マーケティング用語で「ペルソナ」という言葉を耳にする機会があります。
ターゲットを決めるだけではなく、ペルソナを設定してマーケティングを進めるケースが多くなっております。
そもそもなぜこのペルソナを設定する必要があるのでしょうか?
マーケティングのペルソナを設定する意味と、ペルソナ設定のメリットや注意点について解説いたします。
ペルソナとは?
ペルソナとは「自社製品・サービスを利用する理想の人物像」のことを指しています。
20代男性、といったような抽象的な人物像ではなく、年齢、性別、居住地、職業、役職、年収、趣味、特技、価値観、家族構成、生い立ち、休日の過ごし方、ライフスタイルなど、まるで履歴書のような詳細情報を設定します。
ペルソナを設定するメリット
メリット1. チーム全体で共通した人物像を持てる
自社にとって理想のユーザー像は、部署によって変わってきます。
例えば、制作の部署は「意見をくれるお客様」で営業担当は「何度も購入してくれるお客様」となり、全く違った理想像が存在するのです。
デザイナー・企画・製品開発など、目的の違う部署によって、全体の共通共通言語が必要となります。
メリット2. ユーザー視点の開発ができる
作り上げたペルソナは何を求めているのでしょうか。
ペルソナのニーズを満たす製品を開発することで、完成度をより高めることができます。
ペルソナ設定の際の注意点
では逆に、注意点はなんでしょうか?
ペルソナは「うちの顧客はおそらくこのような人物だ」といったように想像で作成したり、主観で作成してはいけません。
実際に狙っているターゲットと違った人物像が出来上がってしまいます。
そのためには、既存顧客のユーザーアンケートをはじめとする情報収集を行うことが重要です。
ペルソナ作成の4ステップ
STEP1. ターゲットを決める
まず、STP分析でターゲットを明確にします。
セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングで、自社の立ち位置、価値、ターゲットを明確にする方法です。
既存顧客の中から一番厚いユーザー層を元にターゲットを設定します。
例えば、牛丼を食べるユーザーは30代男性も、20代女性もいます。
自社の主要顧客はどこなのか、をまず明確にしましょう。
STEP2. ユーザー情報を集める
次にペルソナ設計のためのユーザーの情報を集めましょう。
情報収集にコストがかかりすぎてしまう恐れもあるので、まずは既存の顧客情報を整理したり、アンケートを実施する方法があります。
そのほかに
・SNS
・サイト解析
などの方法が工数少なく進めることができます。
STEP3. ペルソナ像の作成
ペルソナを作成していきます。
STEP2で収集した情報の中から共通項を見つけ出していく、という方法はNGなので注意しましょう。
複数人の要素が含まれたペルソナは曖昧になりがちのため、具体的なイメージが湧く人物像を設定してください。
以下の項目をまとめます。履歴書をそのままフォーマットとして使用してもOKです。
・基本属性年齢 ・性別 ・居住地 ・職業 ・年収 ・家族構成 ・行動属性趣味 ・好きなブランド ・好きな雑誌 ・休日の過ごし方 ・よく使うSNS |
架空の人物名を付けたり、イラストを用意するとイメージをさらに明確にできます。
その際、一人称を使って以下の要素を踏まえた自己紹介文を作成しましょう。
・どのような一日の過ごし方をしているか ・悩みは何か? ・なぜ商品を購入したか? ・情報収集はどんなメディアを使ったか? |
この手法を「I am Statement」といい、ユーザー視点に立つためには重要なポイントです。
この自己紹介文から、ペルソナがどのような悩みを抱えて、どのような動機で、どのような手段で購入したかを明確に把握できるため、リアルな人物像を作ることができます。
STEP4. ペルソナ像の改善
ペルソナ作成後は、常に改善していきましょう。
ユーザー情報や環境の変化に対応していくことがマーケティングでの重要な戦略となります。
まとめ
この記事ではペルソナ作成の目的やメリット、作成方法について解説しました。
一般的に大きく誤解されているのが「ペルソナを想像で作成すること」です。
ペルソナ作成に主観は不要で、可能な限りの情報を収集して作成することが重要です。
アンケートデータなどからリアルな人物像を作りましょう。
また、ペルソナは精度を検証しながらアップデートが必要になります。
最新の情報を活用することで、オウンドメディアやSNSマーケティング、CVR改善などさまざまな場面で役立つことになります。
ぜひこの記事をもう一度読んで、ペルソナをマーケティングに活用してみてください。