LINE広告マスターガイド:アニメーション画像で成果を上げる方法

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

LINEは、日々のコミュニケーションのために広く使用されているアプリケーションであり、その人気はマーケティングの世界でも高い注目を集めています。このプラットフォームは、多くのユーザーが集う場所として、広告媒体としての潜在力も秘めています。特に多数の企業が、そのマーケティング戦略やプロモーション活動において、LINEを効果的に利用しています。

2022年の10月、LINEはこの広告分野における新たな進化を遂げました。それは、アニメーション画像を用いた広告の導入です。この新しい広告形式は、これまでの静止画やテキストベースの広告とは異なり、動きのある画像を通じて、ユーザーの注意を引きつける能力があります。

本稿では、LINE広告におけるアニメーション画像の活用法に焦点を当て、その特徴、仕様、そしてどのようにしてこれを効果的に使うことができるのかについて、詳しく解説していきたいと思います。アニメーション広告がなぜ有効なのか、どのようなメリットがあるのか、そしてそれを最大限に活かすためのコツについても触れていきます。これにより、読者の皆さんはLINE広告をより効果的に活用し、その可能性を最大限に引き出すことができるでしょう。

LINE広告でのアニメーション画像の革新的な活用

LINEにおけるアニメーション画像広告とは、動的な画像を用いた新しい形式の広告戦略を指します。この画像はLINEのトークリストの最上部に表示され、ユーザーがLINEを開いた際に最初に目にする箇所です。この位置の広告は、LINE広告全体の中で特に注目度が高く、効果的な広告手法とされています。

従来のLINE広告は静止画のみで構成されていましたが、2022年10月のアップデートにより、アニメーション画像を利用した広告が導入されました。この新しいフォーマットは、視覚的な魅力を高めることでユーザーの注意を引きつけます。静止画を基にして、画像の移動、回転、フェードなどのアニメーション効果を加えることで、広告メッセージをよりダイナミックに伝えることが可能になりました。

LINE広告におけるアニメーション画像の技術的詳細

ここでは、LINE広告のアニメーション画像の技術的仕様について詳しく説明します。

このアニメーション画像は、APNG(Animated Portable Network Graphics)というフォーマットで作成することが必要です。このフォーマットは、静止画の.pngと同じ拡張子を持ちながら、動画に近い表現が可能な静止画フォーマットです。GIFフォーマットがアニメーション表示に広く用いられていることは周知の事実ですが、APNGは近年、その優れた画質やファイルサイズの面で注目を集めています

さらに、LINE広告におけるアニメーション画像では、フレームの最初と最後に広告であることを示す「PR」などの表示が必須です。これはユーザーに対して広告コンテンツであることを明確に伝えるためのもので、広告の透明性を保つ上で重要な役割を果たします

LINE広告でアニメーション画像を使うメリットの全貌

ここでは、LINE広告でアニメーション画像を利用する際のメリットについて掘り下げていきます。静止画ベースの従来の広告と比較して、アニメーション画像は次のような顕著な効果をもたらします。

広告効果の拡大とそのメカニズム

LINEのトークリスト画面は、日常的に多くのユーザーが目にするもので、そのため、この画面での広告配信はブランド認知の向上に大きく寄与します。静止画バナー広告も一定の効果はありますが、アニメーション画像を組み合わせることで、その視認性と魅力は格段に向上します。人間は本能的に動くものに目が行く傾向があるため、アニメーション画像を使うことで、通常は見過ごされがちな情報もユーザーの目に留まりやすくなり、結果として集客やコンバージョンの増加に繋がります。

差別化による競争優位性の獲得

2022年10月にリリースされたばかりのLINE広告のアニメーション画像機能は、まだ広く使われているとは言えません。この新しい機能をいち早く取り入れることで、他社との差別化が図れます。LINEのトークリスト広告はすでに多くの企業が利用しており、この中で新しいアプローチを採ることは、ブランドの認知度を一段と高めるだけでなく、コンバージョンの獲得にも大いに貢献する可能性があります。独自性と革新性を備えたアニメーション画像の活用は市場における自社の位置付けを強化すると同時に、顧客の関心を引きつけるための鍵となります。このような差別化戦略は、特に競争が激しい市場においては、顕著な成果をもたらす可能性が高いです。アニメーション画像を利用することで、伝統的な広告手法にはない新鮮さと独創性を提供し、消費者の記憶に残りやすいインパクトを与えることができます。

