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看護師向け退職願・退職届の書き方完全マニュアル | 提出の流れや例文を解説
退職願や退職届の書き方が分からない看護師のために、作成方法を詳しく解説します。また、誰にいつ渡すべきかも含め、作成から提出までの流れを説明します。さらに、退職理由の例文やテンプレート・フォーマットもご紹介しています。
看護師が退職する際には退職願・退職届が必要
看護師として働きながら転職を考える際には、まず現在の職場に対して退職の「意思表示」が求められます。一般的には「退職願や退職届などの書類を提出する必要がある」と思われがちですが、法律上は労働者の一方的な意思表示によって退職することが可能です。この意思表示の方法としては、退職願・退職届に限らず、口頭での伝達でも問題ありません。
「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをする ことができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過するこ とによって終了する。 引用元: 民法第627条」
ただ、実際には退職の際に「言った」「言わない」でトラブルになることがあります。そのため、人事労務管理の都合上、多くの職場では書面やシステムで退職日を確認しており、就業規則で退職願・退職届の提出を義務付けていることが一般的です。就業規則に明確に記載されていない場合もありますが、トラブルを避け、互いに後腐れがないようにするためには、一般慣習に従って退職願・退職届を提出することが円満退職には重要です。
とはいえ、退職願・退職届を書く機会は看護師人生でも限られています。自分ひとりでスムーズに退職できるか不安な方は、「転職のプロ」である転職エージェントに頼るのがおすすめです。退職願・退職届の書き方はもちろん、退職を願い出る適切なタイミングや伝え方、退職願・退職届の渡し方、引き継ぎ、挨拶回り方法など、「退職の流れ」や「効果的な進め方」をアドバイスしてもらえます。円満退社を目指すなら、経験豊富なプロの力を借りるのが良いですね。
看護師が提出する退職願と退職届の違い
退職する際に職場へ提出する書類には一般的に「退職願」と「退職届」があります。ここでは、退職願と退職届の作成目的や提出タイミングの違いについて紹介します。
● 退職願と退職届を作成する目的の違い
● 退職願・退職届を提出するタイミングの違い
退職願と退職届を作成する目的の違い
退職願と退職届はどちらも退職する際に作成する書類ですが、それぞれ作成目的が異なります。
<退職願と退職届の目的の違い>
● 退職願
退職を決意した際に病院・クリニックなどの医療施設へ退職を願い出る書類。退職願は退職の意向を伝えたことを証明するための書類であり、提出しても退職が決定するわけではありません。
● 退職届
病院・クリニックなどの医療施設の退職の承認の可否を問わず、自分の退職を通告するための書類です。原則として、退職届を提出することで退職が決定するため取り消しはできません。退職願が承認された後に、正式な書面として退職届の提出を求められることもあります。
退職願は退職を決意した際に病院・クリニックなどの医療施設に退職を願い出るための書類です。「退職したいです」と打診する書類であるため、退職願だけでは明確な意思表示とみなされず、医療施設側から却下される可能性もあります。
一方、退職届は医療施設側へ提出したことが証明できれば、法律上原則2週間後(14日後)には退職することが可能となる書類です。基本的には直属の上司または人事部に提出しますが、受理されない・拒否されるなどのトラブルがある場合は、内容証明郵便などを利用して退職の意思表示を明確にすると良いでしょう。ただし、退職届は一旦提出して受理された後は、原則として撤回できません。
一般的な認識では両者の違いが曖昧になりがちですが、厳密には退職願と退職届の意味合いは異なります。違いを理解した上で作成・提出することが大切です。
なお、退職願・退職届と似たような意味を持つ書類に「辞表」があります。辞表は職場内で役職についている人がその役職を辞める際や、公務員が退職を申し出る際に使用されます。役職者や地方自治体などが運営する公立の病院などの医療施設で働いている場合は、退職願や退職届ではなく「辞表」を提出することになるので注意が必要です。
退職願・退職届を提出するタイミングの違い
退職願と退職届を提出するタイミングは、基本的に以下の通りです。
<退職願と退職届の提出するタイミングの違い>
● 退職願
