Cookieに同意するとどうなる?仕組みや危険性、同意しない方法について解説!

監修者

佐藤 祐介
佐藤 祐介

株式会社LIFRELL代表取締役。大手代理店、株式会社オプト、電通デジタルの2社でアカウントプランナーを経験。その後、株式会社すららネットでインハウスマーケターとして事業の立ち上げからマザーズ上場水準まで事業を伸長させる。マーケティング戦略の立案からSEO/WEB広告/SNS/アフィリエイト等の施策で売上にコミット。

専門家

深瀬 正貴
深瀬 正貴

Yahoo株式会社 法人マーケソリューション出身。 鎌倉の海のそばでオフィスFHを運営。 リスティングやSEOをはじめとしたデジタルマーケティングで100社以上の売り上げ課題を解決。
最近の趣味はブームに乗っかったように見えてしまう「焚き火ごはん」。

目次

「Cookie」という言葉、ウェブサイトを利用する上でよく出てきますが、詳細はご存知でしょうか?


今回の記事では、そんなCookieについて分かりやすく解説します。

同意するとどうなるのか、気を付けるべきことについてまで、詳しくお伝えします。
ウェブサイトを利用する際に、この記事を参考にして、よりスムーズに、そして安全に利用してください。

Cookieとは

まず最初に、Cookieとは何かをわかりやすく解説します。

Cookieとはそもそもなに?

Cookie(クッキー)とは、ウェブサイトがユーザーのブラウザに保存する小さなテキストファイルのことです。

これにより、ウェブサイトはユーザーの訪問履歴や設定、ログイン情報などを記録し、次回訪問時にこれらの情報を利用してユーザーに最適化されたコンテンツを提供することができます。

よく、キャッシュ(cache)と混同されがちですが、キャッシュは「画像などのデータを PCなどに保存してWebの読み込みスピードを早くする」ための保存データのことです。

Cookieの方が個人情報を扱っているため、セキュリティの重要度は高いと言えるでしょう。

なぜ「Cookieに同意する」というポップアップが出てくるの?

「Cookieに同意する」というポップアップが表示されるのは、一部の国や地域ではウェブサイトがユーザーのプライバシーを保護するための法的要件として、Cookieの使用について明確な同意を求めることが義務付けられているためです。

例えば、欧州連合(EU)では、一般データ保護規則(GDPR)が適用され、ウェブサイトはユーザーの同意を得てからCookieを使用しなければなりません。

海外でECをする際にCookieの同意を求めなければいけない理由

海外からもアクセス可能なECサイトを運営する場合、さまざまな国や地域からのアクセスがあります。そのため、それぞれの国や地域におけるデータ保護法やプライバシーに関する規制に適切に対応することが重要です。

これにより、法的トラブルを避けるだけでなく、ユーザーに安心してサービスを利用してもらえる環境を整えることができます。

一部の国や地域では、ウェブサイトがCookieを使用するにはユーザーの同意が必要とされています。EUのGDPRやカリフォルニア州のカリフォルニア消費者プライバシー法(CCPA)のようなデータ保護法を遵守することで、罰金や制裁を回避できます。

法令遵守に関する具体例として、以下に2つの主要なデータ保護法を紹介します。

事例1.一般データ保護規則(GDPR)


GDPRは、2018年5月25日から適用されている欧州連合(EU)のデータ保護法です。
この法律は、EU域内のすべての企業や組織に適用されるだけでなく、EU市民の個人データを処理する世界中の企業や組織にも適用されます。


GDPRは、データ主体(ユーザー)のプライバシーを保護するために、データ処理者やデータ管理者に対して厳格なルールを定めています。

GDPRにより、ウェブサイトはCookieを使用する前に、ユーザーに対して明確で分かりやすい言葉でその目的を説明し、同意を得る必要があります。
また、ユーザーはいつでも自分のデータを削除または取り出す権利を持っています。

違反があった場合、最大で年間売上高の4%または2,000万ユーロ(いずれか高い方)の罰金が科される可能性があります。

事例2.カリフォルニア消費者プライバシー法(CCPA)


CCPAは、2020年1月1日から適用されているアメリカ・カリフォルニア州のデータ保護法です。この法律はカリフォルニア州の消費者に関する個人情報を収集、処理、販売する企業に適用されます。また、カリフォルニア州外の企業でも、カリフォルニア州の消費者データを処理する場合は遵守が求められます。

CCPAにより、ウェブサイトはユーザーに対して、Cookieを含む個人情報の収集・使用・販売についての情報を提供し、ユーザーが拒否する権利を持つことを明示しなければなりません。また、ユーザーは自分のデータを削除する権利も持っています。

違反があった場合、最大で2,500ドル(無過失時)から7,500ドル(故意違反時)の罰金が科される可能性があります。

これらの法令は、ウェブサイトやECサイトがユーザーのプライバシーを尊重し、適切なデータ管理を行うことを求めています。これらの法令に遵守することで、企業はユーザーからの信頼を得られるだけでなく、法的トラブルや罰金を回避することができます。

