手取り15万円の正社員の仕事の現実と対策

手取り15万円の月収や年収は、経済的に厳しい状況を示している可能性があります。ですが、このレベルの給与でも見逃せないメリットが存在する場合があるのです。

手取り15万円の給与明細や職務内容を詳しく分析することで、その仕事に残り続けるべきかどうかを見極めることができるでしょう。

さらに、手取り15万円の収入から脱却し、より高い収入を目指すための具体的な戦略や転職のヒントも提供します。

手取り15万円の月収について

手取り15万円の月収は大体17万円から19万円程度になります。

基本給に加えて、残業代や各種手当が総支給額に含まれます。この総支給額から社会保険料、住民税、所得税などが差し引かれた後の金額が手取りです。

東京都の最低賃金は時給1072円（2022年時点）で、月に1日8時間×20日勤務すると月給17万円程度になります。この事実は、東京で最低賃金レベルで働く正社員の収入が手取り15万円に近いことを示しています。

手取り15万円の収入に関する口コミでは、「貧困」「地方での厳しさ」「厳しい生活条件」「一人暮らしの困難さ」など、経済的に厳しい現実が反映されていることが多くのコメントからも読み取れるでしょう。

手取り15万円の年収について

手取り15万円の年収はおおむね204万円から228万円です。

月収17万円から19万円を基に12ヶ月で計算すると、上記の年収範囲が出てきますが、実際の年収は残業の有無やボーナスの有無によって変動します。

ボーナスが支給される場合、年収は238万円から266万円程度になるでしょう。大手と中小企業では、ボーナスの支給額に差がありますが、通常は夏と冬の年2回、基本給の1ヶ月分が支給されると考えると、追加で34万円から38万円が加算されることになります。

また近年では、一律の評価から脱却し、個々の努力が評価される傾向にあるため、営業職などでは個人の成績によって年収が大きく変わる企業も見られています。

以下に具体例を示します。

手取り15万円の総支給額

東京都内の人材サービス業で働く男性の給与内訳は以下の通りです

こちらの総支給額から社会保険料、所得税、住民税を引くと、手取り額は152,100円となります。

調整手当は、基本給に加えて企業が支払う手当です。従業員間の給与バランスを調整する目的があります。このケースでは、営業職との給与差が大きいために支給されたものと考えられるでしょう。

賞与は基本給を基に計算されるため、基本給が低い場合、賞与も少なくなりがちです。この男性は業績に応じた賞与があり、年に2回で合計約20万円でした。

社会人2年目で基本給がわずかに上がったとしても、税金や社会保険料の影響で手取りが減少する場合もあります。

手取り15万円での貯金の可能性

手取り15万円でも貯金をすることは十分可能です。重要なのは生活コストをどれだけ抑えるかになります。実家暮らしの場合は家賃や光熱費がかからないため、貯金が容易です。一方で、一人暮らしの場合でも地方に住むことで貯金を行っている人もいます。

手取り15万円の場合、適正な家賃は5万円とされ、この金額以下の物件に住むことで、節約した分を貯金に回すことが可能です。

手取り15万円の給与明細についての詳細

手取り15万円を得ている人々の給与明細の詳細についてサンプルを以下にあげていきます。こちらは参考としてご覧ください。

33歳一般事務員の給与明細

月給19万円というケースでの総支給と手取りの詳細は以下の通りです。

・総支給額

・手取り額

48歳一般事務員の給与明細

月給18万円での収支内訳は次の通りです。

・総支給額

・手取り額

34歳栄養士の給与明細

月給18万円での収支内訳は以下のとおりです。

・総支給額

・手取り額

これらの例から、手取り15万円となる人の総支給額、控除額、そして実際の手取り額がどのように計算されるかが分かるでしょう。ただ、それぞれの職種や年齢によっても異なる場合がありますので、個々の状況に応じ詳細に見ていく必要もあります。

手取り15万円の職種と業界の概要

手取り15万円の給与を提供する職種は様々です。ここでは給与がこの水準に設定されている職業の一部を紹介します。職種によって地域や業界の違い、さらには経験や資格が給与に影響を与える点に留意してください。

・手取り15万円の一般的な職種と業界

これらの職業では、「残業がほとんどない」「各種手当が付かない」「地域の平均年収が低い」「肉体労働が多い（ブルーカラー）」などの条件が組み合わさると、手取り15万円となる可能性が高いです。

また、以下のような条件を持つ仕事も、手取りが15万円になりやすい傾向になります。

これらの情報を参考に、仕事探しを行う際は給与だけでなく、その他の待遇や職場環境も考慮することが重要です

手取り15万円の仕事のデメリット

手取り15万円の職業にはいくつかのデメリットが伴います。以下、その主なデメリットを四つ挙げてみましょう。

必要な物を購入できない

手取り15万円での一人暮らしでは、生活費の支払いだけで手一杯になりがちです。趣味や欲しいものにお金を使う余裕がほとんどありません。たとえば、最新のスマートフォンや趣味の活動に必要な機材など、高価なアイテムを購入することは難しくなります。このように、趣味に必要な支出も制限され、生活の楽しみが減少するため、働くモチベーションの低下にも繋がりやすいです。

貯金が困難

手取り15万円では、貯金をすることが一層難しくなります。将来的な安定や緊急時の備えとしての貯金がほとんどできないため、急な出費があった場合に困ることが予想されるでしょう。また、将来家族を持つ計画がある場合は、より多くの収入を確保するための対策が必要です。