退職を決意して上司である看護部長や看護師長に退職の意思を伝える時
● 退職届
上司(看護部長や看護師長など)に退職の意思を伝え、正式に退職することが決まった後
退職願は看護部長や看護師長などの上司に退職の意思を伝えるための書類であり、上司に退職の相談をするタイミングで提出します。一方、退職届は退職の事実関係を明確にするための書類で、提出後は撤回できないため、正式に退職が決まった後に提出します。
医療施設によっては事務手続き上、退職届の提出を求められるケースもあるため、提出のタイミングや書式については職場のルールに従いましょう。なお、退職の相談をしても上司から無視や拒否をされたり、強い引き止めにあって退職させてもらえない場合には、退職届を任意のタイミングで提出しても問題ありません。
退職願・退職届を適切なタイミングで提出することは、社会人としてのビジネスマナーです。円満退職を目指すためには、しっかりと段取りを確認し、手続きを進めていきましょう。
また、退職の意思表示をした後に引き留めにあったり、退職を拒否された場合でも、労働者は一方的な意思表示から2週間後に退職できる権利が認められています。ただし、これはあくまでも最後の手段とし、まずはトラブルを避けるためにも話し合いで解決することが重要です。
退職願・退職届をいつ、誰に渡すのか、渡し方はどうすればよいのかといった疑問に対してアドバイスが欲しい方は、転職エージェントを頼りましょう。毎日多くの求職者を支援している転職エージェントは、現職場の円満退職に関するノウハウを豊富に持っており、スムーズな退職を無料で支援してくれます。積極的に利用することをおすすめします。
看護師が退職願・退職届を提出して辞めるまでの流れ
看護師の退職は基本的に以下の流れで進めます。退職願・退職届の提出に対して、いつ、誰に、渡し方はどうすればよいのかと不安を感じる方は、ぜひ参考にしてください。
- 退職に関連する情報を集める
- 退職理由を整理する
- 退職スケジュールを明確にする
- 退職願を作成する
- 上司に相談して退職願を提出する
- 退職までのスケジュールを決める
- 退職届を作成する
- 仕事の引き継ぎを行う
- 職場に挨拶をして退職する
退職手続きは、原則として職場の就業規則に沿って進めます。どの病院・クリニックでも基本的な流れは同じですので、ここでは一般的な流れを紹介します。また、円満退職するための注意点も併せて紹介します。
退職に関連する情報を集める
退職交渉をスムーズに進めるためには、まず職場の就業規則を確認しましょう。転職に最適な時期や職場の繁忙期などの情報を集めることで、退職手続きが円滑に進みます。法的には労働者から一方的に退職の意思を通達すれば一定期間経過後に退職可能ですが、後々のトラブルを避けるためにも、職場のルールに従って退職手続きを進めましょう。
また、退職に合わせて転職を検討している場合、看護師の転職に最適な時期を考慮しないと、希望に合う求人が見つかりにくくなったり、職場の繁忙期で退職交渉が難航したりする可能性があります。
もちろん、看護師自身や家族の体調不良や家庭の事情など、どうしても計画通りに退職できない場合もありますが、事務手続きや引き継ぎなどを考慮すると、できる限り退職の1~2ヶ月前には退職手続きを進められると良いでしょう。
特に、看護師の仕事は患者さんの健康や命に関わるため、職場に迷惑をかける形で辞めると転職活動で印象が悪くなる可能性があります。スキルアップやキャリアアップを目指して転職を考えている場合は、余裕を持った退職手続きを心がけましょう。
病院や診療科によって若干のタイミングの違いはありますが、一般的に看護師の求人は1月、6月、9月、11月に増加する傾向があります。「求人数が多い時期=自分にピッタリの職場が見つかりやすい時期」ですので、退職後に看護師として転職を考えている場合は、転職に最適な時期を意識して活動を進めていくのがおすすめです。
<看護師の転職におすすめの時期>
○ 1月: 仕事が落ち着き、春に向けた採用活動が活発化する時期
○ 6月: ボーナス後の退職者が出て求人が増える時期
○ 9月: 人員強化に力を入れることが多く、転職がしやすい時期
○ 11月: 年明けに向けた採用活動が始まる時期
看護師の転職では、転職エージェントを活用することで希望にマッチした求人を効率的に探すことができます。日々の業務に忙しく、シフト勤務で日中に十分な時間が取れない場合でも、経験豊富なキャリアアドバイザーが求職者一人ひとりに寄り添いながら、最適な支援を提供してくれます。