Cookieの種類

Cookieには主に2つの種類があります。

ファーストパーティ

ファーストパーティCookieは、ユーザーが訪れたウェブサイトによって生成され、同じドメインに保存されます。


これらのCookieは、ウェブサイトの基本的な機能やユーザーの設定、ログイン情報などを管理するために使用されます。


ファーストパーティCookieは、ウェブサイトが提供するサービスを向上させる目的で使用されるため、プライバシーに関する懸念が比較的少ないとされています。

サードパーティ

今回問題になるのはこちらのサードパーティーになります。

サードパーティCookieは、訪れたウェブサイトと異なるドメインによって生成されるCookieです。


これらのCookieは主に、広告会社や解析ツールなどの外部サービスが使用されています。サードパーティCookieを利用することで、ユーザーの閲覧履歴や興味を把握し、パーソナライズされた広告やコンテンツを表示することが可能になります。


ただし、プライバシーに関する懸念が高く、一部のブラウザやユーザーはこれらのCookieをブロックする設定を選択することがあります。

※Googleは、 2024 年半ばからのサードパーティ Cookie の段階的廃止を宣言し、「サードパーティ Cookie の終了に向けて準備を確実に整えておくための作業」について説明しています。

Cookieを使用するのメリット

Cookieは、インターネットの利便性や効率性を高めるために役立ちます。ユーザー側とサイト運営者側の両方にメリットがあります。

ユーザー側

ユーザーにとって、Cookieがもたらすメリットは以下の通りです。

快適にブラウザを利用できる

Cookieはユーザーの設定や選択を記憶し、再訪時に同じ設定を適用することで、快適なブラウジング体験を提供します。

Skyscannerのような旅行予約サイトでは、Cookieを使用してユーザーの言語や地域設定を保持し、次回アクセス時に同じ言語や通貨でサイトが表示されるようになります。

自分の興味にあったコンテンツが見れる

ユーザーの興味や行動に基づいて、パーソナライズされたコンテンツや広告が表示されます。

これにより、ユーザーは自分に適した情報を効率的に得ることができます。例えばNetflixのような動画配信サービスでは、ユーザーが過去に視聴した映画やドラマのジャンルや嗜好に基づいておすすめコンテンツが表示されます。

ログイン時の手間が省ける

Cookieを使用することで、ユーザー名やパスワードの入力回数が減り、ログインがスムーズになります。SNSサイトやオンラインショッピングサイトで、ユーザー名やパスワードを毎回入力しなくても、Cookieによりログイン情報が保存されるため、簡単にログインできます。

ショッピングカートの内容を維持できる

オンラインショップで商品をカートに追加した情報を記憶し、後から続けて購入できるようにします。Amazonのようなオンラインショッピングサイトでは、Cookieを使用してユーザーが選択した商品をショッピングカートに保存し、他の商品を見てからでもカート内の商品を購入することができます。

サイト運営者側

サイト運営者にとって、Cookieがもたらすメリットは以下の通りです。

ユーザー行動の追跡と分析ができる

Cookieはユーザーの行動データを収集することで、サイトの利用状況を把握し、改善点を見つけることができます。


サイト運営者は、Cookieを通じてユーザーがどのページを訪れ、どの記事を読んだかを把握し、ウェブサイトのデザインやコンテンツの改善に役立てます。

ターゲット一人一人に合ったマーケティングが容易になる

ユーザーの興味や行動に基づいて適切な広告を表示し、効果的なマーケティングを行うことができます。


Google AdSenseなどの広告配信サービスは、Cookieを使用してユーザーの検索履歴や閲覧履歴に基づいた広告を配信し、広告がユーザーの関心に合致する確率を高めます。


これにより、広告のクリック率やコンバージョン率が向上し、広告主とサイト運営者の収益も増加することが期待されます。

ユーザーをセグメント化できる

ユーザーの属性や行動に基づいてセグメント化し、ターゲットに合わせたコンテンツやプロモーションを展開することができます。

効果的なA/Bテストができる

異なるデザインやコンテンツをユーザーに表示し、どちらが効果的かを評価することができます。これにより、最適なウェブサイトの改善を行うことができます。

Cookieに同意する危険性について

Cookieに同意することには、いくつかの危険性が伴うことがあります。主に、個人を特定できる可能性や不正利用のリスクが考えられます。

個人を特定できる

Cookieを利用することで、ウェブサイトはユーザーの行動データや設定情報を収集できます。これらの情報は通常匿名でありますが、特定の条件下では個人を特定することができる場合があります。


例えば、複数のウェブサイトから収集されたデータを組み合わせることで、ユーザーのプロフィールを特定できることがあります。これは、プライバシー侵害につながる可能性があるため、懸念される点です。

