。これにより、広告が対象ユーザーの目に留まり、高いコンバージョン率を達成しやすくなります。

3-2. 著名なインスタグラマーが作成する画像・動画を広告クリエイティブにできる

ブランドコンテンツ広告は、著名なインスタグラマーが制作する魅力的な画像や動画を広告クリエイティブとして活用できる点が大きな魅力です。有名なインフルエンサーたちは、何がユーザーの心をつかむのかを熟知しており、光の加減や構図、編集技術など、コンテンツ制作に関する高いスキルを持っています。そのため、広告主は手間をかけずに、高品質なコンテンツを広告に活用できるのです。これは広告の質を向上させ、ユーザーの印象を良くする上で非常に重要です。

3-3. インフルエンサーマーケティングと効果的な組み合わせができる

ブランドコンテンツ広告は、需要が高まっているインフルエンサーマーケティングと効果的に組み合わせることができる手法です。インフルエンサーマーケティングは、インフルエンサーを通じて自社の商品やサービスを宣伝する戦略であり、ユーザーへの訴求力が高い特長があります。ブランドコンテンツ広告では、インフルエンサーが制作したコンテンツを広告として利用し、更なる広告効果を期待できます。この組み合わせにより、ユーザーの印象に残りやすく、商品やサービスの認知度が向上します。従来のリスティング広告やディスプレイ広告に飽きた方には、新しい施策としてブランドコンテンツ広告を検討する価値があります。

3-4. ステルスマーケティングを予防できる

ステルスマーケティングは、宣伝活動を隠蔽する試みを指し、その際にPRであることを意図的に秘匿することがあります。しかし、インフルエンサーを活用する場合、広告が明確に表示されるため、ステルスマーケティングのリスクを回避できるという利点があります。ステルスマーケティングはしばしば消費者からの信用を損なう要因となり、透明性のある広告活動を実施することは、ブランドにとって重要です。ブランドコンテンツ広告は、その点で信頼性を高めます。

3-5. Instagramインサイト・Facebook広告マネージャーなどから効果測定が可能

InstagramインサイトやFacebook広告マネージャーなどのツールを活用することで、ブランドコンテンツ広告の効果測定が可能となります。Instagramインサイトでは、広告の推移やフォロワーに関するデータを詳細に分析することができ、広告戦略の最適化に役立ちます。また、Facebook広告マネージャーは、広告の効果をトラッキングし、リアルタイムでデータを確認することができる強力なツールです。これらの情報を活用して、今後の広告施策に反映させることで、ブランドコンテンツ広告の運用をスムーズに行うことができます。

4. ブランドコンテンツ広告配信の際の注意点

ブランドコンテンツ広告を配信する際には、次に示す3つの重要な注意点に留意することが大切です。これらのポイントを考慮して、効果的な広告キャンペーンを展開しましょう。

4-1. カルーセル投稿を活用した配信ができない

カルーセル投稿は、複数の画像をスクロールできる形式のコンテンツで、商品情報を詳細に伝えたり、関連商品を提示したりするのに非常に有用です。しかし、ブランドコンテンツ広告をInstagramフィード面で配信する場合には、カルーセル投稿の活用が制限されています。広告主がカルーセル投稿を用いて商品やサービスを訴求したい場合は、別の広告フォーマットを検討するか、注意が必要です。

4-2. インフルエンサーとの間で広告に関する契約を結ぶ

ブランドコンテンツ広告を実施する際には、インフルエンサーとの間で広告に関する契約を締結することが必要です。契約を結ぶことで、配信期間、報酬、コンテンツの使用権限などに関する条件が明確になり、トラブルを未然に防ぐことができます。双方が合意した内容を文書化し、契約書を作成することで、円滑なコラボレーションを促進しましょう。

4-3. ブランドコンテンツ広告のキャプション・コメントを広告主が管理できない

ブランドコンテンツ広告の特徴として、キャプションやコメントなどのコンテンツ管理がインフルエンサーに委ねられることが挙げられます。広告主はこれらのテキスト部分を変更できないため、事前に広告に関する要望や指針をインフルエンサーと共有し、合意を取ることが重要です。コンテンツのメッセージやトーンが一貫性を持ち、ブランドのイメージに合致するよう確認しましょう。

