医師の年収徹底分析！年齢・施設・診療科別の収入データ解説

医師の収入に関する最新情報をお届けします。2020年度のデータを基に、医師がどの年齢層、どのような経営形態の医療施設、またどの診療科でどれくらいの収入を得ているのかを詳しく解説します。

さらに、収入を向上させるための具体的なアドバイスも提供します。

医師の平均年収・給料は約1169万円

日本の厚生労働省が公開している「賃金構造基本統計調査（2019年度）」によると、医師の平均年収は1169万円とされています。この数値は、基本的な月給を12か月分と年間の賞与や特別手当を合計して算出されています。

この平均年収を、2020年1月に東洋経済新報社から発表された「全国トップ500社」のデータと比較すると、シグマクシス社とほぼ同等で、同ランキングにおいて23位に位置しています。この結果から、医師の収入が一般的な企業のトップ層と比較しても高いことが分かります。

男女別の医師の平均年収 同じく「賃金構造基本統計調査（2019年）」のデータを基に、男女別の医師の平均年収を見てみると、男女間で収入の差が存在しています。

一般的に、どの職業でも男性の方が女性よりも高収入である傾向がありますが、医師の職業においてもこれは例外ではありません。これは、女性が結婚や出産などのライフイベントの影響を受けやすいことが一因です。特に女性は出産前後に一時的に仕事を休む必要があるため、それが収入に影響を及ぼすことがあります。

出産後に職場復帰する場合、パートナーや家族のサポートがあればフルタイムでの復職も可能ですが、共働き家庭では短時間勤務やパートタイムといった選択をすることが多く、これが収入の差につながっています。また、妊娠や出産は男性にはできないため、女性はこれらのライフステージにおいて特有の挑戦に直面します。このような要因により、医師の職業でも男女間で平均年収に差が出るのです。

年齢層による医師の平均年収と給与の違い

日本の厚生労働省が公開している「賃金構造基本統計調査（2019年）」のデータを基に、年齢層別での医師の平均年収を詳細に分析しました。

年齢層別で見ると、医師の年収は以下の通りです。また、このセクションでは男女別の年齢層における平均年収も併せてお伝えします。 医師における最も年収が高いのは、50歳から54歳で平均1672万円に達しています。

性別に分けて見ると、男性医師は60歳から64歳で1826万円が最も高く、女性医師では50歳から54歳で1640万円が最も高い年収となっています。

医師の収入は40代に入ると顕著に増加し、50代から60代にかけてその傾向が最も顕著になります。

医療施設の経営形態による医師の年収差

医師の収入は、彼らが勤める医療施設の経営形態によっても大きく異なります。特に平均年収が最も高いのは医療法人に所属する場合です。

労働政策研究・研修機構が行った「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、各経営形態における医師の平均年収は以下の通りです。医療法人に所属する医師の平均年収は1443万円で、これが最も高い数値です。次いで個人病院が1414万円、その他の法人が1406万円と続きます。

公的病院では1353万円、公立病院では1347万円、社会保険関係団体の医師の年収は1280万円です。国立病院は882万円で、最も年収が低いのは学校法人に所属する医師で、平均して739万円となっています。

より良い収入を得るためには、医療法人に所属することが有利であると言えるでしょう。

診療科別の医師の平均年収詳細

医師の診療科によって年収がどのように異なるか、労働政策研究・研修機構が実施した「勤務医の就労実態と意識に関する調査」のデータをもとに解説します。この調査によると、年収が最も高いのは脳神経外科であり、その平均年収は1480万円に達します。次に高いのは産婦人科で、平均1466万円です。その他、外科では1374万円、麻酔科では1335万円となっており、これらの科は1300万円台を記録しています。

1200万円台は整形外科の1289万円、呼吸器科、消化器科、循環器科は1267万円、内科は1247万円、精神科は1230万円、救急科は1215万円、小児科は1220万円となっています。放射線科は1103万円で、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科は1078万円と最も低い平均年収です。

診療科ごとに見ると、どの科も1000万円を超える平均年収を持っていますが、最高の脳神経外科と最低の眼科・耳鼻咽喉科・皮膚科の間には約400万円の差があります。

開業医の収入について

開業医の場合、診療科別の年収はさらに変動が見られます。厚生労働省の「第22回医療経済実態調査報告」によると、開業医で最も年収が高いのは産婦人科で、その年収は4551万円です。これは2位の眼科の3377万円と比べても1174万円も高い数値です。

整形外科は2998万円、小児科は2827万円、皮膚科は2792万円、耳鼻咽喉科は2597万円、内科は2582万円、外科は2020万円と続きます。開業医の場合、報告された年収から診療所の運営費用や設備投資が差し引かれるため、実際の手取り額は報告された額よりも少なくなることが一般的です。

医師のキャリアアップとして、開業や転職エージェントを利用することも一つの選択肢です。特に「ドクターキャスト」、「マイナビドクター」、「リクルートドクターズキャリア」などは医師専門の転職エージェントで、多くの非公開求人を保有しており、医師の希望に応じた職場を見つけやすいとされています。

医師のアルバイト比率とその影響

医師転職研究所の調査によると、医師の68％が何らかの形でアルバイトや副業を行っています。医療施設の人手不足が背景にあるため、非常勤の募集は多く、時給の相場は1万円が一般的です。特に個人宅訪問や1人での巡回診療を行う医師には高額の報酬が設定されており、例として1日10万円を超えるケースもあります。

アルバイトを行う医師の年収例を見ると、週1日、1日8時間勤務の場合、月32万円、年間で384万円の収入が見込める計算になります。多くの医師がメインの勤務先とは別にアルバイトを掛け持ちし、年収を数百万円程度向上させているのが現状です。

医師の将来的な年収動向と下降リスク

将来的に医師の年収が低下する可能性が指摘されています。これは医師の供給過剰が主な原因とされており、現在の医師不足の状況が変わり、飽和状態に陥ることが予想されています。

現在、多くの医療機関で医師の不足が社会問題となっている一方で、長期的には必要以上に医師数が増加し、供給過剰になる可能性があるとされています。厚生労働省の推計によると、2040年には全国的に医師が約3万4000人余ると予測されており、これには人口減少とAI技術の進展が影響していると分析されています。

ただし、医師は生命に直接関わる重要な職業であり、その需要が完全になくなることはありません。実際に年収がどれほど低下するかは未知数ですが、医療の質を維持するためにも、大幅な下降は避けられる可能性があります。

医師の年収アップを目指すならプロに相談を

医師が年収を上げたい場合、転職エージェントへの相談が推奨されます。転職エージェントは病院の規模や経営状況に精通しており、どの病院や診療科に転職すれば年収が上がる可能性があるかを的確にアドバイスします。また、条件に合った求人の紹介も行ってくれます。

利用者が気に入った求人があれば、キャリアアドバイザーが選考対策や応募先との交渉までサポートしてくれるため、転職プロセスがスムーズに進みます。ただし、キャリアアドバイザーの質は異なるため、初めに複数のエージェントに登録し、自分に合ったアドバイザーを見つけることが重要です。

おすすめの医師転職エージェントは以下の通りです。