特に、看護師向けの転職エージェントであれば、看護師経験のあるキャリアアドバイザーも多く在籍しています。看護師の職場や転職事情に精通しており、転職や退職交渉に関する相談もしやすいので、気になることがある方は積極的に活用していきましょう。
退職理由を整理する
看護師が今の職場を退職するためには、看護部長や看護師長などの上司に退職の意思を伝えるとともに、なぜ退職するのかを説明する必要があります。そのため、退職理由をすぐに答えられるように、なぜ退職しようと思ったのかを整理し、あらかじめ退職理由を明確にしておくことが大切です。
なお、上司に相談する際は、人間関係・仕事内容・待遇など、病院側で改善できる余地のある理由だと「不満要素を改善するから辞めないでくれ」と引き留められる口実となってしまい、引き止められる可能性があります。また、不平不満を伝えるだけでは上司の気分を害してしまい、何の得にもなりません。
退職理由はあくまでも個人的な理由を伝え、できる限り引き止めづらい内容にするようにしましょう。
<引き止めづらい退職理由>
● 他の分野や職場で経験を積みたいから
● 希望のキャリアや働き方を実現するため
● 既に転職先と入職時期が決まっているから
● 出産・育児がしやすい環境で働きたいから
● 介護のために引っ越す必要があるから
● 体調不良で勤務を継続できないため
退職スケジュールを明確にする
退職手続きをスムーズに進めるために、退職日から逆算してスケジュールを立てましょう。退職交渉を円滑に進めるためには、病院側が余裕を持って引き継ぎや人材の補填ができるよう配慮する必要があります。体調不良などのやむを得ない事情を除き、1~2ヶ月前には退職意思を伝えられると良いでしょう。
退職スケジュールを立てる際には、希望する退職日までに退職するために必要な手続きや引き継ぎ期間などを洗い出し、客観的に整理することが重要です。また、転職先を決めてから退職手続きをしたい場合は、転職活動の期間も考慮してスケジュールを立てる必要があります。
一般的に、転職活動開始から内定を得るまでの期間は人によって異なりますが、平均で2~3ヶ月程度です。退職スケジュールを立てる際には、退職手続きに必要な期間だけでなく、転職活動に必要な期間も考慮して計画を立てていきましょう。
転職活動や退職手続きのスケジュールを立てる際には、以下を意識しておくと最適なスケジュールを立てやすくなります。ぜひ参考にしてください。
<退職スケジュールの作成で意識すること>
● 就業規則に則った退職通告時期
● 引き継ぎ資料の作成にかかる時間
● 引き継ぎ業務に必要な期間
● 転職活動に必要な期間
● 職場の繁忙期や転職に最適な時期
● 退職の相談をしてから承認されるまでの期間
退職願を作成する
退職スケジュールを作成したら、上司に相談する際に提出するための「退職願」を作成します。口頭で退職意思を伝えることも可能ですが、「言った」「言わない」といったトラブルになる恐れがあります。また、形として示すものがなければ退職の希望を取り合ってもらえない可能性もあります。
そのため、退職意思を伝える際は口頭だけでなく、書面を作成して形に残るものを用意しましょう。
上司に相談して退職願を提出する
退職願を作成したら、看護部長や看護師長など直属の上司に相談の場を設けてもらい、退職を希望している旨を伝えます。退職はデリケートな話なので、できるだけ二人きりで落ち着いて話せる環境を整えることが重要です。
このとき、直接的に「退職について話したい」と伝えると、退職させないために意図的に時間を作らない可能性もあります。いきなり辞めたい旨を伝えるのではなく、「少しお話があるのですが」や「ご相談があるので、お時間をいただけますか」などと伝えて、時間を確保してもらいましょう。
また、退職理由はポジティブに言い換えて伝えることも重要です。現在の職場環境に不満があった場合でも、「今後はこんな仕事をしていきたい」という前向きな気持ちを正直に伝えるのがおすすめです。
どのような退職理由であっても、円満退職のためには「今までお世話になったのですが」と、まずは上司や会社を敬うクッション言葉を挟みましょう。
上司が忙しく、どうしても相談の時間をとってくれない場合は、先に退職願を提出し、やや強引にでも上司との相談の場を設けることもできます。また、退職願を提出しても承認されない場合や、退職願は受け取ってもらったのに話が一向に進まない場合には、どのように対応すれば良いか、経験豊富な転職エージェントに相談してみるのも良いでしょう。
退職までのスケジュールを決める
上司に退職意思を伝え、退職願を提出したあとは、退職までの具体的なスケジュールを相談します。退職までのスケジュールについて話をする際には、いつまでに退職したいのかを明確に伝えることが重要です。退職希望日をベースに、引き継ぎや事務手続きにかかるスケジュールを上司と話し合いながら整理しましょう。