アニメーション画像は、単なる目新しさだけではなく、メッセージの伝達効果を高める手段としても優れています。静止画と比較して、動的な要素を含むことで、広告のストーリーテリング能力が向上し、ブランドメッセージをより深く、鮮明に伝えることが可能になります。これにより、消費者の興味を引きつけ、より長い時間広告に注目させることができるのです。

以上のように、LINE広告におけるアニメーション画像の活用は、従来の広告手法に比べて目を引く視覚効果、競争相手との差別化、そして効果的なメッセージ伝達という三つの大きなメリットを提供します。これらの点を考慮すると、アニメーション画像の活用は、広告キャンペーンの成功に大きく貢献する重要な要素と言えるでしょう。

LINE広告用アニメーション画像の簡単な制作プロセス

このセクションでは、LINE広告用のアニメーション画像の作成方法に焦点を当てて解説します。アニメーション画像の作成は、自社内で行うか、専門の制作会社に依頼することが一般的ですが、LINE広告の便利な管理ツールを使えば、直接簡単に作成することも可能です。

LINE広告では、ユーザーが広告クリエイティブを手軽に制作できるよう、「Creative Lab」というユーザーフレンドリーなツールが提供されています。LINE広告アカウントを持っていれば誰でもアクセスでき、さらに無料のテンプレートなども活用できるので、大変便利です。2023年3月からは「Creative Lab」でもアニメーション画像の制作が可能になりましたので、作成から出稿までのプロセスが大幅に簡素化されています。ここではその具体的な手順を紹介します。

手順①

LINE広告アカウントにログインし、「Creative Lab」にアクセスする。

手順②

「アニメーション画像」のオプションを選択する。

手順③

「テンプレート」から自社のイメージに合ったデザインを選ぶ。

手順④

テキスト、色、フォントなどを自社のニーズに合わせて編集。この段階で、図形やスタンプ、ローカルフォルダからの画像アップロードなど、様々なカスタマイズが可能です。

手順⑤

望むエフェクトを選ぶ。

手順⑥

「アニメーション画像を送信」を使って、制作した画像を指定した広告アカウントに送信する。

手順⑦

「ライブラリ」>「マイクリエイティブ」>「送信したクリエイティブ」のセクションで、作成したアニメーション画像を確認し、ダウンロードする。

このプロセスにより、誰でも簡単にアニメーション画像を制作できます。「Creative Lab」には、アニメーションの動きを指定したり、画像のトリミングなど、多彩な編集機能が備わっており、ユーザーはこれらを駆使して、独自のクリエイティブな広告を作成することができます。このツールの使いやすさと柔軟性により、LINE広告のクオリティと効果を一段と高めることが可能になります。

LINE広告でアニメーション画像を活用する際の効果的なコツ

ここでは、LINE広告でアニメーション画像を活用する際のコツについて、より深く掘り下げて説明します。アニメーション画像の効果を最大限に引き出すためには、LINE広告の特性を理解し、適切な方法で画像を作成することが必要です。

自社の画像は大きく、ゆっくり動かすこと

アニメーション画像はLINE広告上でループして表示されますが、ユーザーが何度も同じ広告を繰り返し見ることは少ないです。そのため、アニメーションの動きは、視認性を高めるためにゆっくりとした動きにすることが効果的です。特に自社の製品やサービスに関する画像を使用する場合は、それらを大きく、ゆっくりと動かすことで、分かりやすく伝えることができ、ユーザーの注意を引きつけることができます。

キャッチコピーに特別な注意を払う

アニメーション画像を使用することは効果的ですが、画像だけではユーザーに全てを伝えることはできません。そのため、キャッチコピーの工夫も非常に重要です。「限定」「今だけ」「キャンペーン」「お得」といった言葉は、ユーザーの行動を促す力を持っています。これらのパワーワードを上手く利用することで、広告の効果を一層高めることができます。

画像だけでなく、文字や図形にも動きを

アニメーション画像の活用は、画像の動きに限定されるわけではありません。文字や図形に動きを加えることも効果的です。例えば、一文字ずつ際立たせる、図形や装飾を動かすことで、広告にメリハリが生まれ、ユーザーの興味を引きやすくなります。

動きに統一感を持たせること

アニメーション画像は、1秒から最大4秒の間で動かすことができますが、この短い時間内に情報を詰め込みすぎると、広告の主要なメッセージが伝わりにくくなります。例えば、左から右へ、次に下から上へと動かすような場合、動きが目立ちすぎてメッセージが伝わらなくなることがあります。アニメーション画像を使用する際には、統一感を持たせることが大切です。このように、アニメーション画像の作成と展開には、ある程度の配慮と計画が必要です。広告に使用する動きは、目的とするメッセージに合わせて慎重に選ぶべきです。例えば、製品の特徴を強調する場合には、製品の画像に集中するような動きを選ぶのが良いでしょう。また、サービスの利便性を訴える際には、直感的で理解しやすい動きを選ぶことが効果的です。