不正利用の可能性がある

Cookieは、第三者によって不正利用されることがあります。特に、サードパーティCookieの場合、ユーザーが訪れたウェブサイトと異なるドメインによって生成されるため、悪意のある第三者がユーザーの情報にアクセスするリスクがあります。

不正利用の一例として、クロスサイトスクリプティング(XSS)が挙げられます。これは、攻撃者がウェブサイトに悪意のあるスクリプトを埋め込み、ユーザーのCookie情報を盗み出す手法です。


また、広告会社や解析ツールが提供するサードパーティCookieは、ユーザーのプライバシーを侵害する可能性があるため、注意が必要です。

また、個人のパソコンではなく共有のパソコンを利用する際には、Cookieの同意はしない、シークレットモードを利用するなど対策を立てましょう。

これらのリスクを回避するために、ユーザーはブラウザの設定でサードパーティCookieをブロックしたり、プライバシー保護機能を利用したりすることができます。


また、ウェブサイト運営者は、セキュリティ対策を適切に実施し、ユーザーのプライバシーを保護することが重要です。Cookieの設定確認については後ほどご説明します。

Cookieに同意しないとマーケティングはできなくなるの?

Cookieに同意しない場合、以下のような状況が生じることがあります。

これまでのCookie利用のWeb解析と、新しいCookie非依存のGA4

これまで、ウェブ解析ではCookieを使用してユーザーの行動や属性を追跡し、アクセス解析を行っていました。しかし、プライバシー保護の強化や法規制の変更に伴い、Cookieを使用しないでアクセス解析ができる新しい方法が求められています。

Google Analytics 4(GA4)は、その新しい方法の1つです。GA4は、Cookieに依存せずにユーザーの行動を追跡することができます。これにより、ユーザープライバシーを尊重しつつ、効果的なアクセス解析が可能になります。

GA4の主な特徴は以下の通りです。

  1. Cookie非依存の解析: GA4は、Cookieを使用しないでユーザーの行動を追跡するため、プライバシー保護の観点から優れています。また、Cookieを使用しないため、法規制の影響を受けにくくなります。
  1. イベントベースの追跡: GA4は、イベントベースの追跡システムを採用しており、ユーザーの行動をより正確に把握することができます。これにより、より効果的なマーケティング戦略の策定や、ユーザーエクスペリエンスの改善が可能になります。
  1. AI(人工知能)を活用した予測分析: GA4では、AIを活用してユーザーの行動を予測し、将来のトレンドを分析することができます。これにより、効果的な戦略の立案や、予測をもとにした施策の展開が可能になります。

GA4を使用することで、Cookieを利用せずにアクセス解析ができるため、法規制やプライバシー保護の観点から心配する必要はありません。また、GA4は、これまでのGoogle Analyticsとは異なる機能や分析手法を提供しており、より効果的なウェブ解析が可能になります。

個人情報を守るには定期的にCookieの設定を確認する

一部のウェブサイトでは、Cookieの同意を求めるポップアップが表示されることがあります。


Cookieを拒否すると、そのウェブサイトを訪れるたびに同意要求が表示されることがあります。誤ってCookieを「同意する」ボタンを押してしまってもあとで変更が可能です。

また、Cookieがうざいと感じる場合は、ブラウザの設定でサードパーティCookieをブロックしたり、特定のウェブサイトからのCookieのみを許可するように設定することができます。

ただし、これによって一部のウェブサイトの機能が制限される可能性があることを理解しておくことが重要です。

Cookieの設定を確認する方法は、使用しているウェブブラウザによって異なります。主要なウェブブラウザごとの設定方法を以下に説明します。

  1. Google Chrome
    • ブラウザの右上にあるメニューアイコン(3つの点)をクリックして、ドロップダウンメニューを開きます。
    • 「設定」をクリックします。
    • 左側のメニューで「プライバシーとセキュリティ」をクリックします。
    • 「Cookieとサイトデータ」をクリックします。
    • ここで、Cookieに関する設定を変更できます。
  2. Apple Safari (macOS)
    • メニューバーの「Safari」をクリックし、「環境設定」を選択します。
    • 上部のタブから「プライバシー」をクリックします。
    • ここで、Cookieに関する設定を変更できます。

これらの手順に従って、各ウェブブラウザでCookieの設定を確認・変更することができます。

Cookieの仕組みを理解して安全にWebサイトを閲覧しよう

この記事では、Cookieとは何か、Cookieに同意するとどうなるのかについてご紹介しました。
個人情報保護法に基づき、同意取得のためのCookieヘッダーバナーや同意ボタンが必要になります。
Cookieを利用する際には、特に共有のパソコンを使う場合には十分に注意しましょう。

一歩間違えると、デバイスに保存しているログインID、パスワード、カード情報などが盗まれるリスクがあります。

Cookieの意味をしっかりと理解し、安全なブラウジングを楽しんでください!

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