また、退職にあたって職場に迷惑がかからないよう配慮しているかどうかで、上司からの印象は大きく変わります。職場の状況を踏まえ、引き継ぎの進め方やスケジュールに対する考えをしっかりと説明することが大切です。
さらに、自分しか担当できない業務がある場合、引き継ぎに時間がかかることも想定しておきましょう。自身の業務内容と引き継ぎ内容を整理し、引き継ぎ資料やチェックリストを作成しておくと、希望する退職日で退職しやすくなります。
退職届を作成する
上司に退職意思を伝え、院長からの承認が降りて退職日が決定したら、正式に退職する旨を伝えるための退職届を作成します。退職届の提出方法は職場の就業規則やルールで決まっていることが多いので、退職届の作成方法や渡し方はあらかじめ調べておきましょう。
また、退職届を提出するまでに、引き継ぎや有休消化に関する確認、そして人事部に雇用保険・離職票・退職証明書の発行などの手続きを行う必要があります。退職日までに必要な作業が漏れなく完了するよう、早い段階で確認しておくことが大切です。
仕事の引き継ぎを行う
退職日が決まった後は、上司と決めたスケジュールに沿って仕事の引き継ぎを進めます。引き継ぎの際は、まず業務内容を洗い出し、引き継ぎ資料やマニュアルとして整理しましょう。具体的には、以下の内容を意識して作成してください。
● 担当業務の一覧を作成し、参照しやすくする
● 業務の概要、詳細、共有事項を漏れなく書く
● 特殊な作業には具体的な作業工程や注釈も書く
● 誰が見ても手順が理解できるように作成する
● 何かあったときの確認先や問い合わせ先も記載する
また、実際に引き継ぎを行う際は、引き継ぎ相手に退職日と引き継ぎ期間を伝えたうえで、業務を滞りなくこなせるようになるまでしっかりとフォローすることが重要です。引き継ぎをする際には一方的に話すのではなく、こまめに理解度を確認しながら、丁寧に情報を共有していきましょう。
職場に挨拶をして退職する
仕事の引き継ぎや退職に関連する情報の確認が終わったら、退職することを同僚や関係者に伝えます。退職の際には全体に挨拶をすることも多いですが、できる限り一人ひとりに挨拶し、今までの感謝などのポジティブな言葉を伝えましょう。
退職理由は「一身上の都合で退職する」と伝えて問題ありませんが、職場での印象的だったことや特に感謝したいことを中心に話すと、より良い印象を残すことができます。ただし、仕事中の挨拶の場合は業務を止めて対応してもらっているので、あまり長くならないように端的に話すことも大切です。
看護師が退職願・退職届を提出する前に確認すること
看護師が退職願・退職届を提出する際には、あらかじめ以下の点を確認しておきましょう。
● 就業規則の退職に関する項目
● 有休消化に関すること
● 年金や税金などの公的な手続きについて
退職時には就業規則をしっかりと確認しておくことが大切です。ルールに従い、トラブルなく退職できるよう準備をしておきます。また、有休消化や雇用保険などの事務手続きや引き継ぎも必要になるため、退職を決めたら早い段階で確認しておきましょう。
就業規則の退職に関する項目
就業規則には「退職する際には1ヶ月〜3ヶ月前に告知すること」などの規則やルールが記載されていることが多いです。手続きの仕方や時期など、あらかじめ就業規則の関連項目を確認しておきましょう。
特に、退職時期は職場の特性に合わせて、引き継ぎ期間や人材募集の期間を考慮して設定されていることが多くあります。自分の都合で退職希望日を伝えても、業務に支障が出ることを理由に退職希望を拒否される恐れもあるため、事前確認が重要です。
看護師の職業柄、チームで一緒に働く看護師や担当の患者さんのケアなど、退職による影響を最小限にするための十分な配慮が必要です。実際に、就業規則や雇用契約書の中で「引き継ぎを実施したうえで退職すること」といった内容が記載されていることもあるので、就業規則や雇用契約書を基に、引き留めに合わないよう事前によく確認しておきましょう。
とはいえ、初めての退職で流れがよく分からず、スムーズに進められるか不安に感じる人も多いのではないでしょうか。円満退職のためにも、退職に悩む多くの看護師を支援してきた実績を持つ転職エージェントにアドバイスをもらうのが良いでしょう。
有休消化に関すること
「退職するのに有給をもらうなんて」と後ろめたさを感じる人は多いですが、有給休暇は労働者に与えられた権利であり、退職日までは自由に取得することが可能です。ただし、「引き継ぎが長引いて有給休暇がとれない」「そもそも有給休暇があることを忘れていた」「退職に合わせてすべて消化したつもりが、実は残っていた」などの事態にならないよう、退職日までに希望通り有給消化ができるように、上司を含めて早めに調整しておくことが重要です。