これらの注意点を念頭に置きつつ、ブランドコンテンツ広告の配信を計画し、効果的なキャンペーンを展開することで、広告戦略の成功をサポートできるでしょう。

5. ブランドコンテンツ広告の設定方法

ブランドコンテンツ広告を設定する方法は以下のステップに従います。順番に詳しく解説していきましょう。

5-1. クリエイター側での設定

最初に、クリエイター側で行う設定について解説します。

手順①

まず、Instagramアプリを開き、ホーム画面右上にある三本線(ハンバーガーメニュー)をタップして設定を選択します。

手順②

設定画面に入ったら、クリエイター>ブランドコンテンツ>ブランドコンテンツルールを設定>有効にするを選択します。

手順③

ブランドコンテンツルールの画面で「完了」を選択します。

手順④

次に、ブランドパートナーに承認をリクエストします。リクエストを送信したいアカウントを検索し、リクエストを送信します。

これにより、クリエイター側での設定が完了します。

5-2. 広告主側での設定

クリエイター側での設定が終了したら、広告主側でも設定が必要です。以下に手順を示します。

手順①

ホーム画面右上の三本線(ハンバーガーメニュー)をタップして、設定を選択します。

手順②

設定画面から、ビジネス>ブランドコンテンツ>コンテンツクリエイターを承認>リクエストを承認、を選択します。

これで、広告主側での設定が完了しました。

5-3. クリエイターのInstagram投稿からブランドコンテンツ広告を許可する方法

クリエイターがPRの際にInstagramの投稿から、ブランドコンテンツ広告を許可する方法について説明します。

手順①

新規投稿画面で、下部にある「詳細設定」を選択します。

手順②

詳細設定の中で、「タイアップ投稿ラベルを追加>ブランドパートナーを追加」を選択します。

手順③

ブランドパートナーを追加する画面で、広告主のアカウントを追加し、ブランドパートナーによる宣伝を許可するオプションをオンにします。

これにより、クリエイターのInstagram投稿からブランドコンテンツ広告を許可する設定が完了します。

5-4. 広告主側でブランドコンテンツ広告を配信する方法

最後に、広告主側でブランドコンテンツ広告を実際に配信する手順について説明します。

手順①

広告作成画面で、パートナーのFacebookページやInstagramアカウントを確認します。

手順②

広告設定で既存の投稿を使用>投稿を選択、を選びます。

手順③

「ブランドコンテンツ投稿」の中から、クリエイターのInstagram投稿の内容が表示されるので、使用したい投稿を選択し、次へを選択します。

これらの手順に従うことで、広告主はブランドコンテンツ広告の使用を可能にし、効果的な広告キャンペーンを展開できます。設定方法を正確に把握し、適切に活用しましょう。

6. ブランドコンテンツ広告の事例

Meta社の公式サイトには、様々なブランドコンテンツ広告の事例が掲載されておりますので、その成功ストーリーを紹介しています。以下にいくつかの事例をご紹介しましょう。

1. ESTÉE LAUDER(イスティローダー)の事例

ESTÉE LAUDERは、大手化粧品メーカーとして知られ、トルコ市場で商品ラインに関する宣伝を行うためにブランドコンテンツ広告を活用しました。このキャンペーンでは、通常のコンテンツと比較して、広告の認知度や想起率が5ポイント以上向上しました。ブランドコンテンツ広告を通じて、商品に対する関心や理解が高まり、成功を収めました。

2. Binggrae(빙그레)の事例

Binggraeは、韓国を拠点とする食品・飲料会社で、彼らもブランドコンテンツ広告を積極的に活用しました。彼らのキャンペーンでは、想起率が10.6ポイントも上昇し、消費者に対するブランドの印象を改善しました。ブランドコンテンツ広告を通じて、ブランド、消費者、クリエイターの間で交流を促進し、好感度を5.7ポイント上昇させる成功を収めました。

これらの事例は、ブランドコンテンツ広告が効果的な広告戦略の一部として、ブランドの認知度向上や消費者とのエンゲージメントの増加に寄与できることを示しています。ブランドコンテンツ広告は、現代のデジタルマーケティングにおいて重要なツールとなっており、様々な業界で成功を収めています。

7. まとめ

今回の内容を振り返りましょう。ブランドコンテンツ広告は、インフルエンサーのコンテンツを活用して効果的な広告キャンペーンを展開する手法です。その利点として、精密なターゲティングを実現でき、ステルスマーケティングを防ぐことができる点が挙げられます。しかし、インフルエンサーとの契約を結ぶ際には、報酬や期間などの条件に関する明確な合意が重要です。これにより、双方の関係が円滑に進み、成功への道が開けるでしょう。

ブランドコンテンツ広告は、デジタルマーケティング戦略の一環として、広告主に多くの利益をもたらすことが期待されています。効果的に活用するためには、ターゲティング戦略の慎重な計画とインフルエンサーとの協力が不可欠です。そして、ブランドと消費者の間に信頼と良好な印象を築くために、質の高いコンテンツの提供が求められます。

今後もデジタルマーケティングの分野では新たな展開が期待されるでしょう。ブランドコンテンツ広告はその中でも注目される一つであり、ブランドと消費者とのコミュニケーションを促進し、成功を収める手法として今後さらに発展していくことでしょう。しっかりと戦略を練り、今日学んだ知識を実践に活かしましょう。