生活が成り立たなくなるリスク

手取り15万円での生活は、常に財政的なギリギリの状態になりがちです。例えば、住宅の更新時には更新料やその他の付随費用が発生しますが、これらの費用を捻出することができない場合、住む場所に困ることもありえます。また、キャッシングやローンを利用することが増えると、その返済に苦しむことになりかねません。

様々な制約が生じる

手取り15万円の収入では、生活に必要な保険やローンの支払いにも影響が出ます。例えば、自動車や家電製品の購入時には分割払いを利用することが多くなりますが、返済計画は慎重に立てることが必要です。高額な保険料やローンの返済が負担になっている場合は、見直しを行うことが賢明でしょう。

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手取り15万円でも継続する価値のある仕事

デメリットが目立つかもしれませんが、手取り15万円の仕事でも続けるべき理由が存在します。どのような場合に継続が推奨されるかは、おおよそ次の通りです。

キャリア形成につながる場合

もし現在の職場が手取りは低いものの、キャリアアップにつながる可能性がある場合は、早期退職よりも継続を検討すべきです。例えば、エンジニアや料理人、看護師、薬剤師などの職種では、初期の給与が低くても専門スキルを習得しキャリアを築くことができます。3年から5年の勤務を経て「厳しい環境での継続力」が評価され、市場価値が高まることが期待できます。

収入向上の見込みがある場合

手取りが15万円でも、将来的に収入が上がる可能性がある職場では継続が望ましいです。例えば、地方公務員や一部の企業では初期の給与が低く設定されていても、長期的に見れば安定した昇給が見込めます。特に公務員などでは年功序列の要素が強く、年数を重ねることで自動的に給与が向上するでしょう。

職業そのものが満足できる場合

収入だけでなく、仕事そのものから満足や充実感を得られる場合も、手取り15万円でもその職に留まる価値があります。例えば、趣味を活かせる職業や、社会貢献が感じられる職業など、金銭以外の価値で報われる仕事は精神的な満足度が高いため、給与面だけでなくその他の利点も重視して判断することが重要です。

継続を決定する上での注意点

ただし、すべての手取り15万円の仕事が継続に値するわけではありません。過度なストレスや、職場環境の悪化、パワーハラスメントやセクハラが存在する場合はその限りではないです。また、自身の健康や将来の目標に照らし合わせて慎重に判断することが必要となります。最低限、一年は経験を積むことでキャリアにもつながりますが、その間に他の選択肢も常に探ることを検討してください。

手取り15万円から抜け出す方法

それでは、手取り15万円の状況を脱却するための3つの方法についてご紹介します。

昇進・昇格・昇給を目指す

まずは、現在働いている職場で昇進や昇格を目指すことが最初の取り組みとして効果的です。年齢やスキルに関係なく、昇進や昇格は可能です。自分のスキルと経験を活かし、上司や同僚から高い評価を受けることが重要になります。そのためには、現職での成果を示すことが大切です。また、スキルアップのために継続的な学習や専門的知識の向上に努めることも欠かせません。

ただし、査定時期は限られているため、早く手取り15万円から抜け出したい場合は他の方法も考慮することが必要です。

副業・ダブルワークをする

もし手取り15万円では生活が厳しい場合、副業や収入源を増やす手段も考慮してみてください。得意な分野や趣味を活かすことで収入の幅を広げることが可能です。例えば、インターネット上でのフリーランス活動やアフィリエイト広告など、柔軟な働き方も選択肢のひとつになります。

最近では在宅で仕事を探せるサービスが増えており、副業をする30代や40代も増えています。時給1000円程度のデータ入力などの仕事も豊富で、未経験者でも気軽に始められます。

ただし、通常の休息時間を使う副業やダブルワークは心身への負担が増えがちです。最初は慣れないため疲れることが多いでしょう。

ブログやインスタグラム、YouTubeで副業をしたい20代の方もいますが、最初はまったく稼げない期間があることを認識しておく必要があります。1年以上かけてコツコツ継続できる方におすすめの副業です。

また、どの地域でもコンビニや飲食店、スーパーなどのアルバイト求人は豊富なので、タウンワークやバイトル、マイナビバイトで探してみてください。人手不足の店舗は多いため、短時間の勤務希望でも歓迎されるケースが多いです。

非正規雇用から正規雇用を目指す

非正規雇用と正規雇用の間では、ボーナスが無い分手取りに差が生じることが多いです。非正規雇用で手取り15万円の状況から抜け出すには、正規雇用を目指すのも一つの手になります。自分が勤務している会社に正社員雇用制度があるかどうか、確認してみましょう。

また、他社の正社員を目指す方法もあります。

転職をする

今の仕事で手取りが低く昇給も期待できないなら、思い切って転職することをおすすめします。副業をコツコツ続けるよりも、年収が大幅にアップする可能性があります。

企業研究や面接対策など転職活動には手間がかかりますが、無料で利用できる転職サイトや転職エージェント（人材紹介会社）を使えば、条件の良い転職先を見つけられるかもしれません。

手取り15万円以上を目指す転職戦略

年収200万円（手取り15万円）から年収350万円に伸ばすのは比較的容易です。

一般的な転職エージェントが取り扱う中途採用の求人は、地方でも年収300万円以上が多数あります。東京、名古屋、大阪などの主要都市では、新卒や第二新卒でも年収300万円以上の求人が豊富です。

まずは大手の転職エージェントに無料登録し、自分に合う求人があるか確認してもらいましょう。今の職種や仕事内容でも、年収を大幅にアップできる可能性があります。