退職前に有給消化をするパターンとしては、大きく以下の2通りがあります。
● 最終出社日の前に有給休暇をとる場合
● 最終出社日の後に有給休暇をとる場合
どちらにもメリット・デメリットがあるため、自分や職場の都合に合わせて選択しましょう。どちらを選択した場合でも、周囲が不安にならないように、あらかじめスケジュールを共有することが重要です。
有給消化しづらい雰囲気があったり、仕事が忙しくて取れなかったりして、希望通りに有給消化ができない人も多いですが、有給休暇の取得は労働者の権利であり、取得させるのは病院側の義務です。必要以上に後ろめたく感じる必要はありませんが、気持ちよく退職できるように、周囲とコミュニケーションを取りながら有給消化の計画を立てると良いでしょう。
年金や税金などの公的な手続きについて
退職にあたって必要な公的手続きは、基本的には職場から案内される内容に従って進めれば問題ありません。ただし、退職後すぐに転職するのか、退職後にゆっくり転職先を探すのかといった条件によって必要な手続きが異なるため、漏れがないように進めましょう。
● 年金
● 税金
● 健康保険
● 雇用保険
退職後に次の転職先に入職するまでに期間が空く場合は、失業給付金などの手当を受けられます。住所地を管轄するハローワークに必要な書類(離職票など)を持参のうえ、給付の手続きを行います。病院都合による退職の場合は7日間の待期期間後に手当が支給されますが、自己都合退職の場合はさらに2〜3ヶ月間の給付制限期間経過後に失業給付金が支給されます。
失業給付金は再就職の意思があり、求職の手続きをしている人を対象に給付されます。退職後に再就職する意思がない人や、ケガや病気、妊娠・出産などですぐに就職できない人は対象外となるので注意しましょう。
退職願・退職届を書く際に用意するもの一覧
病院によっては退職届などの書類が統一書式として準備されていることが多いので、職場のルールに従って退職願・退職届を提出しましょう。一方で、決められた書式がない場合は、退職に関する要件を漏れなく記載した書類を作成します。
○ 封筒の形式
改まった用件では白無地で二重封筒のものが望ましいです。退職願・退職届は手渡しすることが一般的です。基本的には郵便番号枠があるものは避け、無地の封筒を使用しましょう。
○ 便箋の大きさ
A4便箋(長形3号)は比較的用意しやすいのでおすすめですが、B5便箋(長形4号)でも問題はありません。
○ 筆記用具
黒いボールペンか万年筆が望ましいです。油性・水性は問いません。また、筆ペンやマジック、サインペンは文字が目立ちすぎるので避けましょう。
○ 透明なクリアファイル
提出するまでは汚れなどを防ぐためにクリアファイルに保管しておきましょう。また、提出時はクリアファイルから出して渡します。
退職願・退職届には厳密なルールはありませんが、非常識な印象を避けるためにも、慣例に従って対応するのが望ましいです。退職願・退職届を作成する際の参考にしてみてください。
看護師が退職願・退職届を提出する際に直面するトラブル
看護師は退職を考えていても、繁忙期の場合には簡単に退職できませんし、人手が不足している状態では引き止められることもあります。実際に以下のようなトラブルが発生する職場もあるので注意が必要です。
● 相談しても退職願・退職届を受理してもらえない
● 退職について相談すると強く引き止められる
● 理由をつけて退職時期が引き延ばされてしまう
相談しても退職願・退職届を受理してくれない
看護師が退職を相談しても、退職願・退職届を受理してもらえずに退職できないというトラブルがあります。
具体的には、退職願を提出しても、忙しいから承認できないと言われたり、何らかの理由をつけて受取を拒否されたりするケースが見られます。
このケースの対処法としては、まず就業規則を確認し、「退職日の○ヶ月前に申し出ること」といった退職の意思表示の期間が記載されていないか確認します。ルールに従って退職願・退職届を提出しているかどうかも確認しましょう。
その上で、上司と対話する時間を設け、退職の意思を明確に伝えましょう。上司が忙しそうだからと遠慮していると、退職の機会が先延ばしになってしまいます。
まずは2人きりで落ち着いて話ができる時間と環境を用意し、はっきりと退職の意思を伝えることが重要です。
なお、期間の定めのない雇用契約においては、退職は労働者の自由であり、退職の意思を伝えてから一定期間経過後に退職することができます。