動きのスピードや方向、変化の仕方は、広告を見るユーザーの視線を導くための重要な要素です。過度に速い動きや複雑な変化は、メッセージの伝達を妨げる可能性があるため、シンプルで理解しやすい動きが望ましいです。さらに、アニメーションには目を引く力がありますが、この力を適切に制御することで、広告のメッセージを明確に伝えることができます。

総じて、LINE広告でのアニメーション画像の活用には、視認性を高めるための慎重な動きの選択、効果的なキャッチコピーの作成、文字や図形の動きを取り入れること、そして統一感のある動きを心がけることが重要です。これらのコツを活用することで、LINE広告のアニメーション画像は、企業のマーケティング戦略において非常に有効なツールとなるでしょう。適切に活用されたアニメーション広告は、ブランドの認知度を高め、最終的には成果に繋がる可能性を秘めています。

LINE広告のアニメーション画像作成における重要な注意事項

このセクションでは、LINE広告でアニメーション画像を作成する際に留意すべき重要な点を詳しくご紹介します。アニメーション画像の広告出稿には、LINE広告側の審査が伴いますので、以下の注意事項を把握し、適切に対応することが不可欠です。

出稿規約の遵守が不可欠

アニメーション画像を用いたLINE広告の出稿を成功させるためには、規定された仕様を正確に守ることが非常に重要です。LINE広告には、先述のとおり、様々な仕様が細かく設定されており、これらを遵守しなければ審査を通過することができません。特に、フレーム数やループ数、指定秒数は、審査で落ちる主な原因となることが多いです。また、ファイル容量が300KB以下という基準も重要です。アニメーション画像では複数の静止画を組み合わせるため、一つの画像が重たくなりがちです。そのため、圧縮機能を活用してファイルサイズを適切に管理することが求められます。

ユーザーにとって分かりやすい構成か

アニメーション画像がどれほど魅力的であっても、ユーザーにとって分かりやすくなければ、その広告効果は半減してしまいます。例えば、過度に明るい色の使用や速すぎる動きは、注目を集めることはできても、ユーザーを不快にさせる可能性があります。奇抜な構成よりも、ユーザーフレンドリーな、理解しやすい構成を心掛けることが重要です。

広告要素の明示は必須

LINE広告のアニメーション画像では、最初と最後に明確な広告要素を含めることが必須ですが、これを怠って審査に落ちるケースが散見されます。ステルスマーケティング規制なども厳しくなっており、広告表現はより適切に行われる必要があります。「PR」や「広告」といった表現を適切に取り入れ、全体の構成に組み込むことが大切です。

総じて、LINE広告のアニメーション画像を作成する際には、LINEの出稿規約の遵守、ユーザーにとっての視認性と理解のしやすさ、そして広告要素の明確な表示といった要点を念頭に置くことが不可欠です。これらのポイントを適切に押さえることで、効果的かつスムーズな広告出稿が実現可能となります。

LINE広告のアニメーション画像活用に関するまとめ

この記事では、2022年10月にリリースされたLINE広告のアニメーション画像の利用方法とその重要性について、詳しく解説してきました。アニメーション画像の導入は、広告の視認性を大幅に向上させ、結果として広告効果を最大化することに大きく貢献します。LINEは、その普及率の高さと利用者の多様性から、幅広い業種・業態において有効な広告媒体として機能します。アニメーション画像を活用することによって、単にブランドの認知度を高めるだけではなく、最終的なコンバージョンの獲得にも繋がる可能性があるのです。

本稿で紹介した各ポイントを参考にしながら、アニメーション画像を用いた効果的な広告訴求戦略を立てることができます。アニメーション画像の適切な活用は、広告の目立ち度を高め、メッセージの伝達効率を向上させると同時に、ユーザーの関心を引きつけることができます。これにより、既存の静止画ベースの広告よりも高い反応率を期待できるでしょう。

さらに、今回紹介したアニメーション画像の作成方法や活用のコツ、注意点などを活用することで、LINE広告の可能性をさらに広げることができます。アニメーション画像は、クリエイティブな表現と効果的なメッセージ伝達の融合を可能にし、デジタルマーケティングにおける新しい地平を切り開くことが期待されています。これらの知識を活用して、より魅力的で効果的なLINE広告キャンペーンを展開していきましょう。