退職願・退職届がいつまでも受理されない場合には、上司のさらに上司に相談する、内容証明で退職届を提出する、労働基準監督署に相談するなどの対処方法も検討しましょう。
退職について相談すると強く引き止められる
退職理由が仕事内容・待遇・人間関係など、職場の対応次第で改善できる場合には、退職の相談をしても逆に改善提案をされて引き止められるトラブルがあります。
特に職場で重要な役割を担っている人や優秀な看護師ほど、退職による病院への悪影響を懸念され、強く引き止められる可能性があります。
また、看護師としての経験年数が短く、退職後のキャリアが心配で純粋に退職者の将来を考えて引き止めるケースや、退職希望者の情に訴えかけるケース、辞めるなら業務に支障が出るから訴えるといった脅しを受けるケースもあります。
どのケースでも、なんとか病院に残ってもらうための提案や声かけがされることになるので、スムーズに退職するには上手く引き止めを交わすことが重要です。
たとえば、「しばらくゆっくりしたい」「近々退職したいのですが・・・・・・」といった曖昧な言い回しや、決め手に欠ける理由は、病院側が引き止める口実になりやすいです。
引き止めにくい退職理由を整理したうえで、「○○月までに退職したい」と明確に退職の意思を示し、具体的な日程や引き継ぎの方法などを相談するという意識を持ちましょう。
あまりにも強く引き止められていて、一人ではスムーズに退職できない場合は、迷わず周囲に助けを求めましょう。
もちろん、転職のプロである転職エージェントも、一人ひとりの事情に寄り添いながら的確なアドバイスを提供してくれます。
理由をつけて退職時期が引き延ばされてしまう
退職について相談した際に、「繁忙期が終わるまで」「新しい人が入るまで」「新人が一人前に育つまで」など、さまざまな理由をつけて退職時期を引き延ばされるトラブルがあります。
もちろん、職場の状況的に今すぐ辞めると迷惑がかかる場合もありますが、退職願は受理するものの、退職時期をはぐらかしながら引き延ばし、結果的に退職させないケースもあります。
何らかの理由をつけて退職時期を引き延ばそうとされる場合、その理由に妥当性があるのか、明確な期限をつけてもらえるのかを確認することが重要です。
曖昧にされそうな場合は、日付を指定して退職届を提出することも検討しましょう。
そのほか、転職先が決まるまで残ってほしいと言われ、その上で仕事量を増やされ転職活動が進められない状態にされるケースもあるようです。
退職に合わせて転職を考えている場合は、早めに転職活動を始め、転職先が決まってから退職交渉をするのが望ましいです。
転職する際には、看護師向けの転職エージェントを活用すると効率的に転職活動を進めることができます。キャリアや退職に関する相談もできるので、積極的に活用していきましょう。
看護師が職場を円満に退職するためのポイント
円満に職場を退職するためには、職場への配慮が欠かせません。たとえば、以下のポイントを押さえながら退職を進めると、スムーズに進行します。
● ポジティブな退職理由を伝える
● 引き止められても退職理由を誠心誠意伝える
● 退職の意思はできるだけ早く伝える
● 受け入れてもらいやすい退職希望日を伝える
● 後任への引継ぎは完璧に行う
● 提出書類の期限を守る
家庭の事情や体調の理由など、すぐに退職する必要がある場合を除き、余裕を持って退職の手続きを進めましょう。
退職する理由はさまざまですが、前向きな気持ちで新しい生活をスタートさせるためには円満退職が重要です。紹介したポイントを押さえて、スムーズに退職できるようにしましょう。
看護師の退職交渉が上手くいかない場合はプロに相談するのがおすすめ
希望条件にマッチする転職先が見つかったとしても、現在の職場との退職交渉がうまく進まないと、入社日までに退職が間に合わない可能性があります。
特にはじめての退職となると、「退職する旨を上手く伝えられるか?」「退職願・退職届はどう作成するのか?」「渡し方は?」「引き止めに合ったらどうかわすのか?」などと、スムーズに退職できるのか不安に感じるかもしれません。
この記事で紹介した退職の流れやポイントを押さえたとしても、上手く退職交渉が進まない場合は、転職エージェントを活用するのがおすすめです。
多くの看護師を支援してきたキャリアアドバイザーに、退職交渉のコツや進め方などを相談できます。
少しでも転職活動に関する不安がある人は、転職エージェントの活用も検討してみてください。
看護師の退職(退職願・退職届)に関するよくある質問
最後に、看護師の退職(退職願・退職届)に関するよくある質問をまとめました。
● 退職願と退職届の違いは何ですか?
● 退職願・退職届は誰にいつ提出すれば良いですか?
● 退職願・退職届の提出から退職までの流れはどうなっていますか?
● 退職願・退職届が受理されないのですが、どうすれば良いでしょうか?
● 退職する際には、どのタイミングで転職活動を始めれば良いのでしょうか?
● 退職や転職について、誰に相談するのが良いでしょうか?
退職願と退職届の違いは何ですか
看護師
退職願と退職届の違いって何ですか?
回答
退職願は、退職を決意した際に病院へ退職を願い出る書類であり、退職届は病院の承認を問わず、自分の退職を通告するための書類です。
退職願はあくまで意向を伝えるための書類なので、提出しても退職が決定するわけではありません。
一方、退職届は退職を決定するためのものであり、原則として取り消しはできない点に注意しましょう。
退職願・退職届は誰にいつ提出すればいいですか
看護師
退職願・退職届は誰にいつ、どのタイミングで提出すればいいのでしょうか?
回答
基本的には、退職願・退職届は直属の上司に提出するのがマナーです。
就業規則に記載があったり、上司が取り合ってくれない場合には、上司のさらに上司や人事部に提出するケースもあります。
退職願を渡すタイミングは、上司に退職の意思を伝えるときで、退職届は正式に退職することが決まったあとに提出します。
退職願・退職届の提出から退職までの流れはどうなっていますか
看護師
退職願・退職届の提出から退職までの流れはどうなっているのでしょうか?
回答
退職願・退職届の提出から退職までは、基本的に以下の流れで進めていきます。
- 退職に関連する情報を集める
- 退職理由を整理する
- 退職スケジュールを明確にする
- 退職願を作成する
- 上司に相談して退職願を提出する
- 退職までのスケジュールを決める
- 退職届を作成する
- 仕事の引き継ぎを行う
- 職場に挨拶をして退職する
退職願・退職届が受理されないのですがどうすればいいでしょうか
看護師
上司に相談しても退職願・退職届が受理されないのですが、どうすればいいでしょうか?
回答
上司に相談しても何かしらの理由で退職願・退職届が受理されない場合は、上司のさらに上司や人事部に相談してみましょう。
それでも取り合ってもらえない場合には、内容証明で退職届を送ってから、相談の場を設けて交渉していくのが確実です。
退職する際にはどのタイミングで転職活動を始めればいいのでしょうか
看護師
退職する際にはどのタイミングで転職活動を始めればいいのでしょうか?
回答
基本的には、退職前に転職活動を進めるのがおすすめです。
退職してから転職活動をすると収入が途切れる可能性があり、ブランクが発生することも考えられるので、働きながら転職活動を進めましょう。
また、退職について相談する際には、内定先が決まっているほうが期限が明確なので、スムーズに話を進めることができます。
転職活動から退職交渉までトータルでサポートしてもらいたい場合は、看護師の転職に熟知した転職エージェントや転職サイトを活用するのがおすすめです。
転職活動を無料で、トータルにサポートしてもらえます。
退職や転職について誰に相談するのが良いでしょうか
看護師
退職や転職について誰に相談するのが良いでしょうか?
回答
看護師が退職や転職について相談するのであれば、看護師向けの転職エージェントを活用するのがおすすめです。
看護師向けの転職エージェントには、看護師経験のあるキャリアアドバイザーが在籍しており、一人ひとりの状況をヒアリングしたうえで最適なアドバイスを提供してくれます。